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8章 5節 お出かけ

 ハルちゃんからのメッセージにあった予定通り、僕は彼女の家の最寄り駅まで迎えに来た。それほど大きくないこの駅の改札を出て待つように指定があったから、目的地は、この駅の近くか彼女の家だろう。後者の場合には良からぬ想像をしてしまうのは悪いことだろうか。


 待ち合わせの時間より5分以上早く来てしまったが、ハルちゃんはもう待っていた。ハルちゃんによく似合う活動的だけど、可愛いらしい服だ。


 「やあ、おはようー」


 「おはよう〜!悪いね悪いね、こんなところまで来て貰って。」


 今朝のハルちゃんはいつも通りの明るくて元気いっぱいだった。やはり、ハルちゃんはこの方が可愛いと思う。


 「いや、大学行く途中だし、定期で行けるしね。まあ、この駅で降りたことないから、新鮮かな。」


 「でしょでしょ! 今日のお出かけは、この駅からスタートです。私についてきてねー!」


 そういうとハルちゃんは駅の外に歩いて行く。僕は彼女に遅れないようにしてついていく。彼女は中長距離の選手だったこともあり、運動不足の僕だと距離によっては遅れをとるかもしれないなどと考えていたら、もう目的地に着いたようだ。よくある複合アミューズメント施設で、全国展開しているところだ。北海道に来る前にも行った事がある。


 「今日はここで遊びまーす。時には勝負、時には協力して楽しみますので、よろしく!」


 ハルちゃんの言う通り、メダルゲームや対戦ゲームなど主にゲームコーナーでひとしきり遊んだ。各マシンで大量のメダルを獲得するのが、彼女なりに決めた今日のミッションらしく、それに向けていろいろなゲームに挑戦した。確かに目標があった方が楽しい。大体のマシンで大量獲得出来たので、かなり楽しめたが、メダルの総量自体はほとんど増えず、最終的には無くなってしまった。まぁ余ったところで何かに交換できるわけでもないので、むしろやりきった感があって良かったとすら思う。



 お昼もだいぶ過ぎていたので近くでランチを食べた。その時に今日の趣旨を聞いてみた。何か目的があるのだろうか?


 「目的?うーん、特別ないかな。楽しめればいいかなって思うよ。デートってそういうものじゃないの?」


 「……あー、そ、そうだよね。それじゃあ、午後はもっと楽しまないと――」


 「――この後、クレーンゲームで欲しいものがあるんですよ、先輩!よろしく!」


 「お、おう……」


 目的のクレーンゲームのコーナーはワンフロアまるまるあり、カップルで溢れていた。どうも男がとってあげるというのが暗黙の了解になっているのか、男達は必死だ。ここは僕もハルちゃんに良いところを見せないと。


 何とか目的のキャラクターのジャンボでモチモチしたぬいぐるみをゲット出来た。夕飯代がかなり心許なくなってしまったが、喜んでるハルちゃんを見ていたら、後悔はない。それに最初にハルちゃんから上限は指定されていたので、ギリギリだったが採れて良かった。


 ぬいぐるみを抱きしめてホクホクしているハルちゃんから、


 「はい。じゃあ、これで店は出て、食材を買いに近くにある大型のスーパーに行きます。今日はこれのお礼に私の手料理を振舞いましょう。」


 もし、僕がそのモチモチをとれなかったら、どうなっていたのだろうか。まぁいいか。


 「それは楽しみです。ところでハルちゃん家に行っていいのかい?」


 「……別にいいの!……へんな意味はないからっ!何でそういう事いうかな……」

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