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ここって異世界?

今回は短めです。

蹴り飛ばされた男を探しに行ったら、何部屋か先で瓦礫の山の中に埋もれていたのを見つけた。

とりあえず瓦礫から掘り起こして男の様子を伺っていると亮が男のあられもない姿を見て、


「……うん、イケる」

「言ってる場合か! とりあえず脈はあるっぽいから、まだ生きてるんだろうけど血は出てるし骨も折れてるなこりゃ」

「まあ、任せなさい」


そう言って亮は落ちていた自身のバッグを拾うと、中から救急箱を取り出した。


「え、お前バッグ持ってきてたの?」

「まあね。飛び込む前に拾い上げてたのよ」

「さっすが、抜け目ねえな……そんでそのバカでかい救急箱、今日も持ち歩いてたんだな」

「備えあれば憂いなしよ」

「そのせいでお前のバッグいつもパンパンじゃねえか」


そんな俺の言葉は華麗にスルーして、亮は手早く男を清潔にして消毒液を傷口に吹きかけて傷薬を塗った。

そして包帯で止血をしようとしたところ、驚くべきことが起こった。

傷薬を塗った辺りが淡く発行したかと思いきやそれが体全体に広がっていき、傷口を塞いだり、腫れを引かせたりしていた。


あまりの出来事に思わず、


「お前エ〇クサー持ってたの?」

「あほか!ただの市販薬よ!」


おっと、どうやらゲーム脳が発動してしまったようだ。

その内に男を覆っていた光が消えたので、骨折していたであろう部位に触れてみるが、ただの健康な骨だった。


「これはその男の治癒能力のようなもんなのかな……?」

「わかんない———けど、改めて確信できたのは、ここが地球じゃないってことね」

「ここに来てまだ30分も経ってないけど、俺もそんな気がしてるよ」


普通の人間ではまねできない戦闘シーンとありえないほどの治癒速度を見てしまうと、地球ではない他の世界に来てしまったと考える方が、「実は地球には超能力がありました!」と言われるよりもしっくりくる。


「そういえばさ、お前この男と普通に話してたけど、翻訳スキルが身につくこんにゃくでも食べたの」

「はあ? 普通に日本語で会話してたじゃない」

「いや、確かにお前は日本語話してたけど、俺、この人が何言ってるかまるで分らなかったんだよ」

「……まじ?」

「だから、もはや何が何やら———」


と話していると、


「っ……」


倒れていた男が目を覚ましたようだ。


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