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第1話 山賊は滅ぶのが良い

【御注意1 この小説にはかなり下品な場面やエロい事を連想させる場面が多数出てきます。そーゆーシーンを見ると気分が悪くなると言う方はご遠慮ください】

【御注意2 この小説のマネをしないでください。サイテーです】

【御注意3 犯罪やイジメがあたかも肯定されるかのように描写されますが、あくまで皮相としてです。犯罪もイジメも許されません】

【御注意4 作者に政治的意図はありません。むしろこの小説を読んでギャハハと笑ってストレス解消する事で、犯罪やイジメが一つでも減ってくれればいいな、と願っております】

【御注意5 ホントですよ。ホントですってば】

【御注意6 なんか楽しくなってきた。このまま御注意99くらい書いちゃおうかな。注意書きが9割で本文1割の小説って面白くない?】

【御注意7 嘘です。そんな事しません。それでは本分をお楽しみください】






うぎゃあああ嗚呼AAAああ……

ぐはっ、げはぁぁぁあああああ

もう許してくれ!

死んじまう!



俺様は町に辿り着いていた。

黄金の馬車から飛び降りると皆が出迎えていた。


町の衛兵なのだろう。

ムサイ鎧を着て無骨な槍を装備した集団。

やだやだ。

俺様のように金色の鎧と黄金の剣まではいかないにしても、もう少し華麗な恰好が出来ないもんか。


「勇者様、遠いところをわざわざ来ていただいてなんと申し上げて良いか。

 この町の衛兵隊長ガイスであります。

 お目にかかれて光栄であります」


俺の後ろから銀色の鎧を纏った従者が進み出る。


「うむ、こちらが黄金の勇者ゴルドラック様だ。

 歓迎の準備は出来ているであろうな」

「はっ、もちろんであります。

 ……あの……ゴルドラックのお付きの方、ところであの者たちは?」


隊長と俺の従者の視線が馬車の後ろに向かう。

そこには男達が縛られていた。

馬車の速度で引きずられた男達、身体中に青痣が出来、血を流している。



「うむ、コイツラは山賊だ。

 身の程知らずにも我らを襲って来たのでな。

 ゴルドラック様が退治なされた」

「なんと?!

 山脈に出没していた凶悪な山賊ですか!

 それを退治してくださったとは……さすが黄金の勇者です」


山賊達は息も絶え絶えの悲鳴を上げているのである。


「……ウソだ……」

「……俺らなんにもしてねぇ」

「いきなりその金ピカ野郎が……」

「ネグラにしてた洞窟に入り込んできて、金目の物を全部奪って行ったんだ」

「……おまけにウチの女盗賊まで攫っていきやがって」


ズサっと剣が肉に刺さる音がした。

見ると俺の従者が縛られた山賊を剣で突き刺していた。


「山賊風情が、愚かな世迷言を……

 まだ反省が足りんとみえる」

「うむ、ゴクロウ」


俺はヒトコトねぎらってやる。

若干引いた風情で立ち尽くす衛兵隊長にも声をかける。


「馬車の中に女性がいるから介抱してやれ」

「はっ?!

 女性と言いますと……」


衛兵隊長が俺の馬車を覗き込む。

座席に全裸の女性が横たわっているのが見えた筈だ。


「なっ……なんと、この女性は!?」

「ああ、山賊達に囚われていた女性だ。

 気の毒なので慈悲深いゴルドラック様がお助けになられた。

 馬車の中で介抱もされたのだが、我らは医者じゃ無いからな」

「介抱? ……しかし……

 ……股間から白い液体が……

 アレは…………その……」


「介抱だ」


有無を言わさぬ口調で従者が言う。


「そ、そうですね。

 さすがゴルドラック様、なんと慈悲深い。

 ……は、ははは。

 おい、お前達、盗賊の被害者女性だ。

 医者へ運んでやれ」


衛兵隊長は兵士達に命じる。

うむ、地方の衛兵にしては気の利く男のようだ。

名前を覚えておいてやろう。

カスだったかな。


俺は話しかける。


「そこのカス。

 俺の宿はどうなっている?」


「はっ、町長が自分の館に部屋を用意しております。

 あの……恐れ入りますが、自分の名前はガイスなのですが……」


銀鎧の従者が、即座に衛兵隊長に剣を突き付けていた。


「キサマの名前はカスだったな」

「はっ?……いえその……」


衛兵隊長はしばらく、従者の顔を見ていた。

兜をかぶりその表情は読み取れない。

それでも剣から殺気くらいは伝わったのだろう。


「はい、自分の名前はカスでした。

 わははははは、自分の名前を忘れるとは我ながらマヌケな話で……」


確かに。

自分の名前を忘れるなんて、フツー無いな。

俺はカス隊長を指差して笑ってやる。


「ギャハハハハハ、なんてアホなヤツだ。

 そんなんで隊長が務まるのか」


「な、お前らもそう思うだろ」


と、他の衛兵たちに問いかける。


「あはははは。

 勇者様、全くです。カス隊長はマヌケだよな」

「ええ、勇者様。ぐへへへへへ。

 いつも隊長がアホで困ってるんすよ」


衛兵たちが俺の問いかけに頷く。


「プッ、カス! だっせぇ」

「いつも偉そうにしてんじゃねーよ」


と言う囁き声も聞こえる。

衛兵たちは皆、楽しそうに笑っている。

カス隊長はと言えば、自分がみんなに注目されてるのが嬉しいのか、顔を真っ赤にして体を震わせている。


「……コイツら、後で覚えておけよ……」


聴こえん声で何かつぶやいているが、顔は笑顔を浮かべている。


うむ。

笑いの絶えない職場とは良いモノだよな。

良くしらん衛兵隊長と衛兵達ではあるが、なんだか気持ちが通じ合った気分だ。




俺は町長とやらの家に辿り着いていた。

生意気な事になかなか立派な屋敷だ。


「歓迎しますぞ、勇者様。

 どうでしたか、我が町は?」

「詰まらん街だな」


俺はハゲた町長に素直に答えた。

ウソは着きたくないからな。


「はっ?

 と言いますと……」

「まず、ムサイ男が多すぎる。

 通りを歩いてて、まったく楽しくない。

 ……そうだ、町長、良い事を思いついたぞ。

 町長から指示を出せ。

 男が大通りを歩くのは禁止だ。

 出歩いて良いのは女性だけ。

 それから女性は膝上サイズのミニスカート着用を義務付けろ」


「なっ、何を言ってるんだ! アンタは?!」


何故か驚愕の表所を浮かべた太った町長。

その町長を衛兵どもがサッと横に連れて行く。


「町長、相手は黄金の勇者様だぞ」

「……しかし、あれはいくらなんでも」


「あの勇者マジでやべーぜ。

 町に来る途中、山賊団をぶっ潰しちまったんだ」

「山賊団?!

 ずっと手を焼いていた大規模山賊団の事か?」


「そうだよ」

「奴らは100人以上いると言う話だった筈だ」


「だから! それをあの勇者と従者の二人だけでぶっ潰したんだ」

「さすが噂に聞く勇者だけはある」


「とにかく逆らわない方が賢明だ」

「ああ、黄金勇者には王様だって頭を下げるって聞くぜ。

 こんな辺境の町長や衛兵風情が逆らえるワケ無いだろ」


「……むむむ、致し方ないのか」


町長はこちらに戻って来たと思うと笑顔を浮かべて言った。


「分かりました。

 さすが勇者殿。

 ごもっともな意見でございます。

 すぐ言う通りに致しましょう」

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