入学式
「では、続きまして生徒会長からの挨拶になります」
場所は変わって体育館
多種多様な種族が体育館に集まっているせいか、戦争していた時のことを思い出してしまった。
あの時は、俺を倒すために他種族が集結したが今はそんな物騒な理由がなくても肩を並べているのを見ると、俺がしたことも無駄ではなかったのだと感慨深くなる。
一人うんうん頷いている内に、生徒会長の挨拶は終盤に差し掛かっていた。
そこで、俺はようやく生徒会長を認識する。
生徒会長はエルフの美人で、周りにいる男連中は熱にうかされたような顔をしている。
(エルフはやっぱり種族的に美形が多いよな。周りにいるエルフも美形が多いし)
その中でも生徒会長は群を抜いている
あれだけ綺麗なら男連中は黙っていないだろう。
「では、これで私からの話は以上になります。皆さんに、素晴らしい学園生活が訪れることを心からお祈りします」
そう言った生徒会長の微笑みに、周りの男子が「ほうっ」と息を漏らす。
完全にホの時になったのだろう。
「では、続きまして校長先生からの挨拶になります」
その瞬間、だらしない顔を浮かべていた生徒達の顔が引き締まった
そして、舞台袖から現れたジジイに尊敬の眼差しを送っている
学園の設立者だし、俺が万全でない今世界最強だからだ
「皆もジジイの長話など聞きたくないだろ。なので、短く締めさせてもらおうかの」
確かに入学式は長いがジジイの話を楽しみにしてる奴もいるんだからちゃんとしてやれよ
「この学園には様々な種族が通っておる。君達が生きていく中で、これ程他の種族と接する機会はおそらくもう無いであろう。故、この学園生活を通じて見識を広げるように」
昔を知るジジイらしい言葉だな。
俺も、昔みたいに種族間の仲が悪いのはごめんだ。
「以上じゃ。皆、学園生活を大いに楽しみなさい」