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VRMMO RPGで記憶を取り戻す為にレアジョブ【合成士】で冒険する  作者: 語黎蒼
第3章 【|奪取領域《バトルフィールド》】
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15.リバイブサモナーズの作戦

「クイック合成!」


 ピョンピョンアーマーを合成し、急いで装備する。

 ナイトの元に向かうと戦闘中で苦戦していた。


「サーぺ!『ポイズンファング!』」

「シャーー!!」

「させるかよ!『ウサギの判子(ラビットスタンプ)!!』」

「シャ…!」


 ナイトに噛みつこうとした蛇の長い胴体にスキルを当てる。


「頑張ったな、ナイト!さすが俺の騎士だぜ!」

「ワウワウ!」

「まさか毒の状態異常にならずに煙の中を突っ切ってるとは、やるッスね。それにその格好もイケてるッスね」

「ありがとよ」


 アリアにも好評だったし、この格好は分かる人には分かるようだ。


「ふっ、毒は俺には無駄だったようだぜ」

「そうですね。でも…もう1つの方は無理だったみたいですね」

「なに…?」


 俺とナイトは2人と対峙する。スピカがいなくなってしまい戦力は間違いなく下がってしまった。なら…。


「『召喚!』シャドウ!」

「なら私も!『召喚!』ヘッジ!」


 俺の横にシャドウが、ソウコの横にはサッカーボール程の大きさの球が召喚される。


「シャドウ!」


 シャドウの手を握ると姿が俺に変わる。


「マスター。私に御指示を」


 ピョンピョンアーマーを装備した俺の姿に変わったシャドウは、まるで執事のように右腕をお腹の前に左腕を後ろにして綺麗な姿勢で頭を下げる。


「お、おう!」


 やった!まともな性格で良かった…!


