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VRMMO RPGで記憶を取り戻す為にレアジョブ【合成士】で冒険する  作者: 語黎蒼
第1章【冒険の始まり】
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第1章17話[明日へ]

「にっげ〜!」

「ワウ〜…」


 俺とナイトは上回復薬を何本か飲みHPを全回復させる。

 ピョンピョンアーマーを持ち物にしまい元の装備に戻す。

 するとアイテムボックスにしまったピョンピョンアーマーは槍使いの軽装備一式に戻った。

 元に戻ったのならスピカを召喚し直そう、それに早くエリーに勝ったと報告したい。


「スピカ!エリー!『召喚!』」


 …何も起きない。不安になりメニューを開き召喚士の項目の所を詳しく確認する。


『HPが0になった召喚獣はゲーム内で1日経たないと召喚出来ない』


 エリーは仕方ないとして、スピカはどうして召喚出来ないんだろう?もしかしたら、合成した召喚獣も1日経たないと召喚出来ないのかも知れない。

 メニュー画面の時計を見るとリアルの時間が22時25分だったので1度寝てから明日の朝にログインして召喚する事にする。


 「仕方ない…今日は諦めるか」


 街へ歩き出そうとした時、そういえば街で思いついたけど実現できるか分からないから諦めた事があったな。


「ナイトさん?疲れてるところ申し訳ないんですが…宜しければ背中って乗せてもらう事って出来ませんかね?」


 お願いのポーズをしながら頼む。街まで何十分も歩いて帰るのは今の精神的に本当に嫌だ。


「ワウ…」


 仕方ないな、と言わんばかりな顔で体勢を低くし乗りやすい様にしてくれた。


「ありがとう!ナイト!」


 ゆっくりと優しく乗る。だが、乗ってみて思ったが掴むところがない。毛を掴むのは痛そうで可哀想だし…掴むところがないと振り下ろされるから乗ることが出来ない。


「う〜ん」


 最終手段だ。俺は全身でナイトの上にコアラの子どもみたいにしがみ付く。他人には絶対に見られたくないな。

 それにしても、ナイトはモフモフしていて暖かい。


「よし!ナイト、出発進行だ!敵が出て来ても避けて戦わず逃げてくれ!」

「ワウ!」


 ナイトが勢いよく走り出す。



「速い!思ったより超速い!」


 この姿勢のせいかめちゃくちゃ怖い!

 たまに目の前にゴブリンが叫びながら飛び出してくるが、ナイトが勢いよく避けて走り出すのが怖過ぎる。なんで遊園地はこのアトラクション作らないんだろう。絶対に流行る気がする。

 一気に来た道を帰っていく。気がつけば森を抜けて草原に出る。


「速いな〜!さすがナイトだぜ!悪いけど、目立ちたくないから門の前で降ろしてくれ!」

「ワウ!」


 門の前まで一気に行き、ナイトから降りる。


「ここからはナイトは目立っちゃうからな、一旦帰ってもらうよ。お疲れ様、ナイト」

「ワウワウ!」


 最後に頭を撫でて召喚石に戻す。


 まだゲーム内では17時頃みたいだ。少しだけ暗くなってきていた。

 俺はエリーと会った時にどんな話をしようかと考えながら歩いていると、気が付けば『宿屋 安心し亭』に到着する。

 マイルームに入り、ログアウトする。

 目を開けると真っ暗だった。ヘルメットを被っているからだと気付きヘルメットを外す。

 電気を点けっぱなしにしていたので、急な明かりが眩しい。

 トイレに行こうと立ち上がると今までマリーの身長だったので、自分の身長の高さに驚く。

 寝支度を済ませスマホのアラームを7時にセットし就寝する。



『 〜♪〜♪〜♪〜』


 聴いたことがない音楽が聞こえ目が覚める。部屋に掛けてある黒い時計を見ると『7時00分』だった。

 スマホのアラームか…。スマホのアラームを止めて、洗面所に行き歯を磨く。

 磨き終わりリビングに行くとお母さんが朝ごはんを用意してくれていたので頂く。

 朝にすべきことを全て済ませたのでログインをする。

 一応、兄が家族全員を説得してくれたようで【Ner Equip Adventure World】をすることに関しては家族には了承済みだ。



 マイルームのベットの上で目が覚め、飛び起きて急いで皆んなを召喚する。


「『召喚!』エリー!スピカ!ナイト!」


 俺の前に魔法陣が出現しエリーたちが召喚される。


「マリー…本当に勝ったんだ…!!私もう会えないと思ってたよ〜!!」

「エリー…」


 エリーが号泣しながら俺の顔の横に飛びつく。


「ありがとう、マリー!ありがとう!」


 ホッペにめちゃくちゃキスしてくる。


「分かったから!やめろ!」

「本当にもう会えないと思ったんだよ〜!」


 泣きながら同じことを言う。よっぽどダメだと諦めていたんだな…。俺も実際ダメだと思った。


「それより離れろよ、エリー。約束だっただろ?俺がどうやってアイツに勝ったのか話をしてやるよ!」

「うん!聞かせて!その前にマリー!…」


 エリーが顔から離れ、俺の目の前で無邪気に笑いながら叫ぶ。


「ただいま!!」


 俺の…俺たちの冒険は始まったばかりだ。

これで第1章は終わりです。

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