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6. 初・召・喚!

 えー、皆様おはようございます。

 只今午前5:30(時計1000Pより)でございます。いやぁ、習慣って凄い。

 今日はダンジョンマスターの部屋にスクリーンを設置しております。

 ただねー、違和感がすごいから、形を変えさせてもらった。なんかね、自分のモノになるとその物の本質さえ変えなければ、形は変えられるっぽい。

 だから、例えば硝子の板があるとするだろ?

 それが自分のモノになると、白鳥の形になるように想像すると、硝子が白鳥の形になるというわけだ。

 ただ、硝子を金とか銀とかに変えることは出来ない。あくまで形だけ。



 ですから、俺氏はこのスクリーンをゴシック調の鏡風にイメチェンさせた。

 こう、硝子の部分がスクリーンになっていて、その周りにフレームがついているような。フレームは別枠だけど。新しく想像してからがっちゃんこさせた。

 うん、内装を損なわない。流石俺!

 ……調子に乗ると失敗するって言うよね。すみません。

 ではでは、早速これを接続してっと……。

 ……おお?

 ダンジョン内部を観察できるやつは、自分の好きなところにセットできるっぽいな。

 じゃあー……玄関部分に1ヶ所、廊下に3ヶ所、宝物庫に1ヶ所、廊下の出口に1ヶ所、大広間に2ヶ所(1階と2階)、螺旋階段に低中高と3ヶ所……こんな感じかな。



 でー、次はっと……あ、あいつらとの会話用スクリーンも貰ってたな。

 これも形を変えて接続っと……。

『……お、やっと繋がった〜!』

「!?」

 姐さん!?

『いやぁ、お嬢以外は皆昨日のうちに接続していたんだよ〜。なのに、いつまで経ってもお嬢からは接続ないし〜……。』

 ……成程、俺がお見苦しい所をお見せし、後にひたすら筋トレをやっていた間、皆はちゃっちゃと接続してたんか……。

『…まあ、何でかとは聞かないけどさぁ〜。皆もそろそろ起きるじゃろ〜。そしたら、今後の事で話していこうぜ〜。』

「あ、…うん。」

 うわぁ、やっぱり目の周り腫れてたかー。…でも、姐さんの目も少し赤かったな。

 察してくれていたんだろう、変に質問はされなかった。

 それにしても、姐さんがこんな早く?に起きているなんて…。絶対に徹夜勢だ。




 約1時間後、皆起きてきた。

 もっと遅くなると思っていたんだけどな。遠足当日みたいな感じでどうも寝付けないし、でもその割に目覚めはよかったみたい。


「ところでさ、皆はもうダンジョン制作はしたの?」

『うん、昨日のうちに〜』

『一応したかな。』

『『え、まじで?』』


 約2名程(魔法使いとみっちゃん)から焦り声が聞こえたんだが、君達昨日何してたの。


『寝てた』

『同じく』


 …誰だよ、寝付けないとか言ったやつ。


「じゃあ、お前らはダンジョン制作にかかったほうがいいかな。後の二人はどうする?」

『あ〜、俺はちょっと試したい事があるから大丈夫〜』

「?」

『魔物のレベルアップ〜』

「え、そんなことできるの!?」

『アイテム欄に、"魔素溜まり"ってのがあるんだ〜。

 あれってぇ、自分の持つ属性の魔物が5秒に1体位でランダムに生まれるのよぉ〜。

 ……で〜、どうやらぁ、その魔物を倒してもダンジョンマスターは経験値を得られないんだけど〜、魔素溜まりから生まれた魔物同士でなら経験値が得られるらしいんだよね〜。』


 ほー、いいこと聞いた。


『で〜、同じくアイテム欄に"強者つわものの証"ってのがあってだな〜。それを持たせた魔物は倒されても数分すれば復活するようになるらしくって〜、……だからさぁ、階層主…作れないかな〜って〜。』


 確かに、高位の魔物を買おうとすると、ポイントがバカにならない。魔物作成ってのも出来るけど、やっぱり強いのを作ろうとすればポイントはかかるし、少ないポイントで強さランダム設定ってのもあるけど、上手くいくかわからないぶん、凄く効率が悪い。

 となると、元が弱い魔物でも、強く育てられるのならばそれが一番コストがかからない。…餌も必要ない。

 どうやら魔物も、ゴーストみたいなアンデッドじゃないと、餌必要みたいだぜ?

 つまり、俺の扱える魔物はほとんど餌は必要ないんだけど…。

 でも、そんな魔物達も娯楽的な意味だったり、本能のようなものだったりで、敵を見つけると殺しにかかっちゃうのね。基本は生きたものを狙い、他に相手がいなくなると同じ種族間で戦い始める。……戦闘狂かよ。

 同じアンデッドでも、ゴースト系は自分の中に取り込めば勝ちだし、スケルトンは動かなくまでぶっ叩けば勝ちだし、ゾンビは……確か頭を潰せば……勝ちだったはず。

 よーし、そうと決まれば、新しい部屋を作ろう!

