第1章5話 [マリアのシステム説明]
トラブルを避けるため覚醒ジョブとEXスキルと加護については他人には秘密にすることになった。
「あ〜…そういえばシステムについて説明しておくね」
「システム?」
「うん、まず覚えておくことが3つあるからしっかり聞いててね。まず1つ目はこのゲーム世界は現実で5時間で1日だから長時間ログインする時は時間の感覚に気をつけてね」
「このゲーム凄いな!どういう構造でなっているんだ!」
「2つ目はパパからの伝言でスクリーンショットの映像撮影禁止機能がONになっているから、ユーゴのキャラクターは写真や映像に一切映らないからね。変えようと思っても、パパの認証が必要だから変えられないけど」
別に映りたいと思わないし、盗撮とかされないから変更しようとは微塵も思わない。
「ああ、問題ないな。別に自撮りとかもしないし」
「なら良かったよ。パパが私の写真がネットとかに貼られるのが嫌みたいだから」
「なるほど、納得」
「それじゃあ3つ目はね……3つ目は…この2つをしっかり覚えておくんだよ」
「3つ目ないのかよ。…最悪分からないことがあったらスマホで調べるかメールでマリアに聞くよ」
通報についてもは後で調べておこう。
「あとログアウトはメニュー開いて1番下の方にあるからね」
「結構重要なことで3つ目に言うことあるじゃないか」
「ま、まあ細かいことは気にしないでお互いにクリア目指して冒険頑張ろうね。一応フレンド登録の申請は送っておいたから登録しておいてね」
メニューを開いて探してみると、人の形をしたマークに36とアイコンが出ている。36?と思い人型のマークを押すと色々なプレイヤーからフレンド申請が来ていた。その1番上に『暗黒騎士』と名前があり、押すと《暗黒騎士をフレンド登録しますか〈YES〉〈NO〉》と表示されたので 〈YES〉を押す。
「登録したぞ、あと色々な人からフレンド申請が来てたからビックリしたよ」
「それ設定で 『話したことがある人のみ申請可能にする』にした方がいいよ」
「設定?」
メニューから歯車の形のアイコンを押して設定を開き、パーティーの申請とフレンド申請を『話したことがある人のみ申請可能にする』に変更する。
「できた?それと街の外に出たらモンスターでだけじゃなくてプレイヤーキラーていうプレイヤーを襲うプレイヤーもいるから気をつけてね」
「3つ目思いつかなかった割には結構言うことあるのな」
メニューを閉じて暗黒騎士に向き直る。
「色々教えてくれてありがとうな、マリア。俺も記憶が戻るよう頑張るよ」
「うん。私もランキング上位になって記憶が戻った時にユーゴがガッカリしないように頑張るよ!あと人前で俺って言わない方がいいかもね」
「うっ…!この見た目で俺はおかしいかな?できる限りは私って言うようするよ」
「うん!それじゃあ私たち飛行機の時間だから帰るけどユーゴはこのまま続けてても良いよ」
「さすがに見送るよ!ログアウトはメニューの下だったな」
俺は閉じたメニューをまた開いてログアウトのボタンを押すと俺の足元に魔法陣が現れ光りだし、目の前が暗くなる。
「ん…んん」
目が覚めると真っ暗でヘッドギアを付けているからだと直ぐ気づき外して、急いで階段を下りる。
リビングの扉を開けると兄と眠たそうに目を擦るマリアが荷物を持って帰ろうとするところだった。
「遊吾、やっと起きたのね。今から起こしに行こうと思ってたのよ」
「ごめん、ちょっと夢中になってて…」
玄関で兄とマリアを仕事で居ないお父さんを除いた家族全員で見送る。
「マリア、また遊びに来いよ」
と俺が片手を挙げ別れの挨拶をする。
「マリアちゃん、気をつけて帰ってね」
お母さんは笑顔で手を振ってマリアを見送る。
「マリアちゃん次来た時は何処か買い物行こっか」
中学2年だったか?長女の『凛』が笑顔でマリアの手を握り見送る。
「マリア、色々と教えてくれてありがとな。ゲーム内で、もしまた会った時は頼むな」
最後にまた俺が別れの挨拶をしてお母さんと妹達と俺は思い思いに別れの言葉を言う。
「いや!俺は?!俺はマリアの運転手かマネージャーかよ!1人くらい俺に対しても何か言えよ!」
そんなことを言いながら兄とマリアは帰って行った。兄との別れ際にお母さんと妹達が兄にしっかりと別れの挨拶をしていたのでノリの良い家族なんだなっと心底思った。最後に俺も少しだけ記憶が戻った事を言うと優しく「良かったな」と言われた。
兄を見送った後、晩御飯を家族で食べ、お風呂に入り、ベットで横になる。時刻は19時10分だった。寝る前に少しだけゲームするか。
ヘッドギアとスマホを繋げて電源ボタンを押すと『キィーーン』と音が脳内で鳴り出し眠たくなっていき【Ner Equip Adventure World】の世界にログインする。