僕のこと
ちゅんちゅん、ちゅん
雀が鳴いている。朝日も眩しくて、雲一つない素晴らしい天気だ。
「おはよう、藍喜ちゃん」
挨拶をするとあの子はびっくりしながら後ろを振り向いた。
「うおっ、お前か。ビックリさせんなよぉ。お前、名前は?」
手に木の棒を持っていたが、落としていた。
名前はまだ知らされてないのか。教えておこう。
「僕はね、陽菜って言うよ。よろしくね。」
じーっと顔を覗き込まれている。
「お前…女だったのか?!」
「…へ?」
「いや、お前、どう見ても男だったから。男だと思ってた。一人称も僕だし。ごめん」
わからんでもない。髪は短いし、可愛いと言われたこともない気もする。
「ま、それは置いとくけど…僕でよかったの?旅を一緒にする人。」
一拍置いて、答えられた。
「お前がいいんだよ。なんかよくわかんないけど…勘だよ!勘!あたしの勘はよく当たるんだ!いまだって、ほら、はっちゃんが近づいてくる!」
うしろを数秒見つめていると本当に白覚さんがきた。
「おはようございます。ご主人様から聞きましたか?…聞いてそうですね。明日からいろんな訓練やらなんやらが始まるのでそれの説明をば」
本当に始まるのだなぁと思いつつ、白覚さんについていく。
「基本的に座学などはここで行います。生活に最低限必要なくらいのことなどですね。さっきいた庭では主に体の動かし方などを学んでもらいます。藍喜も庭の訓練だけでも付き合いなさいな」
「ちぇ〜…さぼりたかったぁ。いいけどさぁ。」
ぐちぐち言ってるが、やる気ではあるようだ。
「ほとんど訓練になると思いますが、なにか質問は?」
あまりないが、強いていえば、訓練は誰が行うんだ?
「あぁ、訓練の方はですね、ご主人様に行ってもらいます。結構あの人暇なので。座学は私が行います。」
心を読まれたような感じだった。
「あ、ありがとうございます!」
ふふ、と笑い返され、結構侮れない人なのだなとおもった。
ほー、ほー
朝の雀とは打って変わって梟が鳴いている。月が明るいと思える良い夜だ。
「お前のさ、能力をみてやろうか?」
自分より幾らか小さい藍喜にいわれた。
手にはなんか大きな水晶がある。綺麗。
「その話、ちょっと気になるなぁ。」
見上げると碧鬼さんがいた。酒を飲んでいたのか、顔が少しだけ赤い。それもまた綺麗とおもえる。
いつ障子を開けてきたんだ?
「げ、ご主人。なんでここに。」
「まぁまぁいいじゃないかぁ。ほらほら陽菜、手を出してごらん?」
大人しく手を出す。はっきり言って僕も気になる。
ふぁふぁと文字が浮き上がってくる。夜でもかなりの範囲を照らせるぐらい光ってくる。
「おお、これは。雨と陽か。普通の雨女とか晴男よりも光が断然強い…神の使いぐらいかな。もっと力を強くすれば、天気を操れるようになるかも知れない。それこそ神だが。」
碧鬼さんが背中をバンバン叩いてくる。
「まじかぁ〜。普通の奴やないと思ってたけど、これほどとはな〜。私、お前のことがさらに気に入ったよ!」
藍喜ちゃんも興味深そうに見ている。
「ご主人、この水晶濁ってない。珍しいよ。すごい綺麗。」
「ああ、ほんとだ。たまにはそういうやつもおるから。気にせんでええよ。」
「は、はい!」
つい見入ってしまっていた。
僕って一体…
まぁいいか。もう夜だし早く寝よう。
2人に声をかけ、おやすみなさいと言い、僕は布団に入った。
明日が楽しみだ。




