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第二幕.7話 資格〈ライセンス〉

誠に申し訳ありません、5ヶ月ぶりの更新でございます!

出来ればクリスマスに投稿したかった……!

「えと、アルレルト・グレアです。よろしくお願いしますフェンディオさん。」

「フェンディオでいいよ。君が例のセレスの弟?」

俺が頭を下げるとすぐに反応して気さくに声をかけてくる。

「……例の?」

「試験で対竜用魔法結界をぶっ壊したって言うやつ、」

……こんなとこでその話されんのやめて欲しいなぁ

「あはは、そんなこともありましたねー」

「本当なのか! いや、あの馬鹿が珍しくうちに来たと思ったら、嬉々として弟の話して酔い潰れてくもんだからね、気になってたのさ。身内だろうとあいつが他人のことを話すことなんて、そうそうないからさ。」

 姉さんが家族や騎士団の人意外と気さくに……? でも姉さんだしな、俺のことになるとすぐテンション高くなるからな、家族みんなそうだけど、

「そうだ、それでキミのランク分けを先にしたくてね、緊急で依頼をしなくちゃならないってなら止めないけど、どうする? 一応報酬金は減っちゃうよ?」

 ……そしたら先にランク分けしてもらったほうがいいか。

「だったら、先にランク分けを。」

「うん。それじゃあ奥に待合室がある。少しそこで待っていてくれ。ルイン、案内を頼む」

「承知しました。ではアルレルト様、こちらへ。」

 連れられるがまま奥へと進む、少々長い廊下を進むと、扉の前で立ち止まる。

「こちらです、中でお待ちください。試験が開始できる状態になり次第お呼びします。」

 頭を下げて部屋を出ていく。

 さて、大人しく座って待っていようか。

「と、なる訳もなく。」

 手先だけでも動かしておこう。

 ソファに座ると坐禅を組み、手元に魔力を集中する。指先から糸状に魔力を放出し、制御下に置く。魔力糸に感覚を通し、大気中の魔力に流されないように操る。物理的な『魔力操作』の一環だ。

 1本から2本、2本から4本、4本から8本と操る魔力糸を倍にしていく。一つの指から4本、両手で計40本の糸を操り、部屋を魔力から伝わる感覚で捉える。これは『感覚強化』の一環。

 さらに本数を増やし約5分ほど操っていると肩に手がのる。

「うわっ!」

 後ろを振り返るとフェンディオが肩に手を置いていた。

「おっとすまん、びっくりさせたか。試験の準備ができたぞ、ついてきな。」

 俺は糸を霧散させ、椅子を立つ。

「そういえば、フェンディオさ、……フェンディオってセレスねぇさんとはどう言う関係で?」

「同級生で元パーティーメンバーで元彼。僕が遠距離担当で彼女が近距離担当。後二人パーティーにいたんだけど、色々あって今は他の大陸にいる。ちなみに告ったのは向こうで振ったのも向こう。」

 えぇ……

「……なんか、すみません。」

「いいよいいよ、気にしてないから。付き合ってたのも別れたのもパーティー組んでる間だったし。今はどちらかと言うと、君に興味津々だしね。」

 少し細目で笑うフェンディオを横目に、俺は苦笑いする。

「さてと、ここだよ。」

「失礼します。」

 中へと入ると受付と同じ広さの部屋が広がっている。

「あの、試験って。」

「今からターゲットを4体ずつ、君を中心にしてランダムな場所に出現させる。40秒以内に全てを倒しきれれば次のフェーズに進める。フェーズは3回、全てクリアで次の試験に行ける、ルール説明は以上だ。質問はあるかい?」

「……武器と魔法の使用は許可されますか?」

「許可されます。」

 俺は腰に手をやると、隠し持ってきたアスカロンを取り出す。

「では、」

 魔力を僅かに流し、刀身を調整する。

 大きな平皿に水を、こぼさないように瓶から移し替えるように、繊細に。

魔力が流されたことによりアスカロンが刀身を形成する。試しでつかった時と同じように形作られていき、流し込むのをやめると形が定着する。

「ほう、魔法具。」

「お願いします。」

「それじゃ、試験開始!」

 アスカロンを両出で握り、脇構えにして走り出す。まずは身体強化は使わない、純粋な剣術で1フェーズを凌ぐ。

 目の前に現れた二体を袈裟斬り、視界端に確認した一体の懐に潜り横薙ぎ! あと二体!

「試してみるか、」

 体全体から魔力を同心円状に解放、揺らぎが出たところに向けて、アスカロンを投擲!

 投げたアスカロンまでダッシュし最後の一体を仕留める。

「フェーズ2、開始!」

 休憩とかは無しですか! なら、

「[身体強化(フィジカルブースト)]!」

 現れたターゲットの顔面をぶん殴る!

 2体目、3体目、4体目が出てきたところで、最近覚えた魔法の出番!

「(土属性中級魔法)[土槍(ソールランス)]!」

 視界に入ったターゲット全て、地面から出た土の槍で貫く!


「 [土槍(ソールランス)]!」

 なんて魔法詠唱の速さだ。適切な魔法を選んでから発動までが恐ろしく早い。本当に子供かすら怪しくなってくる。それに、先程から見るあの型、私が知るソレではない。東方の剣術に似たようなものがあった気もするが、やはり知らない動きをする。

 そんな考えを頭に張り巡らせている間に試験はラストに差し掛かった。

「最終フェーズだ、気を抜くなよ。」

「はい、」

 するとふと、周りの空気が変わったのを感じた。別にいつもの試験会場と何ら変わらないはずだった。変わったのは……

「アル、レルト……?」


 最終フェーズ、ここまで色んな魔法や型を使ったが、実戦形式ではない分やはり物足りなさがある。だから、少し意地悪をしよう。

 ……どこまでやれば焦って飛び出してきてくれますか、フェンディオさん!

(魔力解放、死に際にコピーした"あいつ"の技!)

暗触(ダ・ラクラータ)

 瞬きをした次の瞬間、周囲のターゲットは全て、消滅した。


 何が、起きた。

 アルレルトが魔法を唱えた、それは分かった。だが! 口にした瞬間周りに出た試験用ターゲットが崩れた。

「そ、そこまで!」

 我に返り、すぐに試験を終わらせる。

「アル、君の力はよくわかった。そして、君の力を見込んでたのみがある。2日後、もう一度ここへ来てくれ。」


 試験が終わりなんだか急いで執務室へ向かったフェンディオを横目に冒険者資格(ライセンス)を受け取る。

「それでは、アルレルト様、また二日後お越しください。」

「あ、あのルインさん、俺なにか失礼を……」

「いえ、特にそういう訳では無いと思います。またお越しください。」

 この子ほんと笑わないなぁ、カワイイのにもったいない。

「アルレルト様? 出口は後ろを向いてまっすぐですよ?」

「は、はい。」

 ……やっぱり俺、なんかした?

面白い!

続きが気になる!

と少しでも、本当に少しでも思われましたら

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