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2章 7節 金澤とマコト

 「金澤、部活辞めたんだって?」


 金澤が、部活へ行こうと教室を出ると、小杉真が突然声をかけてきた。しかも意味不明な事を言う。


 「辞めてねーよ!ったく、なんかようか?」

 金澤は、大人の対応が出来るのだ。


 

 「実は彼女が欲しいのだが、どうすれば良いかアドバイスが欲しい。」


 金澤からすれば、急しいところに面倒くさそうな話だったが、基本的に頼られるのが大好きな性格なため、喜んで対応する。自分を認められているようで嬉しいのだ。



 「この努力家の恋愛スペシャリストに聞くなんて、お前少しは見込みあるな。で、どうした?」


 金澤は先を促す。まぁ、彼女いない歴イコール年齢だが……



 「いや、彼女が出来るように、何かしたいんだ。」

小杉真は、頑張りたかった。



 「うーん、努力するにもな……ただ、ガムシャラにやるばかりでは、効率も悪いし達成感も少ない。だからまず、戦略や目標はしっかり建てるんだよ。」



 「なるほど。……それで?」

 今度小杉が先を促してきた。



 「何すれば分からなければ、女の子の友達に相談するのは?アドバイス貰ったらそれ必ずやる。」


 金澤は真面目に答えていく。


 「でな、最悪それで変わらずとも、自分のアイデアにある程度自信もあるから、きっと次のアドバイスくれるだろうし、それ続ければ、論理的には完璧になるよね。少なくてもその子、その子達にとっては。」


 小杉真は、――なるほど、と納得しているようだ。



 「で、次がミソなんだが、向こうもダメなら責任感じて、それがきっかけで紹介してくれたり、本人が付き合ってくれる事もあるかもしれない。だってその子に答えて、その子の理想を追いかけている訳だからな。その頃には話も何回もして気心も知れてるしな。少なくても、信頼は得ているはずだ。」


 ――確かに。これはかなり良い戦略なのでは?と、小杉真は考える。



 「出会いをいきなり求めるよりも、良い子と出会えるチャンスは増える。イキナリ合コンとかして?とか、誰か紹介して?は、引かれる可能性もあるからな。特に真面目な子は。しかも一回しか使えない。」


 「しかもこのアプローチオブカナザワの良いところは、違うコミュニティなら、複数平行実施可能だし、1コミュニティ内でも、複数同時に相談することで選択の幅や潜在的な紹介者の数、更には競争意識も発生して、おすすめだ。

例えば、クラスと部活とバイト先とかね。

……それに一人だけに相談するのは照れ臭いしね。」


 「まぁ、コミュニティや相手によるが、最も大事なポイントは、()()()()()()()()()()()()()。むしろ、()()()()()()()()()()()()()()()だ。」


 金澤翔は、自分はまだこのアプローチオブカナザワを試していなかった。ただ、自分を良くするための一つの方法として以前から考えていた。


 「早速実行に移してみるよ!ありがとう、金澤!」


 小杉真は走っていってしまった。流石短距離選手だ。あっという間に見えなくなった。


 ――あれ?これ美月に言うの?いわないよね?


 ―― ……まぁ、いっか。今のお前なら、――好きだから、付き合って欲しい、とハッキリ言えばいいと思うが……美月はプライド高いし、効きそうだなぁ……


 金澤翔は少し後悔していた。


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