 そして、魔素溜まり(1500P)作ろう!




 うん、教室の5分の1程の大きさの部屋をどこにも繋がっていない場所に作った。

 で、そこに魔素溜まりを2つ。スクリーンでも内部を見れるようにして……、おおっ、始まった。

「うおわぁっ…グロイなぁ。」

 主にゾンビ。あ、血…。血だ…。うわ、痛いわ。その噛み方はあかんて…うわぁぁぁぁ……。ゾンビは見ないようにしよう。

「なんか、これ見てると蠱毒を思い出すなぁ。」

 蠱毒って知ってるか?

 知らなかったら調べてみてね。凄く嫌になるよ。

 さーてと、ゾンビ以外では……おっ、スケルトンが勝ってる。

 どれどれー。



 スケルトン Lv.3


 生命力:20

 攻撃力:8

 魔力:1

 魔攻:3

 防御力:4

 スピード:5

 命中率:2


 スキル

 【精神攻撃無効】


 ……ふーむ。こうやって見ると、俺強いな。

 魔物では、筋力の部分が攻撃力に置き換わるんだね。あと、アンデットなせいか体力の欄がない。

 あ、魔物で思い出した。俺のスキル……内容見てみるか。




『魔物召喚』

 自分の持つ属性の魔物を召喚できる。

 召喚できる魔物は決まっており、自分のレベルが高ければ高い程多くの種類が召喚可能になる。

 基本はレベル5毎に新しい魔物が召喚できるようになる。

 召喚した魔物が倒して得た経験値は、その魔物にいく他に、召喚主にも同量の経験値が分け与えられる。

 また、召喚した魔物はLv.100毎に進化し、Lv.200で人型となる。

 上限はLv.300。

 倒されても、半日経てば再度召喚可能。




 強い。凄く強かった。

 じゃあ、この魔物が戦っていれば、俺にもその分経験値がくるんだね!

 でも、外に出ることは可能かな?

 俺が生み出した魔物は魔素溜まりのも含めて、いくら俺が倒しても意味が無いらしいのよね。

 つまり、俺が召喚した魔物を俺が倒しても効果はないはず。かと言って、魔素溜まりにこの魔物を入れたとして効果があるのかどうか……。

 ヘルプ使うか、ヘルプヘルプ!




 俺ら出られるって!1ヶ月に72時間が限度だけど。

 これが過ぎると強制送還だってさ。

 あ、でもでも、ダンジョンの半径2.5kmまでならいくらでも大丈夫らしいよ。やったね!

 でも、外ってどうやって出るんだろう…。



 結果として言えば、出たいと念じれば出られた。

 うん、橋。初めて見る異世界の光景、一面に広がる橋と海。

 超殺風景。ファンタジーも何もあったもんじゃない。

 で、外から見たダンジョンはー…、え?

 黒い箱だ。それもスゴーく大きい。

 あれか?外装も想像して作れと?

 やってやらぁぁぁ!!



 出来た…。

 凄く豪華な黒を基調とした城。よくハロウィンとかホラーテイストの絵とかで背景に描かれてそうなやつ。

 各島の方面にそれぞれ門を設置して、その隣にガーゴイル像でも置いておこう。雰囲気って大事!

 保存っと……。



 さてさて、では、早速魔物を召喚いたしましょうかね。

 召喚できる魔物は……。

 ……。

 …スライム…だけ…だと…?

 え、弱っ!?弱いよスライム!

 いや、でも待て。海外のゲームでは、スライムってすんげぇ強い設定だし、ド○クエでもレベル高くなると結構な強さになるし、…うん。育てれば、強い!

 まだ時間はあるし。あ、いや、なんかね、ロボットさんに、できれば1ヶ月半位で開放してくれると嬉しいなーみたいなこと言われちゃってさ。

 それまでに出来るだけ強くならないと。

 では、早速召喚っと!

 闇と無で選べるのよね。まずは闇にしておこうかな。



 なんか、少し疲れた。

 目の前には紫のプルプルした物体がおる。可愛い。

 あれかな、魔力って精神力みたいなものなのかな?

 えーと、ヘルプーっと。

 ふんふん、そんな感じかなぁ。魔力が0になると、数分後には気絶するんだって。あと、凄くだるくなるって。まさか…昨日のあれはすぐ眠れたのではなく、気絶……?やべぇ、危なかった。

 ステータスの魔力欄を見たら、10減っていた。

 全部召喚に費やしても6回かぁ。凄く効率が悪いなぁ。

 で、こいつのステータスは…



 スライム(闇)


 生命力:100/100

 攻撃力:50

 魔力:0/0

 魔攻:0

 防御力:50

 スピード:10

 命中率:30


 スキル

 【ダブルアタック】


 普通に強かった。え?誰よ雑魚モンスターって言ったの。

 この子も体力の欄は無いみたいだし…疲れないってことか?

 一部俺より強いし。

 なんか、一気にやる気出てきた!

 まずは、意思疎通を図ってみよう。



「こんにちは……?」

『プルプル』

 これは…通じているのか?

