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第一幕.11話 校外学習

 俺たちが入学してから1ヶ月が経ったちょうどその日の朝、新入生が全員ある場所に集められた

「本日は前から言っていたとおり学園内にあるダンジョンを攻略してもらう。私の後ろに見えるのがそのダンジョンだ。クラスは関係なく4人1組のチームを作れ! ルールは単純だ、白紙の魔法地図(コール)を最後まで埋めてきたものに評価A、最深部にある白鹿(カルデラン)の杖を持ってきたものには評価Sをやる! 準備ができたものから順に入れ!」

 今日は校外学習、学校敷地内に点在しているダンジョン7つの内の一つ《カルデランの墓地》を探索、攻略する。

 チームを作ろうと周りを見渡すと

「アールくーん! 一緒に行こー!」

 リズが声をかけてきて

「アルー! 俺と組もーぜー!」

 セルクが声をかけてきて

「リズ、私と組んで」

 俺に声をかけたリズにマリスが声をかけ、

「いいよー!」

 元気よくリズが了承する。

 ……分かってはいたが結局この4人だな。

「……よし、お前ら準備できたか?」

「もっちろん! バッチリー!」

簡易光源(ランタン)とかいるか?」

「別に光源(ライト)使えばいいじゃない」

 これは、始まるヤツ……

「何かあったら困るから聞いてんだろ、これだからアルファリオの家のやつは」

「何よこんなとこで死にたい訳? いいわよ今なら私が出せる最大火力で葬ってあげる。」

「あぁ? そんときゃ死ぬのはてめぇだ!蒼髪チビ!」

「あんたじゃ私に勝てないって脳髄に教えこんであげるわ!」

 これ以上は始めかねんか、てか最初はこれが始まるとオロオロしてたリズが慣れてるのが怖ぇな

「おい、夫婦喧嘩すんn……」

「「夫婦じゃ」ねえ!」ないわよ……」

 反応早くなってる!?

「はいはい、2人ともおわり! 入る前に体力使っちゃ元も子もないよ!」

 リズが仲裁を入れたところで

「よし、んじゃ入ろうか《カルデランの墓地》に!」

「「おおー!」」

 セルクとリズの元気よし!

「テンション高……」

「マリス、それは思っても言っちゃダメだよ」


「さて、いざ入ってみたものの、結構遅く入ってしまったからかな、」

「わー、結構倒されちゃってるねー」

 ただいまの階層10層中の5層ここまで戦闘はない、代わりに先頭集団が倒したであろう魔物の死骸がそこかしこにある。

「アルーこいつ魔石残ってるぞー」

「拾っとけー」

 ダンジョンでは普通倒された魔物はダンジョンに吸収されるので死骸は残らないんだが、吸収される前に見つけられたらしい、ある意味ラッキーだな。

 そしてそんな死骸をしゃがみ込んで眺めているリズが、

「これ、吸収されるとこのとか見れないかな!」

 とか言うので魔石だけ拾ってピクニック中である。

「リズー戻っておいでー」

「マリスちゃーん! 見てー! これ見てー!」

「まったく、何よー」

 と、言うふうに時間を潰している。が、

「お前らまったりしてるけど日暮までには帰らなきゃなんだから、そろそろ先に進むぞ」

 俺が声をかけ奥に進もうとしたその時である。

「うわぁぁああ!」

 下の階から駆け上がってきたであろう男子生徒とぶつかった。

「どうしたの? 何かあった?」

 リズが問うと、

「な、7層に……リッチが……」

「!」

 リッチ……推定危険度A級のモンスターだ。モンスターの危険度は下からDCBASの順になっているのだが、本来このダンジョンには強くてもB級までしか出てこないはずだ、

「何か変わったことはなかったか、」

「わ、わかんねぇよぉ、お、俺、怖くて、みんなのこと、置いてきちまったぁ」

 男の涙なんて見とうないわ! とツッコミつつ俺は[聴覚強化]の魔法と[探知]の魔法を使う。先週までは一つの魔法につき一回《詠唱破棄(マナブレイク)》を使わなきゃだったが、最近は二つまでなら一緒に《詠唱破棄(マナブレイク)》を使えるようになってきた。

「アルくん、何か聞こえた?」

「すぐ真下で魔法の発動音、かな、あと……」

 俺が場所を言い切る前にセルクが背負っていた大剣を床に突き刺した、

「オッケー、任せろ能力解放(スキルバースト)! 《陽を燃やす紅き牙(ゼノ・ゼルクス)》!」

 そして、そのまま()()()()能力(スキル)をぶっ放した。

「ちょ、おい馬鹿まて! んなことしたら、床崩れるだろぉぉお!」

 そのまま俺たちは第6層《聖堂》へ叩きつけられた。


「お前っほんとバカだな! 普通に考えて対竜規模のスキルなんてB級のダンジョンが耐えれるわけないだろ!」

疾走(ダッシュ)とか、魔法で移動するわけでもないのね、」

「さすがセルくん、あほっちー」

「う、うるせぇ……」

「とにかく、リッチがどこにいるかだが……ここ6層だよな?」

「は、はいここは6層です……」

 あーあさっきのセルクのみてビビっちゃってるじゃん。ま、とにかく

「んじゃあ、あれは6層まで登ってきたってことだな。」

 俺たちの目の前には所々ボロボロな黒いローブをつけた骸骨が浮遊していた。

 そして何より、手に持っていたのは

「あれ、もってるの白鹿(カルデラン)の杖だよね、取り返したほうがいいよね!」

 そう言いながらシャドーボクシングをするリズ

「どー見てもそうだな。しゃーない、戦うかー」

 と大剣を肩に担ぐセルク、

「説教は後回しね、」

 と腰から剣を抜くマリス

 俺は剣を生成し、片腕でみんなに[身体強化]をかける。

「んじゃダンジョン内初戦闘と行きますか!」

「「おー!」」

「はあ、」


 リッチ……前述したとおり危険度A級のモンスターである。ここで基準がわからないと言う方のために説明すると、S級は騎士団が苦戦するレベル。

 A級は騎士団を出すか冒険者を出すかでまた変わるが、リッチの場合は冒険者が出されるレベル。Bはまぁ、ちゃんと戦えば戦闘経験なくても倒せるレベル。Dはもはや言うまでもなく、と言った感じだ。

