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第2章4話 [闇魔法使い『邪龍闇ミツハ』]

「お嬢さん、良ければこの僕がパーティーに入ってあげても良いよ」


 オッドアイの少女は左手を顔の前で広げながらポーズを決めて話す。


「マリー…この子変だよ…」


 エリーが耳元で囁く。


「多分、厨二病か何かだろう…」


 厨二だからと無視するのも可哀想だし、1度パーティーを組んでみるのも良いかもしれないな。


「別に良いけど、俺は今後一緒に冒険してくれる仲間を探してるから、ソロの人としか組む気はないぞ」

「安心したまえ、僕は孤高の1匹黒狼(くろおおかみ)だからね。いつでも誰とでも組めるのさ」


 ドヤ顔で左手を顔の前で広げて話す少女。


「そうか…、俺の名前はマリーだ。横の飛んでいるのがカブト虫の妖精のエリー」

「違うよ!只の妖精だよ!」

「ああ、知ってるよ。君たちは、この街ではかなり有名だからね。僕の名前は闇魔法使いの『邪龍闇(じゃりゅうあん)ミツハ』だ!」


 闇魔法使い?そういえば、俺が以前使っていた暗黒騎士も名前通り闇魔法を使っているのかな?


「闇魔法ってどんな魔法なんだ?」

「ふっふっふ、闇魔法が気になるのかい?お嬢さん。良いだろう、僕が闇魔法について教えてあげよう」

「マリー、闇魔法はね。相手の動きを妨害したり、邪魔をしながら攻撃するっていう魔法が多いジョブだよ」


 横にいたエリーが割って話し始める。


「ちょっ…!」

「それでね、闇魔法と暗黒魔法っていうのがあって、暗黒魔法は闇魔法の上位版みたいなかんじで闇魔法はあんまり使ってる人が少ないんだ」

「ちょっと!そこのカブト虫の妖精!私が話そうとしたんだから言わないでよ!」

「だから違うってば!」


 素が出る、邪龍闇ミツハ。ハッとなり咳をして話しを戻す。


「まあ、暗黒魔法のせいで闇魔法を使うプレイヤーは少ないが、僕は闇魔法には可能性があることを信じている!だから闇魔法を使っているのさ!」

「へぇ〜、すげぇな。俺たち今から第2の街に行こうと思ってるんだけど、お試しでパーティー組んで第2の街まで行かないか?」


 よほど一緒に行きたかったのか、ミツハの顔が明るくなっていく。


「し、仕方ないな!そこまで言うのなら行ってあげようかな!」

「ゲハハハハハハ!やめときな、妖精のお嬢ちゃん!」


 急に横から声が聞こえ見ると、ジョッキを持ち酔っているのか顔が赤い30代ほどの冒険者が2人が俺たちを見て笑っていた。


「アンタには関係ないだろ?」

「やめとけやめとけ!そいつはな、まだ『森の石』を持っていないんだ!」

「そんなこと…」

「それに最弱の闇魔法しか使えない役立たずだしな!そいつとパーティーを組んだ奴は、尽く負けて帰ってくるらしいぜ」


 男は俺が喋ろうとしたのを遮り話を続ける。


「…っ」


 ミツハは悔しそうな顔をする。


「モーガン、その辺でやめとけって…」

「うるせえ!この闇魔法使いは、俺たちが折角声を掛けてパーティー組んでやろうとしても断るし、他のパーティーが誘っても断っちまうから、このゲームが始まってだいぶ経つが、今だに最初に街から出れない雑魚プレイヤーんだよ!コイツは!」


 酔って話すモーガンの横で申し訳なさそうに仲間のプレイヤーが頭を下げる。


「くっ…!」


 ミツハは、この場に居られなくなったのか走って何処かへ行った。


「あんた、本当サイテーだよ!」


 俺は捨て台詞を吐いて、ミツハを追いかけて集会場を飛び出す。


 めちゃくちゃ探す気で飛び出したが、出て直ぐにミツハを見つけた。

 ミツハは冒険者ギルドの前にある噴水の前のベンチに座っている。

 俯くミツハに、どう話しかけようか少し悩んだが話しかける。


「まあアレだ、あんな奴の話しなんて気にすんなよ!」

「……」


 ミツハは俯いたまま、静かに話し始める。


「僕は確かに弱い。今だにレベルも2だし、攻撃は闇魔法しか使えない…」

「大丈夫だよ。レベルなんてゴブリン倒してれば、すぐ上がるさ」

「…なあ。君はまだ私とパーティーを組んでくれる気はあるかい?」


 顔を上げ、俺をジッと見る。


「ああ、邪龍闇さんさえ良ければな …」

「…それなら頼みがある。あんな話を聞いて僕の事を信用なんて出来ないだろう。だから、私が『森の石』を手に入れるところを見届けてほしい。僕は自分自信の力で森の石を手に入れてみせるから、君が信用出来ると思ったら少しの間で良いからパーティーに入れてくれ!」


 その目には覚悟の様なものがあった。

 俺は手を指し延ばす。


「俺の呼び方はマリーで良いよ。それとタメ口で話して良いか?」

「マリー…。私の力を見て、パーティーに入れるか決めてくれ。それと僕の呼び方もミツハで良いし、タメ口で構わないよ」

「よし!森のダンジョンに行くか!」


 ミツハは俺の手を掴み立ち上がる。

 俺たちは森のダンジョンに行くため、外に出る門に歩いて行く。

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