第60話 そして二人は再会する
モネからの手紙を見てからというもの、シロはいつも以上にマキの周りに気を配っていた。
マキはシロの行動が自分の為とはいえ恥ずかしくなってきていた。
出かけようとする度にシロが同行し、交差点には先にシロが向かって危険がないか調べる。
そんな事を繰り返されたら恥ずかしくもなってくる。
だから少しだけ、頻度を下げてもらおうとシロに話しかけようとした時、こちらに向かって手を降って駆け寄ってくる女性の姿が見えた。
あれはもしかして・・・!
「シロちゃーん、マキちゃーん!!お待たせええ!!」
「菜々さん!!」
「随分と早かったわね」
「うん、結構すぐ出来あがってさ。それで、これの説明なんだけど・・・」
菜々がカバンから物を取り出そうとした瞬間、ヒュンという音と共にシロの足元に銃弾が命中した。
幸い、足先の数ミリ先に命中したのでシロの怪我はなかったものの、どこかから誰かが見ているということだけは確信が持てた。
菜々は驚きを隠せない様な表情をしていた。
「ど、どういう事!?なんで急にこんな・・・」
「あ、あのね菜々。ずっと言えなかったんだけど、実はモネからこんな手紙が」
そういうと、シロはポケットから手紙を取り出し、菜々に見せた。
手紙を読み終えると菜々は無言でシロに手紙を返した。
「やっぱりあそこで始末しておくべきだったかしら・・・」
「どのみち、ここでは危ないから家に帰ってから続きを聞かせて欲しいわ」
「そうね、そうしましょう」
3人は自宅のマンションへ向かって行った。
その3人から遠く離れたビルの屋上で、一人の女が立ち上がり、イヤホンで電話を始めた。
「目標に直撃できませんでした」
『何やってるのよ!わざわざ高いお金払ってあなたを雇ったのに・・・まぁいいわ。あの3人はマンションに向かう様だからそこで必ず仕留めなさい』
「了解」
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