第24話 運命
修学旅行での宿泊先で何故かマキと菜々に遭遇したシロ。
状況が理解出来ずに戸惑っていると、後ろから一人の少女が出て来た。
「シロちゃん、どうかしたの?」
「!?な、なんでもないわ」
「あ、もしかしてその人達と知り合い?」
「そ、そうよ!それがどうかした?」
「いや、やけに戸惑ってたし何かあるんじゃないかな〜って」
「な、何にもないから!!ほら、早く行くわよ!」
「あらら、行っちゃったわね」
「少しくらい話したかったんですけどね」
「私達も戻りましょうか」
「そうですね」
シロはマキ達がどうしてここに居るか疑問をもちながらも、班を作った後に指定されていた部屋に入って行った。
シロの部屋には先程の少女もメンバーに含まれており、荷物を置くなりすぐにシロの方へ向かって行った。
しかし、シロは来ていることに気付いておらず、ずっと座り込んだままだった。
そこで、何を思い付いたのか突然シロの背後に回ると、突然大声を上げた。
「わっ!!!」
「きゃあ!ち、ちょっと何よ急に!!」
「いやぁ、私が近付いても何も反応してくれないのがなんか悔しくて」
「そんな理由で驚かさないでよ・・・」
「それよりもさ、あの二人知り合いなんでしょ?どんな人達なの?」
「別に誰でもいいでしょ、あなたには関係ないし」
「えー・・・じゃあ、あの胸の大きな人だけでもいいからさ〜」
「その人の隣の人なら教えてあげるわよ」
「なんで隣なのさ、私が知りたいのはあの人なの」
「・・・嫌」
「お願いだから教えてよ!!あの人はきっと私の運命の人なの!」
「は?どういう事?」
「だって、あんなにも美人でスタイルも良くて、着物もあんなに似合ってたし」
「それはわかるけど、それだけでマキちゃんを紹介するわけにも・・・」
「へー、マキさんって言うんだ」
「しまった!」
「まだあそこにいるかも知れないし、探して来る!!」
「あ、ちょっと待ちなさい!!」
勢いよく部屋を飛び出した二人は先程マキ達を見かけた入り口へ向かった。
すると、入り口で掃除をしながら話している二人の姿があった。
見つけると二人は一目散に二人の元へ向かっていった。
「マキちゃん!!」
「シロ!こっちに来て良かったの?」
「それにはちょっと深い事情があって・・・」
「あ、あの!」
「あなたは?」
「は、はい。私、薊 モネって言います!」
「モネちゃん?何か私に用事?」
「あ、あの!マキさんにひ、一目惚れしました!」
「はぁ!?ちょっと、急に何言って・・・」
「それはこっちのセリフよ、シロちゃん。この事、詳しく聞かせてくれるわよね?」
「で、でも今はそれよりも・・・」
「私が待つのが嫌いなの、知ってるでしょ?」
「・・・わかりましたよ」
くそ、1秒でも早くあれを止めないといけないのはこの人もわかっているはずなのに、どうして止めさせてくれないの・・・!
このままじゃマキちゃんが、マキちゃんが取られちゃう!!しかし、モネの発言を止める事は出来なかった。
「わ、私と付き合ってください!!」
「・・・え、ええええ!!??」
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