第一幕.9話 Aクラス
誤字脱字の確認が出来てない……
ちゃんと修正点がございましたので修正しました。
申し訳ない……
王立学園フラグレオ 『第一会議室』
5人の教師と一人の貴族がいた
彼らは円卓に座り会議を続ける
「今回のテストだが……正直言ってレベルが違う奴がいる。」
大男が頭をかきながら言う
「そんなの見ればわかるでしょ、対竜魔法結界を粉々にしたのよ」
小柄な少女が言う
「しかも俺を一発で倒した。」
鎧を纏った男が言う
「それだけじゃない、記述の未解決問題を平然と解きおった。」
興奮した様子の老人が言う
「みんなはこの子に幾つ評価をつける?」
校長であるセレス・グレアは彼らに問いかける
「「「……」」」
「最大100、もちろん実技評価はSだ」
「右に同じく」
「悔しいが、同意見だ」
「儂も同じく」
「では、今回の首席は彼でよろしいですね?」
しかし、一人ここにいるべきではないものは言う
「わしは認めんぞ!」
「何か反論が?シュトゥルム卿」
「そいつはわしの息子に暴力を振るったらしいではないか! それに息子の試験が全ての教科において0点とはどう言うことですかな!」
少女は冷静に、そして簡潔に答える
「試験会場での不正行為、それとあなたが言ってる事件。その2つが理由よ」
「な、暴力を振るったのは相手だと」
大男は堪えきれないとでも言うように笑う
「ガハハハハハ! 笑いが止まらないとは正にこのこと! アホの親はやはりアホか! ハハハハハ!」
「な、なんですと!」
セレスはもういい、と言うように席から立ち上がると貴族の首を掴む
「少々手荒ですが許してくださいね? 呼ばれた立場だと言うのに何もわかっていないようですので」
彼女はそのまま貴族の家紋を燃やす
「わ、わしの家紋が!」
「貴族という立場ならなんでもして良いとお考えの"豚"にお似合いではないものがついていましたので、」
「き、貴様らなんと言うことを! このことは国王に伝えさせてもらうからな!」
「フォッフォッフォ、あやつがその程度で動くかのう?」
「とりあえず出てってくれる? 邪魔だから。」
貴族はそのままセレスに扉の外まで投げ飛ばされた。
「お帰りはそのままご自分の足でお願いしますね〜!」
呼んだのは間違いだったと後悔するセレスであった
試験を受けて1週間後、ついに学園から手紙が届く
食卓にセレス姉さんを含むほぼ全員が集まる。長男はやはり不在だ。
「それでは! アルくんの結果を発表しま〜す!」
ほんとに試験結果の発表か? テンションがホームパーティなんだが……ま、家でやってるしそんなもんか。
「アルくん! 予想は!」
「え? う〜んと筆記が67、実技がAとかなら、まーいいかな」
「うん! 残念ながらハズレ!」
クイズ形式だった?
「では発表します! 筆記! 150点! 満点!」
ん? 筆記の満点って100……
「実技!全評価S! 合計評価256点! 満点!」
んん⁇ だから100点以上ってどう言うこと?
「以上により、アルくんのクラスはAクラス! そして首席合格でーす!」
すごいにこやかな顔で今のを全て読み切ったセレス姉さん
まるで当たり前だと言うふうに頷くレオルさんとメルダさん
流石だと言うふうにクラッカーを鳴らすガレス兄さんとフィルナ姉さん
そして当の俺は事実を飲み込めていないのであった。
「あの姉さん? テストも実技も満点以上なんですが……」
「当たり前じゃん。未解決問題を立証式を建てた上で答えて正解してるし、」
え、そんなのあったの?
「実技は魔法で障壁破壊するし、第二騎士団隊長のジオさん倒しちゃうし、十分な理由じゃない?」
ちょっと笑いながら言いやがった
でも確かに聞いてみると結構やばいことしてるのかも……
「んま、頑張りなよアルくん。……まずは首席合格の挨拶からだよ!」
「辞退します」
「だめです。」
くそう! この悪魔め!
