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僕の青春に友達はいらない。  作者: そると@塩風味
1/1

今日もまた残念な男の残念な日々が始まる。

ある、晴れた日。

目覚まし時計が静かな部屋に鳴り響く。


「んあぁー....ん?もうこんな時間...」

そう言い、僕は時計を確認する

時刻は7時。

僕なりに朝早く起きれたほうだ

布団から起き上がり、早々に着替えをする。



着替えをしていると突然、

「お兄ちゃんおきた?朝ごはんできてるよー」

妹の声が廊下から響く

「あー、今行くよー」

ふたつ返事で返す。


着替えを済ませ、階段で1階へ降りると

テーブルに朝食がのっていた。

いつもと変わらない、妹が作ってくれた朝食。

「いつもごめんね」と僕は言う

「お兄ちゃん。それはもう言わないって約束でしょ?」

少し怒ったような顔で彼女は返す

「そうだったっけ」

とぼけたふりをして僕は言った。

「もー、お兄ちゃんのバカ。」


そんないつもと変わらない会話をしてるうちに時刻は7時半を過ぎていた。


「ん!お兄ちゃん今日始業式でしょ?はやく行かないと遅刻しちゃうよ!」


「そうだったそうだった、もう行くよ。戸締りは任せたよ夏海」


「うん分かってる!いってらっしゃい!」


「いってきます」


そう。今日4月15日は僕の通う「紀誠高校」の始業式。

自転車に乗り学校へと急ぐ。

片道、約20分。

地味に長いがかれこれ1年通ってる道だ。

汗をかきながらふと、昔のことを思い出した。




「友達はもう作らない」

中学2年生のある日、僕は心に誓った。


「僕と友達になった人は皆、不幸になる」

始めは偶然だと思っていた。

ある日友達が怪我をしたり、急に病気になったり...


しかしそんな思いとは裏腹に、事件は起こった。



当日仲良かった女の子が亡くなったのだ。

「詩歩ちゃん、心筋梗塞だってさー病名」

クラスの女子の会話が聞こえる。

「あー知ってる。病院に搬送される頃には死んでたらしいねー」

「えー、詩歩ちゃん可哀想」

「ほらっ、悠に聴こえるでしょ静かに!」


その日から僕は友達をつくるのは辞めた。クラスメイトとの会話も最小限。お昼は屋上で1人、静かに食べる。学校が終わってもまっすぐ家に帰る。

高校に入ってもそれは変わらなかった。


そして気づけば高校生活1年が過ぎ、今日から2年生。

今年も今までと変わらない、はずだ。

勉強だけに専念できていればそれで充分だ。


漕いでるうちに学校が見えてくる。

「もう誰も、傷つけないって決めたから。」

「傷つくのは僕1人で十分だ。」


そう自分に言い聞かせながら、彼は校門に入る。



そう自分を惑わしながら三日月悠は同じ日々を繰り返す。



そう自分を縛り彼は孤独の道を歩く。





しかし、ある女の子との出会いで彼の青春はひっくり返る。

彼女の名前は「神崎桜」


だがこのときの三日月はそんなこと当然知るよしもない。



ましてや自分に再び「友達」が出来るってことは、

今の三日月は知るよしもないだろう...。

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