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22・情報

「どういことだ?エリー」

「ガブリは戦う度に魔法使いだったり剣士だったりと5パターンのジョブがあるんだよ」

「5パターンも?私が戦った時は格闘家だったな…」

「次に戦う時は格闘家じゃないかもね」


 エリーが甘いって言っていた理由は、格闘家として対策して挑んでいたら痛い目を見ていたという事か。


「エリー、5つのジョブは他に何があるのか教えてくれよ」

「う〜ん、こんなに教えていいのかな…まあ、大体のジョブだけ教えるよ。剣士、格闘家、テクニック型の魔法使い、攻撃型の魔法使い、召喚士」

「召喚士?ガブリってヤツは召喚獣を使えるのか」

「うん、召喚士の時のガブリは面倒くさいよ。兄弟2人と召喚獣を相手にしないといけないんだからね」


 それはたしかに面倒くさそうだ。


「ありがとう妖精君、参考になったよ」

「いえいえ、それと私はエリーで良いですよ」

「俺もマリーって呼び捨てで良いですよ」

「そう?なら私もお姉さんではなく、アカリと呼び捨てで構わない。それと敬語も要らないよ」


 一気に距離が近づいた気がする。

 最初、会った時は怖い雰囲気だったけど、話しているとそこまで怖い人ではないようだ。

 でもアカリの口調が少し堅い気がするな。まあ、気にしないでおこう。


「それなら呼び捨てにさせてもらうよ…アカリ。そういえば弟のゴブリのジョブは何なんだ?」

「私が戦ったかんじではゴブリは格闘家だよ、それもパワータイプのね」


 兄弟揃って格闘家の時は長距離攻撃していたら楽そうだな。


「アカリは女の子と一緒に戦ったんだろ?どうだったんだ?良いとこまでいけたのか?」

「組んだ女の子が『ガブリは魔法使いだから格闘家の私と、剣士のアカリさんで行けばゴリ押しで勝てますよ』と言われて行って、実際はガブリが格闘家で接近戦VS接近戦で戦って普通に負けたよ」

「そうか、ツイてなかったな」

「でも、負けたおかげでマリーに会えたし、今の情報も知れたから案外運が悪かったとは言えないさ」


 少し笑うアカリ。クール系の女の子が笑うとギャップで可愛いな。


「じゃあ、戦ってみないと分からないのか。一気あたりバッタリだな。ガブリゴブリはどれくらい強いんだ?」

「もうこれ以上はさすがに言えないよ!」

「え〜良いじゃん教えてくれよ〜。じゃあミツハのレベルが2として、ガブリ達のレベルはいくつくらいだ?」

「う〜ん、これで最後だからね!大体だけどレベルは7くらいかな」

「意外と強いな!」


 俺が4だとしても結構あるな。


「マリー、つかぬ事を聞くがミツハ君とは…パーティーの仲間かい?」

「ああ、闇魔法使いの真髄を探す、フワフワした中二病の設定キャラの少し痛い女の子だ」

「ちなみに聞くが、ね…年齢は?」

「え?詳しくは知らないけど中学1年か、もっと低いかな…まあ、それくらいじゃないかな?」

「そうか…二ヒヒ」


 アカリが、なんか笑っている。さっきの爽やかで可愛い笑い方じゃなく、心に闇を抱えている変態のような笑い方だ。


「お、おう、それで今分かってる情報はこんなもんか。それで、どういう作戦でいく?」

「ああ、それなら弟のゴブリは私に任してくれ、パワーになら自信があるし、私も接近戦の剣士だからね」

「良いね、分担が出来るのは助かるよ。それじゃガブリは俺が何とかするとして…」

「どうした?」


 サブのジョブや加護を聞いても良いのか迷うな。でも聞いておかないとお互いに何が出来るのか分からなくなるしな。


「アカリのジョブとか加護を出来れば教えてほしいな〜って思って…」

「そうか…そうだな、だが、見知らぬプレイヤー同士だ、サブジョブだけはお互いに知っておこうか」


 さすがに加護とかは教えてはくれないか…、けど加護かEXスキルは貰っているっぽいな。


「すまない!怒らないで聞いてほしいんだが…私のサブジョブは『鑑定士』だ」

「鑑定士!…ってことは俺のジョブやレベルが分かるのか?」

「あ、ああ、本当にすまない。マリーのステータスも見ていた」

「そうか〜便利だなぁ、鑑定士」


 俺も格闘家やめて鑑定士にしようかな、でも鑑定士にすると俺のSTRが無くなっちゃうからな…。


「良いなぁ鑑定士」

「え?怒らないのか?勝手にステータスを見たこと」

「なんで?ジョブの枠を1つ代償にしてるんだから気にしないよ。もしもレアな装備を使ってタダで見てたら少し怒るけどな」

「フフフ、君は本当に変わっているな…ここまで教えるつもりはなかったけど、私の第3のジョブも教えておこう」


 第3のジョブ!アカネの武闘家や俺の覚醒ジョブをアカリも持っているのか?!


「私の第3のジョブは…」


 ゴクリと唾を飲み込む。


「すまない…やはり、このジョブを言う勇気がない」

「どうしたんだよ?ここまで言っておいて」

「本当にすまない、これを言ってしまうと変な期待をされてしまう、それが私は嫌なんだ…」

「そんなに嫌なら無理には聞かないけど、それより鑑定士ってどこまで見れるんだ?」


 話題を即座に変えてあげる俺の優しさよ。


「ステータス全部分かるよ、でもジョブや加護は分からないけどね。最初にマリーのステータスを見て驚いたよ、よくこのステータスで第3の街まで来れたなって」

「たしかに、このステータスだと最初のハイオークに勝つのも難しいだろうな」

「でも、マリーはここまで来ているし実力はあるというのは分かるよ」

「まあな」


 良かった、覚醒ジョブや加護がバレていなくて…。


「俺のサブジョブは格闘家だ」

「格闘家…?召喚士で格闘家?失礼な事を言うが、よくここまで来れたね」

「ま、まあな…。頼れる仲間達のおかげだよ」

「もしかして、第3のジョブを貰ったの?」

「…貰った、それだけは俺からも教えておくよ」


 お互いに黙る。秘密を持って一緒に戦えるのか少し不安になる。


「それじゃあマリー、今から戦いに行こうか」

「え!今から?」

「ダメ?何か予定があるの?」

「ああ、俺の召喚獣があと少しで進化するから、進化させたいんだよ」


 ガブリゴブリは強いらしいからな、確実に勝つにはナイトを先に進化させておきたい。


「そうか…1度戦っておかないか?もし勝てなかったら明日もう1度戦えば良いし、勝てたら進化出来るし負けても失うものもないし、どうだろうか?」

「……そうだな。分かった、1度戦ってみよう」

「よし!早速行こう!」

「その前にアカリが頼んだハンバーグ食べろよ」


 アカリは急いでハンバーグを食べる。急いで食べているわりに食べ方が上品に見える。

 お金は俺は食べていないが、ステータスを見ると減っていた。頼むと勝手に減るシステムのようだ。

 店から出て目的の場所までアカリに案内をしてもらう。




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