「ん?」


 ソウカの召喚した球が動き出して姿を現わす。


「ハリネズミ?」

「そうです。でも小さいからって馬鹿にしない方が良いですよ」

「するかよ。ナイト、あの梟を拘束しろ!」

「ワウ!」


 俺はまず、風を出している梟に槍を構えて一瞬で距離を詰める。


「速い…!!」

「『ウサギの判子(ラビットスタンプ)!』」

「ピュ…!」

「『ウサギの判子(ラビットスタンプ)!!』『『ウサギの判子(ラビットスタンプ)!!!』


 ナイトの鎧で動けなくなった梟にスキルの3連突きを食らわすと『パリーン!』と砕ける。


「やりますね…!」

「これで毒はミツハまで届かなくなったな」

「ふっ、もう遅いですよ」

「どういう…まさか!」


 ミツハのHPバーの横を見ると毒の状態異常のアイコンが表示されていた。


「私たちの作戦は半分成功です」

「これでそっちのチームの戦力は半減ッスね」

「くっ、『ウサギの判子(ラビットスタンプ)!』」

「当たらないッス『ボーンウォール!』」

「なに?!」


 2人の前に人頭蓋骨や色々な骨で作られた大きな壁が生まれ、攻撃が止められる。


「なら横から!」

『ボーンサンクチュアリ!』」

「うわっ!」


 壁を避けて攻撃をしようとしたが、2人を囲むように骨の壁が生まれる。完全に攻撃が出来なくなってしまった。


「そうか…!コイツらの作戦は自分たちは壁を作って身を守り、相手が毒で死ぬのを待つって作戦だったのか!!」


 壁を見上げながらどうしようかと考える。


「ん?」


 思案して壁を見ていると外にハリネズミと蛇がいることに気付く。


「なんで召喚獣は外にいるんだ…?いや、今は俺はコイツらを相手してる時じゃない!ナイト!シャドウ!相手してやってくれ!」

「ワウ!」

「了解致しました。マスター」


 俺は(うずくま)っているミツハの元に駆け寄る。


「大丈夫か?ミツハ?」

「ああ…車で凄い酔っている気分だ。毒ってこんな気分が悪くなるんだね…それに5秒くらいでHPが3削られるみたいだ」

「っ!勝負を急がないとな…『召喚!』エリー!」


 エリーを召喚してあの2人のスキルについて聞いてみよう。


「あれからどうなったの!マリー?!」

「ああ、ミツハが毒になって、あの2人は壁の中で籠城中だ」

「そういう作戦だったんだね…」


 エリーは腕を組み何かを考えている。


「あの壁の骨を作る魔法から考えると、壁を作った子は『死霊術師』ってレアなジョブだと思うよ」

「死霊術師?幽霊とか操れるのか?」

「うんうん。幽霊は操れないけど、死霊術師には最強のスキルがあるの。でも取得しているのとは思えないけど…」

「マリー、エリー。考えてる暇はない…まず僕が賢者の腕輪で強化したダークジャベリンで、あの壁と召喚獣達を蹴散らす。そのあとは任せたよ」


 辛そうにミツハは立ち上がり、両腕を上に掲げる。


「頼む!ミツハ!」

「任せてくれ…!『ダークジャベリン!』賢者の石、スキル発動!」

「おお!!すげぇ!」


 ミツハの作った巨大なダークジャベリンに驚いてしまう。


「って言ってる場合じゃない!ナイト、シャドウ!こっちに来い!」

「ワウ!」

「はい、マスター」


 ナイトとシャドウがこちらに来たが、おかしい…。


「どうしてあの2体は動かないんだ?」

「うん、いくら召喚獣でも逃げるくらいはする筈なのに…」

「あの2体の信頼度が高いからか?」

「分かんない…けど、おかしいよ」


 2対の召喚獣は壁の前から動こうとしない。


「動かないなら好都合だ!ダークジャベリン!」


 ミツハが腕を振り下ろしてダークジャベリンを投げる。

 それでも2対の召喚獣は動こうとしない。


「シャーーー!!」

「チュチュー!!」


 ダークジャベリンが骨の壁に直撃して爆発が起きる。『パリーン』と砕ける音が2回聞こえる。


「やった!壁が壊れた!」

「くっ…毒状態ってのはこんなにキツイんだね…!」


 ミツハが苦しそうに片膝をつく。


「あとは俺に任せて、ミツハは休んでろ!」

「ごめん…」


 煙が晴れると壁が綺麗さっぱり消えており、2人の姿が見えた。


「やるッスね〜。こんな強力な魔法が使えたなんて、ウチの壁が1撃で壊されるんなて凄いッスよ」

「私の召喚獣も2体とも倒せるなんて」


 召喚獣が3体倒され、壁も壊された。

 なのに、なんだ?この2人の余裕な態度は…。


「さっき、マリーちゃんが言ってたッスよね。ウチらの作戦は壁を作って、相手が毒で死ぬのを待つって作戦って」

「…?まさか、そうじゃないのか…!」

「違うッスよ、本命はこっちッス!スキル発動!『リバイブ・サモン・アンデット!』」


 レイカがスキルを発動すると、2人の足元の地面が盛り上がる。


「リバイブ…復活?まさか…!!」


 倒したはずの召喚獣3体が地面から這い出してくる。

 復活した召喚獣達の体には無数の縫い目があり、目が真っ白になっている。


「ゾンビかよ…!」

「その通りッス!最高じゃないッスか?!!ゾンビって!!」


 一瞬、エリーやスピカやナイトがゾンビになった姿を想像するが…。


「いやいやいや、怖いわ!」

「分かんないッスかね〜、ゾンビの良さが!」


 先ほどまでクールだったレイカが饒舌になっている。よほどゾンビが好きなようだ。


「ゾンビの良さを否定するつもりはないが、俺はやっぱり生きてる仲間と戦いたいぜ!」

「あなたが良い子なのは分かったッス。それじゃあ第2ラウンドを始めるッスよ!」

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