表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

第2話 生意気女は懲らしめるのが良い

俺は町長の家で夕食を食べた。

田舎のメシにしてはまあまあ。

俺は文句を付けず、素直に戴いた。

当然である。

メシに文句をいう程、俺は礼儀知らずでは無いのだ。


「町長、酒は無いのか?

 上等なヤツだぞ」

「ございますとも。

 これ、キャサリン。

 勇者様にお酒を注いで差し上げろ」


キャサリンと呼ばれた娘が俺の横に来て、グラスに酒を注ぎ入れる。

胸元の開いたドレス。

なかなか美人な娘。

少し生意気そうな雰囲気だが、それもアクセント言うモノ。


町長が言う。


「一人娘のキャサリンです。

 母を幼い頃亡くし私が男手一つで育てたので、多少無作法化も知れませんが。

 ナカナカ外見は美しく育ってくれたのでは無いかと自負しております」


確かにキャサリンは美人だ。

長い金髪がウェーブを描いて、その下に見える瞳は碧く、睫毛は長い。

冴えないオッサンの町長と似たところが無い。

ハゲたデブ親父からこんな娘が産まれると言う事は。

母親は相当の美人だったに違いない。

ハゲデブ町長が金に物を言わせ、美人を嫁にしたのか。

不条理な事が多い世の中だ。


部屋の隅の方に居た衛兵達から声が聞こえる。


「あの蒸留酒、見た事有るぜ。

 俺の給料の3倍はするシロモノだ」

「マジかよ?!

 町長のヤツ、そんな贅沢してやがんのか」


「クソッ、キャサリンのヤツ。

 普段なら小生意気に俺達にまで命令してくるくせによ」

「勇者様の前では態度がズイブン違うじゃねーか」


俺はキャサリン嬢に話しかける。


「キャサリン嬢。

 あそこに居る兵達にもその酒を注いであげなさい。

 俺の部下だ。

 粗相の無い様にな」


ウソでは無い。

カス隊長が置いて行ったのである。

「勇者様はこの町には不慣れでしょうから、この兵をお付けします。

 部下と思ってこき使ってやってください」


「えっ?! でもこのお酒はお父様でも普段は飲まない特別な品です。

 それをあんな雑兵達に……」

「俺の部下だ!」

「はっ……はい」


少しばかり声を強める。

キャサリンは俺の目を見て従った。

素直でよろしい。


「いいんですか、勇者様!」

「勿論だ、俺に従うヤツはキチンと処遇してやる。

 この程度の酒、好きなように飲め」


キャサリンが兵達に酒を注ぐ。

悔しそうな様子が隠しきれていないな。

ここは俺が教育してやるか。


「ホラ、お前ら酒を注いで貰ったからには礼儀だ。

 キャサリン嬢のグラスにも注いで差し上げろ」


「あ、勇者様。

 私はあまり、お酒は。

 それにこのお酒は大分アルコール分が強いですし」

「なんだ、俺の部下の酒が飲めんと言うのか。

 町長の言った通り、作法がなっていないな。

 返杯されたら、飲み干すのが礼儀と言うモノだ」


「そんな?!

 お父様なんとか言って下さい」

「キャサリン、勇者様の言う通りになさい」


父親である町長に救いを求めるが、町長の方はトーゼン常識を弁えてる。

仕方なく酒を飲んでるキャサリン嬢。


俺の部下にと着けられた男達は3人。

3人から3杯のブランデーを返されたのだ。

無理矢理飲みこんだキャサリンの顔は真っ赤になっている。


「あの……私少し失礼して、化粧直しに……」

「いや、食べて飲んだら眠くなったな。

 キャサリン嬢、俺の部屋は何処だ?

