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45.5 小さなシスターについて

 目を開けると真っ暗だ。ヘッドギアを外し上半身を起き上がらせる。

 ふと横に目をやると上の妹、名前はたしか…『凛』が俺の部屋で勉強机の椅子に座って漫画を読んでいる。


「ん?おはよ、ユーゴ」


 俺が起きたのに気づいて漫画から目を離して俺の方に顔だけ向き話しかけてくる。


「うん…おはよう」


 気まずい事この上ない。何を話していいか分からない。

 記憶を失くす前の俺は中学生の妹と何を話してたんだろう。


「え…と、凛。なんで俺の部屋で漫画読んでるの?」

「ユーゴの持ってる漫画が読みたかったから」


 今の俺って漫画の記憶もないんだよな?俺は凛の読んでいる漫画の表紙を見る。アレ?内容が分かる。

 あの漫画はたしか…『頭のキレる主人公が頭の良さを活かしてヒロインにスケベな事をする』内容。


「って、凛!そんな漫画読むんじゃない!お前が読むにはまだ早いだろ!」


 思わずツッコんでしまった。凛を見ればキョトンした顔をしている。


「思い出したの?」

「いや…」


 頭を抱えて考えるが本棚の漫画の話の内容しか思い出せない。


「本棚の漫画の記憶しか思い出せない」

「そっか…。これ借りてくね」


 少し悲しそうな顔をして、漫画を5冊ほど抱えて凛は部屋から出て行った。


「ごめんな…」


 部屋に1人残され、ベットに座りながら兄の俺に忘れられた妹の凛の気持ちを考える。

 そりゃあ悲しいよな…ずっと一緒に育ってきた兄妹から忘れられるんだもんな…。


「……漫画持ってかれた!」


 俺は漫画については諦めて、先にお風呂に入ることにした。


「はぁ〜…」


 お風呂に入りながら夜に何をするか考えて、部屋に戻る。

 時刻を見れば30分ほど時間があったので、助けてくれたシスターについて調べようとスマホを見るとメッセージを1件受信していた。


「アカリか…なんだろ?」


『この情報サイトの【アリア】ってプレイヤーネームの女の子の部分を見て!』


 アリアってプレイヤーが俺たちを助けてくれた子ってことかな?どうでもいいけどマリアの名前に似てるな…。

 メッセージと一緒にサイトのURLがある。

 URLを開いて見るとプレイヤーがゲーム内で見つけた美少女プレイヤーについての情報交換の掲示板サイトだった。


「うわぁ…マリーの情報もある…」


 そんな情報を見て見ぬ振りをして本題の情報を探すと『アリア』の名前を見つけた。


「なになに…『アリアたん本日も噴水前で朝9時からケースのヤツと待ち合わせ…マジムカつく』ってなんじゃこれ?」


 小さな声で読んでみたが意味が分からない。ここから下はアリアってプレイヤーの話が少し続いている。


『俺も一緒に冒険したい!でもアリアたんに話けると眠っちゃうから無理なのよね…』

『その情報ってマジなの?』

『現に俺が喋りかけたら睡眠の状態異常になった…』

『でもケースの野郎はなんでか状態異常にならないらしい』

「それってなんで?』

『俺もアリアたんに治してほしい』


 ここで会話が終わってる。


「コレだけじゃあよく分からないな…」


 最初に出てきた『噴水前』…噴水か。アクラータにあったかな?ログインしたらエリーに聞いてみよう。

 アカリにありがとうのメッセージを送り、夕御飯の時間になったのでご飯を食べに下に降りる。


「ふ〜…」


 ご飯を食べ終え部屋に戻りベットに座る…まだ19時前だけどもうログインしちゃおう!

 ヘッドギアを装着して電源ボタンを長押しすると『キィーーン』と音が鳴り眠気が襲ってくる。

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