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双翼の奏者  作者: 無澄名
一章始まりの旋律
10/16

第一幕.10話 お友達

駆け足気味かもしれませぬ

 学園に入学してから1週間が経とうとしている

 体力測定時、圧倒的力を見せてやったがためにめんどくさいことに巻き込まれることはなかった。

「もうこんな時間か」

 廊下に出て隣のクラスに向かう

「リズ、飯行こ」

「うん! いいよー! あっ、セルくんも一緒?」

「後で来るって」

「それじゃマリスちゃん呼んでいい?」

「ああ」

 この学校で新しくできた友人

 炎を司る赤髪赤目の一族ヴァージェステインの長男、セルク・ヴァージェステインと

 水を司る青髪青目の一族アルファリオの次女、マリス・アルファリオ

 この二人は入学してから約5日間いがみ合っている奴らで家同士もお互い敵視しあっているらしい

 入学2日目、ロビーで喧嘩()を始め、周りを巻き込みそうになったところを俺が止めたところから友人として関係がスタートした。

 セルクは俺と同じAクラスでありマリスはリズと同じクラスだったこともあって最近はよく一緒にいる。

 だがやはり二人の中はあまりよろしくない……と思っている。

「先に食堂行ってるぞー」

「はーい」


 今日のお昼はどうしようか、この学校の食堂はかなりバリエーション豊かだ、あるはずないと思っていた味噌や醤油を使った料理もあった。

「アルじゃないか、今日はどうする?」

 この人は食堂のおばさんエラ・ハーバードとてもお世話になっている。

「それじゃあ唐揚げ定食ください。」

「いつもの量でいいね?」

「はい」

 出てきたのは大盛りな白米に山盛りな唐揚げとキャベツそれと味噌汁

「いつもの席でいいかな」

 食堂の入り口から最も遠い席に向かう。

 ここだと食堂全体が見れるためどんな人がいるか見れて意外と楽しいのである。

「貴方、今日もこの席なのね」

 目の前にいつのまにかセシリアさんがいた。

「隣、いいかしら?」

「どうぞ」

 俺の隣にコーヒーとサンドイッチを持ったセシリアさんが座り食事を始める。

「セシリアさん、今日もそれですか?」

「手軽な食事の方が時間が取れて仕事に回しやすいのよ」

 あまりよろしくないと思っているとリズが向かってくるのが見えた

「アールくーん! マリスちゃん連れてきたよー! あ! セシリア先生こんにちは!」

「今日も元気いっぱいね、リズさん」

 謎に仲良いんだよな、ここ

「あれ、マリスは?」

「今並んでるとこ、私は先に取ってきちゃったから」

 リズの持っているお盆には山盛りの白米と肉、

「食う量減らせよ、太るぞ」

「あー! 女の子にそう言うこと言っちゃダメでしょ! それに騎士志望だから動くし!」

 くだらない話をしていると食堂の列の方から大きな音がした

「なんだ?」

 人だかりができていて見にくい

「わかんないけど言い争ってるっぽい?」

 止めに入ろうか考えているとセシリアさんが立つ

 手には杖が握られている

「二人は座ってなさい、いざこざを止めるのも先生の仕事よ」

 そう言われても気になりはする、ので

 ヴァルス、(なんだ)ちょいとあれ見に行ってくれない?(もちろん後で飯をくれるよな?)……わかったよ

 (では行ってくるぞ[疾走]!)

 それじゃ[感覚共有(リンク)]、

 あ、この魔法面白い。

 特定の魔獣と視界を繋げられる魔法なんだが、最初は使い所あるかわからなかったけど結構使えそうだな。

 とりあえず見えた、人溜まりの真ん中にいるのはマリスとセルクだった


「あんたが私の分とったんでしょ?」

「はあ?おれが頼んだもんとっただけだ、おめぇーの方が後に頼んでただろ!」

 こいつらは食事をとったとられたで言い合いしてるらしい、やっぱ仲良いかも

 流石にセシリアさんに全て頼むのも……ってかあの人見てるだけやん、殴り合いが始まったら止める気なのかな……あの人のことだし楽しんでるだけだな、絶対。

「リズ、あの中にいるのセルクとマリスだ」

「ふぇ? ふぉんふぉに?」

「うん、飲み込んでから喋ろっか」

ごっくん、

「ほんとにセルくんとマリスちゃん?」

「うん」

「ちょっちょちょ、はやく、はやく行こ!」

 あの二人はお互い家のプライドがあるとかなんとかで引かないからな、

 しかたなく人溜まりの中に入っていく

「おい二人とも、なに夫婦漫才してんだ」

「「誰が夫婦だ(よ)!」」

 おー息ピッタリ

「と、とりあえず落ち着こ! ね!」

 リズが入った瞬間マリスの目が変わる

「リズ! 聞いて! こいつ私のご飯取ったんだよ!」

「はあ? だからとってねえって!」

「落ち着けセルク。くだらんことで喧嘩すんな」

「アル! くだらなくねぇよ! それにこいついちゃもんつけてくんだぜ!」

「あんたがとったのが悪いんでしょ」

「なんだと!」

「やる気なら相手するわよ」

「上等じゃねえか! 表でろ!」

 ヒートアップしすぎなので

「だまらっしゃい」

 二人の頭に拳骨を入れる

「マリスは後ろを見ろ、お前の分はそっちの野菜炒めだろ、セルクが持ってる方には筍が入ってるからな」

 マリスは筍が苦手だ、渋いとこに当たりやすくて嫌いらしい、あんなに美味いのに

「ほら、取ったら席行くぞ」


「……なんで優雅に紅茶入れてるんですか? セシリア()()?」

 一通り落ち着いて先に戻ると小柄な魔法使いが紅茶を嗜んでいるのですこーしキレ気味に聞いてみる

「あら、貴方が落ち着かせそうだったから別にいいと思って。何か問題があった?」

 ないけど! ないけどあなたの仕事じゃないんですか!