 案内してくれ」


「はっ、はい。

 ……でもその……」

「早くしてくれ」


尿意を催しているのだろう、キレイな顔が少し歪んでおもしろくなっている。

下半身をモジモジさせる令嬢を俺は強引に連れ出した。

町長は呆然として眺めている。

部下どもは状況を理解したのか、楽しそうに着いて来た。


「うひひひ。

 キャサリンのヤツあんなに太ももを擦り合わせやがって。

 相当もよおしてるぞ」

「ドレスでケツを振ってるのが色っぺーな。

 ガマンしてるもんだから、顔が赤らんでるのもえっちいぜ」


部下が楽しそうでなによりだ。

俺は建物の窓から庭を眺める。


「あの……勇者様のお部屋はこちらです」


キャサリン嬢が赤い顔で催促してくるが無視する。


「なかなか良い庭じゃないか」

「はい、ありがとうございます」


「キャサリン嬢が手入れしてるのか?」

「いえ、庭師を定期的に呼んでいまして。

 あの勇者様っ……今日はもう夜でっすし……良く見えまっせんわ。

 庭に興味がおありでしたら、明日ご案内しまっすっ」


キャサリンは尿意の限界が近付いたのか。

喋る言葉も怪しい。

形の良い眉を寄せて、長い睫毛の下すでに涙すら浮かんでいる。

ホントに漏らされでもしたらバッチィな。


「良し、それでは俺の部屋に案内しろ。

 何をグズグズしているんだ」

「グズグズしてたのはっ……勇者様では……

 いえっ……なんでもありません。

 すいません。

 あの……失礼とは思いますが、ちょっと……」


キャサリンは我慢の限界。

強引にトイレに行こうとしたが、モチロン俺は許さない。


「早く案内してくれ。

 客を待たせるのがこの町の礼儀なのか」


黙って着いてきていた銀鎧の従者も追従する。


「勇者様、王様に進言しましょう。

 娘がこんなでは、この町の町長に相応しい人間達とは言えない」

「そーだな。

 町長くらいなら、王様のヤツすぐ替えてくれそーだもんな」


「王様も勇者の進言ならすぐ受け入れる事でしょう」

「なっ…………

 なんでもありません。

 すぐご案内します。

 申し訳ありません」


すでにキャサリンは顔が赤を通り越して、青くなっている。

下半身に全ての力を集中してるのか。

うつろな表情で歩く。


「こっ、ここが客間です。

 三部屋ありますので、勇者様と従者の方でお好きに使って下さい。

 それでは、私失礼します。

 家の者にお茶でも運ぶよう言ってきますわ」


走る様に去ろうとしたキャサリン。

だが、その腕を俺は捕まえる。


「お茶などいい。

 それより、部屋の中はどうなっている。

 部屋の中も案内してくれ」

「へっ……へやの……中は一緒です~

 いやっ!

 ホントに……ホントにもう……」


俺が彼女を掴まえて、手近な部屋に入ると彼女は泣き出してしまった。


その足元に沁みが広がる。

その液体は、キャサリンの股間から垂れていた。


「うわっ、汚ったねー」


俺は美少女の腕を離し、慌てて離れる。

廻りの兵達も騒ぎ立てる。


「ホントに漏らしやがった。キタネーな」

「引くわー、いい年して漏らすかフツー」

「なんと……美少女の聖水……ぐふふ……」


兵達は引いているし、俺もドン引きだ。

一人小さな声で興奮してるのも混じってた気もするが。

床に沁みは広がっていく。

既に水たまり状態。

美少女の太ももを伝わって黄色い液体が垂れて来るのである。

ふむ、この部屋は部下に使わせよう。


「あぁあぁぁぁ……あたし……あたしやっちゃった……」


自分の足元を見ている美少女

なんだか子供に帰ってしまったような表情。

呆けたキャサリンに指を突き付ける俺。


「キャサリン嬢、客の部屋を汚すとは!

 どういうつもりかね!」


「だって……だって……

 勇者様がお手洗いに行かせてくれなかったんだもの……」

「だってでは無い!」


俺の怒り声を聞いてキャサリンがビクっとする。


「……と言いたいところだが、女性には優しくせねばイカンな」


俺は部下の兵士達に合図する。


「お前達、彼女の濡れた部分を拭いてあげなさい」


「はっ……濡れたトコロと言いますと」

「それはつまり……」


「うむ、その辺にある布を持ってきて。

 彼女のスカートを撒くって、濡れた部分を丁寧に拭いて差し上げるんだ」


「やります!」

「布っ! 布はどこだ」

「……美少女の聖水!」


衛兵たちは目を血走らせて、恐ろしく素早く行動した。

自分でやります、と逃げようとしたキャサリンを俺の従者が羽交い絞めにする。

さすが俺の従者、的確な行動だ。

キャサリンは抵抗したようだが、俺の従者と三人の衛兵達、美少女の細腕で敵うハズも無い。


衛兵達は丁寧にじっくりと美少女のスカートの中を拭いて差し上げたようだ。

さすが俺の部下達、優しい心根の持ち主である。


抜け殻のようになったキャサリン。

次は粗相をした娘にしつけをせねばなるまい。

女性に厳しくするのは心が引けるが、これも勇者の務めだ。

奥の部屋を自分のと決めた俺は彼女を連れていった。

彼女の粗相で汚れた部屋が衛兵達の物。

もう一部屋を従者が使ったハズである。

そして俺は朝方近くまでキャサリン嬢にしつけをしてやった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