 俺自身騎士団がどれほど強いのか知らんが国を守る役割を持っているのだからかなり強いのだろうと思っている。

 少し話がずれたがリッチはA級、つまりたかが一般生徒が戦っていい敵ではないのである。

 とは言っても

「戦いたくなっちゃうのも事実だから苦しいね!」

 俺とセルクが同時にリッチへ切り掛かる。だがリッチは幽霊(ゴースト)つまり、物理が効かない。そのため、俺とセルクの役割はヘイト管理である。

「セルク! スキル二つ目使えるか!」

「いけるぞ! タイミングは任せる!」

 俺がリッチの持つ杖と鍔迫り合いになった瞬間

「よし、今!」

「オラァ!《魔人剣》!」

 セルクがスキル《魔人剣》を使い斬りつける。今の一撃で戦闘が始まって未だ数秒だが、全てのヘイトはセルクへと集中し始めた。

 俺は攻撃系のスキルを持っていないため、サポートに回りながらの戦いをしているが、これはこれで楽しい。

「マリス! 交代!」

「《氷華裂傷(クリスタルシャード)》!」

 マリスのスキル《氷華裂傷(クリスタルシャード)》は相手を凍らせ、氷気の魔力を纏ったロングソードで斬りつける。そのため打撃や斬撃が通らなくとも魔力による拘束、ダメージを通せる。

「リズ! 交代!」

「りょうか〜い! 《幻獣混合(フォースマテリアル)(タマ)》! いっくよー! 《猫の気まぐれ(キャット・ファイト)》!」

 リズは《混合(フォース)》と呼ばれるスキルを用いる。混合してるのは自分の精霊らしい。まあ、リズが猫みたいなモンだしな、だがあれでおもっきし殴りに行くスタイルなのは初めて見た時ビビったね。

「セルク下がれ、足元魔法からぞ! 俺が前に出る!」

「おう!」

 俺たちの基本戦術はローテーションを組み、二人が前に出て二人が後ろに待機する。背後からサポートや回復をしつつ入れ替わりながら戦う。

「でかいの行くぞ、」ヴァルス! (うむ!)

 やつは幽霊(ゴースト)に分類される。なら、魔法や聖属性はダメージがでかいはず!

模倣(コピー)》でヴァルスの魔力を介して龍皇砲(ドラゴンブラスター)をコピー、プラスで光属性上級魔法[聖魂抹消(ジャッジメント)]を《詠唱破棄(マナブレイク)》して、同時発動!

「いぐぞ! [聖魂抹消龍皇砲ジャッジメントブラスター]!」

 金色に輝く炎が、レーザーのように右手から放たれ、リッチの体全体を飲み込む。

 リッチは跡形もなく消え去った。


 正直ウキウキで戦っていた。幽霊(ゴースト)に分類されるモンスターとは戦ったことがなかったのもあるが、何よりA級のモンスターと戦ったことがなかったからだ。やつは強かった、上位魔法を雨のように降らしてきた。

 だからこそ最後、耐えてくると期待していた。だが、それ以上はなかった。俺は密かに……がっかりした。


「セルク、リズ、マリス。ダンジョン内初戦闘お疲れ様」

「おつかれさまー!」

「おつー!」

「そうね、ほんとに疲れたわ。どっかのバカのせいで」

「いや、最後ぶっ放したのはそのぐらいやったほうがいいかと思っただけで……」

「それでダンジョンの壁を壊されたらたまったモンじゃないのよ。」

「はい。」

「あ、あのほんとに助けていただいて、ありがとうございました!」

 最初助けを求めてきた男子生徒とその仲間が頭を下げてきた。

「まーそんぐらい気にすんなって!」

「結局戦う羽目になっていたのだから。謝る必要はないわ。」

「そーそー! 元気出して!」

 とりあえずこのまま下に降りるかでいるが……一応意見を聞いておくか。

「3人とも、俺はこのまま下に潜る気でいる。だが、3人の意見次第で……」

「行く〜! 行く行く! 絶対行く!」

「俺も行くぜ。お前が行くのに行かねぇってのは、話がちげぇからな。」

「もちろんついてくわよ。」

 ほんと物好きな奴らに囲まれたモンだ。

「よし、行こうか後4層で最下層だ!」


 カルデランの墓地最下層

「な、なんでここにこんなやつが!」

「た、たすけてくれぇ!」

「陣形を崩すな! まだ動けるものは立て!」

 くっそ、なんでだ、最下層に踏み入っただけなのに

「おい、お前! 盾を構えろ! 攻撃が!」

 ブシッ

「あ、く、首飛ん、いや、いやぁあああ‼︎」

「落ち着け! ダンジョンを出れば治る! ダカラ……」

 

 

 

 

 次…の……ニ…贄

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