「何もないですよ」(あるではないか)言わなくていいんだよ

 席につき食事を再び初める

 するとちょうどマリスとセルクが来る

「おーいアルー! ってセシリア先生、またいるんすね、アルのこと好きなんすか?」

「おいセルク何のつもりだ」

「え?夫婦って言われた仕返し」

 おいふざけんなこいつ

「くだらないことしてないで、早く食べたら?」

 マリス……ありがとう

「で? 先生どうなの? 好きなの?」

 んんあれ? マリスさん?

「私も! 私も知りたい!」

 リズ⁈ 混ざるんじゃない!

「別に好きか嫌いかなら好きな方よ? 仕事の手伝いもよくしてくれるし、何より気が効くもの」

 俺はこれを聞いてどうしろと?

「あ、それと貴方、放課後図書室に向かいなさい。精霊学のおじいちゃんが呼んでたわ」

「は、はい。わかりました。」


 放課後、とりあえず図書室に向かう

「王城の書庫よりでかいって本当かな」

 3階建ての家ぐらいの高さの本棚がずらりと並んでいる

「ふぉっふおっふぉ、流石に王城の本よりは少ないのう」

 本棚の奥から一人の老人が現れる

「初めましてじゃな。儂はワロウ・ディセント、ここの支配人でもあり精霊学や憑霊学を専門にしておる。」

 ヨボヨボのおじいちゃんだがかなり姿勢がいい、

「そうじゃろうそうじゃろう、これでも鍛えとるんじゃ」

「え、」

「おっとすまんすまん。儂自身読心学を学んでおるからな、多少なら心が読めるんじゃ」

 ……下手に考えるのやめよ

 と思ったその時、俺のフードからヴァルスが顔を出す

「む、ここはどこだ?」

「ちょっ!」

「うん? 何か言ったかの?」

「いえ! なにも!」

「そうか、それじゃあついてこい」

 ばっかやろー何してんだよヴァルス! (いつもなら家に着いてる時間だろう)だからってでてこないで! (むぅ)


 おじいちゃん先生、ワロウについて行く

「先生、俺を呼んだ理由ってなんですか?」

「いやなに、お前さんが試験で未解決問題を解いたからな」

 図書室の一番奥についた。そこには一つの扉がある

 先生は続けながら扉を開く

「わしの実験に手を貸してくれんかな?」

 そこにあったのは実験室、真ん中には一体のアンデットグリフォンがいる

「こやつはかつて儂と共に旅をしていたんだが死んでしまっての、その時にアンデットになったんじゃ、しかしどーにかして戻してやりたくてな、手を貸してくれんか」

 多分やれないことはないんだろうけど無理だ。試験の時の未解決問題はただの科学の問題だったから解けたがこれはちょっと……(我がどうにかしよう)ヴァルス?

「ふむ、これは綺麗にアンデットになったものだな」

 ちょヴァルスさん! 何してんの?!

「な、なんじゃこのうさぎは?」

「我はうさぎではない! ヴァルス……」

 急いで口を塞ぐ

「こ、こいつヴァルサミコって言うんです。召喚魔法で召喚したんですよ!」

 (おい! 変な名前にするな!)仕方ないだろ! 誤魔化すためにはこうするしかないんだよ!

「と、とりあえず指定した材料さえもってくれば元に戻せるみたいですよ?」

「ほ、ほんとうか! ざ、材料とは?」

 俺の手の中からヴァルスが降り、小さい体を伸ばしながら言う

「うむ、今から言うものを用意せい」

 これ長くなるかなぁ


「これで全てだ」

「はあぁなるほど、尾竜の目玉にレイスの髪、沼仙豆の鬼傷莢(きしょうざや)……」

「魔法陣は先ほど渡したものを使え。材料はあるか?」

「ああ、全てこの部屋にあるぞ。今すぐ取り掛かろう」

 今更だけどこのおじちゃん、興奮すると口調が変わるな

 ってかセシリアさんもそうだし、変な人多いんかもなこの学校

 考えていると急にアンデッドグリフォンが光る、すると瞬く間に白銀の羽を纏ったグリフォンとなった

「か、完璧じゃ」

「クルルルル」

 ……可愛い! 

「よかった、よかったぞ。待たせてすまなかったのぉリムグル」

 リムグルと呼ばれたグリフォンは翼を広げ嬉しそうに泣く、そして俺とヴァルスが目に入ると頭を下げた

「おお、儂以外には頭すら下げんかったリムグルが。アルレルトくん、そしてヴァルサミコ様、感謝いたしますぞ」

「いえ、俺は何もしてませんから」

「クルルル」

 リムグルがこちらに頭を擦り付けてくる

「リムグルがここまで心を開くとは……そうじゃ! こいつを連れてってくれんか、どうせここでは狭くて飛べもしないからな」

 えぇ、どうしようか(便利な足ができたと思えば良いではないか)それは確かにそうかもだけど……

「頼めぬか?」

 いや流石にここまで頼まれたら飲むしかない! (どうせ戯れたいだけだろ)……ばれた?


「ということで、うちに住まわせてあげてください」

「まあ、いいわよ?」

 メルダさんに頼み、飼わせてもらった

 この話をしている間、リムグルは俺の頭をずっと甘噛みしていた。

リムグルはモン◯ンのバ◯ファ◯クを想像していただければ、

面白い!

続きが気になる!

と少しでも思われましたら

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【★★★★★】

ブックマーク登録、いいねもよければ

よろしくお願いします! 

私が救われます。更新頻度も上がるかも……

追記 誤字を確認しましたので修正いたしました。(^•ω•^)/

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