ポコのココロ
ボクの家の隣に住んでいるポコはね、ボクとは違ってナガナガ族の一員なんだ。
長々と書くの。
ながいって意味で、確かにポコの耳、手、足はとっても長いんだ!
でもね、他にもボクと違うところがあるの。
それは、カラダにポッコリ穴が空いていること。
ちょうど、シンゾウの部分。
ポコのお母さんのマコさんによると、生まれた時からそうだったんだって。
それにね、
ポコは今まで「うん。」としか言ったことがないんだ。
ボクが「遊ぼっ!」って言ったら「うん。」って返ってくる。
ボクが「お菓子食べよ!」って言ったら「うん。」って返ってくる。
ボクが「外に行こう!」と言ったら
ボクが「ジャンケンしよう!」と言ったら
ボクが「ポコ!」と呼んだら…
「うん。」としか返ってきたことはない。
「おはよう」も、「ありがとう」も、「ごめんなさい」も…
ポコは言ったことがないんだ。
正直言うとちょっと寂しい。
もっといろんな話をしたいし、一緒に笑いたい。
でもね、
これもマコさんが言ってたんだ。
ーーポコは生まれる時に間違えて私の中にココロを置いてきちゃったんだ。
そう言っていた。
ーーーいつか、ポコが…ポコの穴がうまる時が来るとしたら、それはきっと大切なものに気づいた時…、だと思うな。
ーーーだからプケ…
ポコの大切なものになってあげようね。
うん!
元気よくそう答えた時のことを覚えてる。
だってポコはボクの大切な友達でずっと一緒にいたから家族みたいなんだもん。
あ、ポコが弟だからね!
って同い年なのに勝手に思ってるのはポコにはナイショ。