4章 14節 芝生広場
「うーん、早速寝ようっと。」
緑虫さんは、芝生広場に着くと用意したレジャーシートを敷いて早速横になっている。
午後の日差しは心地よく、近くで遊んでいる小さな子供も2歳〜3歳ぐらいだろうか、母親と追いかけっこして転んでしまったが、そのままゴロゴロしており、気持ち良さそうだ。
僕も横になろかとしていたら、離れた池の側のベンチに、マコトと美月らしき二人が一緒にいる。離れたここからでも二人がじゃれあっているのが分かる。
声をかけるか悩んだが、邪魔することもないだろう。一か月後には一緒にいる機会も多くなるはずだ。
視線を戻した時、視界の端にいるはずのマコトがほんの一瞬、気のせいかもしれないが、視界から消えた気がした……瞬間移動した直後に戻ったような不思議な印象だった。もう一度ベンチを見返したが、マコトはいた。今度は桜木美月が居ないと思って、辺りを見回すと、ジュースを買いに行って戻って来たようだ。漠然とした不安がよぎるが、目の錯覚だろう。確か視界の中に盲点になるような手品があったが、あんな感じのことが起きたのだろう。
「……あれ、……私寝ちゃってた?」
緑虫さんが起きたようだ。
「うん。……凄く気持ち良さそうだったよ。だから、僕も眠くなってたんだ。」
「そうね……おすすめします……」
そう言って、緑虫さんは瞼を再び閉じた。
………………
「はい?お前何言ってんだ?」
僕はその日の夜、ふと昼間の事を思い出して、マコトに電話して直接聞いてみたが、どうやら僕の気のせいだったようだ。




