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4章 3節 二人で。
「ねー、そこの蓑虫さん、まだ起きないの?」
布団に寝袋のようにくるまった先から頭だけ顔を出している。
「てか、あなたね……どんだけ心配させたのよ。……体調悪いなら早く言いなさいよね……全く。」
――今度は布団に入ったまま移動している。今度は芋虫かな。
「ごめんね。いやーインフルエンザなんて初めて罹ったから、びっくりしたよ。身体中痛いし、こんな熱が出るなんて、死ぬかと思った。」
僕は思った事を正直に言う。
「でも、今思えばいい経験できたかな……あんな弱々しいあなたが見れたし。……あっ、ふ、普段から頼りないから。」
芋虫みたいな人が偉そうな事を言ってもなぁ。
――わざわざ言わなくてもなくても……
「それでこれは大事な事なんだけど、4人で会う前に、その、ちゃんと二人で話しておきたいんだ。僕達、あまりそういうこと話してないだろ?」
僕は出来るだけ優しく、なんでもない普段どおりに切り出した。
「そうね……それがいいわね。……うん、私も先に話をしておきたい。……二人で。」
緑虫さんは、笑顔でそう言った。