「言葉がわかるの?」

『プルプル』

「ちょっと跳ねてみて?」

『プルプル…((ピョンッ』

 渋々って感じで軽く飛び跳ねた。

 通じてるな!ってか、こいつ可愛いな!

 よ、よし。では、こいつは頭良さそうだからわかっているとは思うが、魔物を倒すための作戦会議といこう。


「じゃあ、まずステータス的に倒せそうなのを見つけたら、俺が相手を引き付けるね。だから、君は相手の死角から攻撃をして。一発で倒れなかったら、また隠れて再度死角から狙ってくれる?」


 きっと、召喚した魔物に主に戦わせることになるだろうから、経験を積ませておいて悪いことはないと思う。

 経験値は俺にも入るしね。


「よっし、じゃぁ、獲物を探すよー。」


 すぐに見つかった。

 いや、海からのご登場って考えていなかったわー。

 うん、急に海からデカい魚がザバァって飛び出してきてさ、逃げる暇もなく襲いかかって来たんだよ。

 えぇーっ…て思ってたら、サッと俺と敵の間にスライム(闇)君が入ってきて、2回程体当たりをしたら倒れた。

 スライム(闇)君つよい。

 その後、慌てた感じで近寄って来て、多分怪我がないか確認するために腕とかにくっ付いてプルプルしてたけど、ちょっとしたら凄いスピードで離れた。

 そっぽ向かれた。ただ、たまにチラチラとこちらの様子を確認してる。…癒されんなぁ。

 こいつ、絶対ツンデレだ。


「……ありがとね。」

「!((プルプル」


 お礼を言ったら、その場で軽く跳ねた。

 照れてるのかな?なんか、凄くソワソワ(プルプル)してる。

 あぁぁぁ可愛いぃぃぃ。さっきは魔素溜まりの部屋に入れるとか考えてホントごめん。

 あ、逆にこいつが怪我とかしてないかな?

 慌ててステータスを確認してみたら、2しか減ってなかった。

 あの魔物、レベル幾つだったんだろ。



 デビルフィッシュ Lv.5


 生命力:0/90

体力:0/80

 攻撃力:80

 魔力:10/10

 魔攻:40

 防御力:10

 スピード:50

 命中率:20


 これまた強かった。

 あっぶねぇ…攻撃くらってたら、俺もスライムもすぐにアウトだったわ。

 しかも、スピードも速いし、よく攻撃出来たなぁ…。どうやら、これはスキルが関係してたみたいだけど。



『ダブルアタック』

 魔物専用スキル。

 相手に連続で体当たり攻撃を仕掛ける。

 相手のレベルが自分より高ければ高いほど、相手よりも早く攻撃出来る確率が上がる。



 もしこれに、先制攻撃の確率が上がる効果が無かったら、俺ら死んでたかもな(´・ω・`)

 こっわ。

 海から離れようかな。多分、橋は凄く長いんだけど、流石に2.5kmよりは短いだろうし、橋渡ったら草原だし。

 ……あれ?

 凄く今更だけど、景色がはっきり見える。

 ぼやけてない。

 この言葉で察してくれる人は多いだろうが、俺を含めて我ら5人は非常に目が悪い。

 僕とみっちゃんと魔法使いはコンタクト勢で、残りの2人は眼鏡勢である。因みにミリさんは眼鏡外すと盲目の人並に見えない。介護が必要になる。

 それが、昨日の夜についうっかりクセで使い捨てのソフトタイプのコンタクトは外し、今まで存在をすっかり忘れていたが、はっきりくっきりである。

 種族がダンジョンマスターになると、体の構造が色々変わるのかな?



 結果。そもそもダンジョンマスター人じゃなかった。人でもなく、精霊でもなく、悪魔でもない。存在自体が謎の生物。

 ダンジョンマスターは他の種族に比べ、圧倒的な力を持ち、特別なスキルを持っている。

 また、食事は必要なく周りに魔素さえ満ちていれば永遠に生きていけるらしい。因みに魔素はこの世界で空気のようにそこら中に満ちているから、そこらへんは問題ない。

 心臓の代わりに『コア』というものが体内に存在し、これを破壊すれば死ぬらしい(ダンジョンも崩壊する)。臓器は揃っているし傷つけば血もでるが、ただの飾りみたいだな。失血死とかはなさそうだ。ただ、体内を巡っている魔素が傷口から漏れ出していくらしく、そうすると体力や生命力が徐々に奪われていくらしい。つまり、コアを動かす為のエネルギーは魔素ということでオッケーかな?だから、ダンジョンマスターは生き物のなり損ない、という認識だった。

 ただ、他のどんな生物よりもよく見え、聞こえ、気配に敏感で不意打ちは困難とされる。

 ……ざっとこんな感じだ。

 人外になっていたとは驚きだな。

 しかし、不意打ちは困難、って割には思いっきり不意打ちくらったから、多分これはレベルの高いダンジョンマスターに当てはまるんだろうな。

 まあ、今のところ特に困ることなんかないし、レベル上げの続きでもしましょうか。



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