第67話 マキ
モネが目を開くとそこにはマキが立っていた。モネが混乱している間にマキはモネの肩を軽く押した。
すると、モネはそのままその場に座り込んでしまった。
シロはその光景にしばらく目を奪われていたが、途中で我に返った。
「マキちゃん、もう大丈夫なの?」
「うん、大丈夫・・・ってあんたそういう趣味あったっけ?」
「こ、これは違うから!!」
「冗談だって」
「私の事、ちゃんと覚えてる?」
「もちろん。嫌だけどあいつには感謝しないといけないわね」
「私的にはそろそろ仲直りして欲しいんだけど・・・」
「嫌よ、今更何を言ったって」
マキとシロが話し込んでいる間にモネは頭の状況整理をしていた。
マキが目覚めるのはもう少し後だと思ってた。でも、実際は予想より早く戻ってる。
しかも、私のことは一切眼中にない。私はこんな屈辱をまた味合わないといけないの!?そんなの、嫌に決まってる!
モネは奥歯を思いっきり噛み締め立ち上がった。
「私の事を無視するなぁあああ!!!」
その声にシロは驚いていたがマキは全く動じていなかった。
そればかりかモネのことを鼻で笑っていた。
「な、何がおかしいのよ」
「いや、昔のことを思い出しててさ」
「昔?」
「でも、あんたには関係ないことよ」
「・・・っ!あ、あんたなんか私が好きになったマキちゃんじゃない!!」
そう言いながらモネはポケットから拳銃を取り出し、マキに向けて構えた。
側に立っていた取り巻き達も流石に動揺をし始めた。
しかし、その中でマキだけはずっと変わらずモネを見続けていた。
「いつまで私の事を見ているのよ、本気で撃つわよ・・・」
「なら早く打てばいいじゃない」
「い、言われなくても」
「・・・あのさぁ、そう言うの言う前に打たないと」
マキはモネの正面に立ち、そのまま拳銃を構えている腕を掴みそのまま投げ飛ばした。
そしてモネの手から拳銃を取り上げ、モネの頭に銃口を当てた。
「ほら、こうなる」
「ひっ・・・!」
体をガタガタと震えさせながら涙目になっているモネを一切気にする事なく、マキはモネの頭に銃口をグリグリと押し当て楽しんでいた。
もはやモネの顔は恐怖に染まっていた。
「いいね、その表情。本当に昔を思い出すよ」
マキは引き金に手をかけた。モネは死を確信し目を瞑った。
そして一発の銃声が鳴り響いた。・・・が、目を開けるとモネは死んではいなかった。
間一髪で銃口が狙いから外されたのだ。ギリギリで来ていた菜々の手によって。
「ふぅ、本当に間一髪だったわね・・・」
「・・・またあなたなの?」
「えぇ、その様子じゃ記憶が戻ってるみたいね」
「丁度良かった、あなたに話があったのよ」
「奇遇ね、私もよ」
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