「と言うことで首席だと、」
制服に身を包んだ俺はその上に薄手のパーカーを着ている。自作である。
フードの中にヴァルスを隠すためでもあるためなるべく着るようにしている。
「さすがアルくん。それじゃAクラスかーいいなー」
「リズはどこだったの?」
「私はBクラスだよー。アルくんと同じクラスがよかったなー」
「まぁまぁ、しかたないよ」
リズの制服姿に少しドキドキしながら学園前の大通りを歩く。
学園があるのは王都から少し離れた場所。一つの町のようになったこの学園は、人は皆平等、を掲げているから馬車を使えるのは門の前までなのだ。
「よし、行こう。」
その日、俺は再び学園の門をくぐった
「新入生代表、首席アルレルト・グレアくん」
「暖かな日差しが差し込む季節となり……」
入学式というものはなぜ存在するのだろうか、眠くなるだけではなく点数を取ったら前に立たされるなんて。
「ありがとうございました。では以上で入学式を終了とします。新入生の皆さんは自分の指定されたクラスまで向かってください。」
学園長の挨拶が終わると、指示通り俺は講堂を出て本校舎内のメイン通路へと出る
この学園は簡単に言えばショッピングモールみたいになっている。自分のクラスがわかりやすくていいが、新入生は目立つ。上からの目線が辛いのだ。
そんな俺の元に何も考えずに声をかける人がいる。
「アール。」
「ガレス兄さん。」
「新入生代表挨拶、良かったぜ。」
「ありがとう。兄さんはクラスどこ?」」
「最上階の一番奥、4年のAクラスだ。なんか困ったら来ていいからな。」
「うん。」
ありがたいんだが、せめて人がいないとこで話しかけて欲しかったな、視線が痛い
「ここか」
扉の上には日本の学校と同じように1年A組と書かれている。
扉を開けて中に入ると、もうすでにいくつかのグループができているらしい。
知り合いもいないので一番後ろの窓側席に座る。
そんな俺の目の前によくある魔女帽子のデカイ版を被った少女が歩いてくる。
「貴方がアルレルト・グレアね?」
「はい、そうです。」
少女、と言うよりも魔力で動いてる人形のような、
「私はセシリア、セシリア・ルベル・フラウェイよ。王宮魔法使いの一人にして、魔術科の担当でもあるわ、よろしく。」
「はい、よろしくお願いします。セシリア先生でいいですか?」
彼女は頷き手をこちらに差し出す。
握手を求められているようなので応じる。少し違和感を感じたが体には何の問題もない。
「それで、ご用は?」
恐る恐る聞く
「貴方の使った魔法、見せてもらいたいと思って」
彼女は少し興奮気味なのか体温が上がっているようで顔が赤い
「試験の時の……でしょうか?」
「ええ、担任であるセレスに許可はとったわ、校庭に出てちょうだい。」
足早にかけていく後ろ姿に少し心を奪われた。
「試験の時と同じ障壁、そして同じ的を用意した。遠慮しなくていい。」
なんかすごい楽しそうなのは伝わってきている。
「それじゃ行きますよ。[氷炎流転]!」
またもや障壁が砕け、ま的は消し炭になった
「相反する魔法同士を重ね合わせるなんて。原理的には両手で魔法を使っているのと同じ? いやでも混ざっていることに理由がつかない、それと発生までの異様な早さ。あれでは脳がショートしかねない、どうやって……」
なんかすごいぶつぶつ言ってる。
「あの、これでいいんですよね?」
セシリア先生はハッとしたような顔になるとこちらに向き直し咳払いをする。
「いろいろわかったわ、ありがとう。そろそろ朝礼の時間になってしまうし、教室に向かいなさい。」
「はい、それでは。」
俺は足早に教室へ戻った。
「全員揃ったな? それでは改めて自己紹介としよう。私はセレス・グレア、校長でもありこのクラスの担任だ、よろしく。そしてこっちは副担任の」
「セシリア・ルベル・フラウェイよろしく。」
「早速だが皆には体力測定を受けてもらう、ので体育館にレッツゴー! オー!」
もちろんそのテンションに乗るものは居なかった。
やることは全て身体測定、シャトルラン、反復横跳び、長座、握力と基本的なものだが、
「これも体力測定?」
そこにあるのは訓練用の藁人形。かなり分厚い
「そうよ、単純に魔法も何も使わず藁の束を切るだけよ。私はできないけど」
顔を顰めている俺の横にしれっといるセシリアさんが答える。ってか切れないんだ、剣苦手なんかな。
「ま、やってみるか」
これでも試験までレオルさんに稽古してもらってたし、自信はある。
試験の時と同じ模擬剣を中段に構え、そのまま上段に上げ斜めに振り下ろす。いわゆる袈裟斬りの形だ
「よし。」
心地よい手応えを噛み締め俺は模擬剣をしまう
バッサリと切れたはずの藁束はぴくりとも動かない
「貴方、魔法以外もできるのね、羨ましいわ」
「光栄ですね」
藁の束は斜めに切れずそのままバラバラに切り刻まれた
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