第2章1話 ［魔王討伐兵器人製『機械神ゴッド 』］
「…ってなかんじで合成士のスキルでガーウィの奴に勝ったってわけよ」
「へぇ〜」
俺は少し脚色を加えて、プレイヤーキラーのガーウィに勝った経緯をエリーに話し終える。
話を盛って喋ったせいか、召喚したスピカとナイトがジ〜っと見てくる。
俺はその視線から目を逸らし、知らんぷりする
「合成士なんてジョブ聞いた事ないよ！ねぇねぇ！合成士のスキル見せてよ！」
「見せてやりたいのは山々なんが、スキルを使って合成した召喚獣はゲーム内で1日経たないと召喚出来なくなるから、今はダメだ！」
「え〜、良いじゃん！スピカを合成して見せてよ！もう今日戦わなくてくても良いから合成やってよ〜！」
エリーが駄々を捏ねる。なんだか以前にも誰かに駄々を捏ねられた気がする。
足下のスピカを見るとウルウルした目で見つめて訴えてくる。面倒なので強引に話を変えよう。
「そ、そういえば、召喚士のレベルが2に上がってるから召喚獣が召喚出来るようになってたな〜」
「え！そうなの？なら、やろうやろう！」
話を変えるのに成功した。正直、あの恥ずかしいウサギのコスプレするの嫌なんだよな…。アレで勝ってなかったら最悪だったな。っと勝った今では思う。
「よし！召喚しよう！契約『召喚！』」
目の前に召喚陣が出現する。
ナイトを召喚して以来の召喚だが、そんなに日も経っていないのに懐かしい気分だ。召喚される召喚獣は今回はカッコいい系だと良いな。
召喚陣からボフンと煙が上がる。煙が消えていくと、2メートル程のメタリックなシルバーの、ロボットアニメに出てきそうなロボットが現れる。
「おお！カッコいい〜！すげぇ〜！ロボットじゃん！見ろよエリー！ロボットだぜ！」
やはり心は男の子なのか、目の前のロボットに興奮してテンションが上がってしまう。
エリーを見ると、目を見開き口を開けて呆気にとられている。スピカとナイトもエリーと同じ顔をしている。
「エリー？どうした？」
「…ゴッドだ……」
「え？ゴッド？たしかに神がかってカッコいいけど」
やはりエリーもロボのカッコ良さが分かるんだな。
「違うよ！魔王討伐兵器人製『機械神ゴッド』だよ！」
「魔王討伐兵器…？なんだそれ…？」
「マリーが召喚した召喚獣の名前だよ！」
エリーは焦った様子で話す。
「マリーが召喚したのは、魔王討伐兵器人製『機械神ゴッド 』ていう召喚獣の中では上位に入る強さの、最強の召喚獣なんだよ！こんなの序盤で召喚するなんてヤバ過ぎるよ！！」
「召喚獣の中で…上位…？えーー！！！めっちゃ凄いじゃん！！」
俺は急いでゴッドのステータスを確認する。
・ 魔王討伐兵器人製『機械神ゴッド』 Lvーー 信頼度ーー 〈R10〉
HP／100000 STR／100000 ATK／100000 VIT／100000 AGI／100000
•遥か昔。魔王を討伐する為、大賢者達が創り出した兵器。本来の大きさは40メートルあり、ゴッドを一歩歩かせるだけで魔力を大量に消費した為、魔王討伐には使用されなかった。
召喚獣達が暮らす土地で封印されていると言われている。
【全身の召喚にMPを毎秒10000消費し召喚することが可能。ゴッドの1部分の召喚にはＭＰを3秒間に1000消費し召喚することが可能。1部分の召喚のゴッドのステータスは1／10になる】
めちゃくちゃ強い！けど召喚できねぇ！
そりゃそうだよな…。序盤からこんな強いのガンガン召喚できたら俺最強になっちゃうもんな。
それにゴッドって本当はもっとデカいんだな。
たぶん初召喚ってのと、ここがマイルームだからサイズが小さいのかな？
ゴッドについて考えていると、ゴッドはスーっと透明になって消えていった。
「エリー、ゴッド召喚するには俺にはまだ早いみたいだよ」
「うん…。でもゴッドを召喚するなんて…何だか一気に疲れたよ…」
新たな仲間『機械神ゴッド』を仲間にした。
今後の方針でも皆んなとのんびりと話し合うとしよう。
