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5. ネガティブは生きづらいって言うし

 同じ属性って、相手にあまりダメージを与えられないらしいね。

 急にどうしたって?

 ……いや、俺って基本属性は闇じゃん?

 ほら、魔族も基本属性は闇なのよ。

 いくらパラメーターが人より高いからって、レベル差があるわけだから、決定力に欠ける今の俺じゃぁ同属性には勝てない。

 だからさぁ……



「華さんと桜さんは獣人界と魔界を繋ぐ橋を、

 蜜柑さんと若葉さんは魔界と人間界を繋ぐ橋を、

 凜さんには人間界と獣人界を繋ぐ橋をお願いします。」



 魔族……見てみたかったなぁ……。

 まあ、モフモフ見れるしいいか。


「……さて、ダンジョンについては一通りの説明は終わりました。わからないことがあれば、ステータスの右上のヘルプからいつでも私に聞くことができます。

 では、次にそのステータスについて説明していきましょう。」


 お、なんかそれっぽくなってきたわ。

 自分で言ってなんだけど、それっぽくってなんだろう。


「頭の中で、『ステータス』と念じて下さい。」


 ほうほう、ステータスとな。

 ……おっ。なんか目の前にスクリーンっぽいのが現れた。



 リン シマイ Lv.1

 種族:ダンジョンマスター(闇・無)

 職業:【メイン】ダンジョンの主


 生命力:500/500

 体力:95/95

 筋力:30

 魔力:60/60

 魔攻:50

 防御力:30

 スピード:35

 命中率:35


 スキル:【鑑定】【魅了】【ダークネス】【ロスト】【魔物召喚】


 称号:【異世界より蘇りし者】



 ……なんかある。

 ダークネスとロストはきっと闇と無属性の初期魔法みたいなもんなんだろうが、……なんか、ある。

 しかも称号が、もう、あれだ。


「このステータスは、現世での貴方方の能力を元に作られてます。そして、それをこちらの世界に合わせて……10倍にした感じですね。

 今の貴方方なら、そうですね……Lv.5の冒険者には勝てる感じですかね。

 因みに、鑑定と魅了は転生者の固有スキルとなります。」


 レベルの割には上の人達と戦えるのねー。

 しかし、魅了て。

 で。


「あの、なんか、変なスキルがあるんですけど……。私の属性と関係ないというか……。」

「ああ、それは貴方だけが1人なので、せめてものプレゼントです。」

「あ、はい……。」

 結構気にしてくれてたのね……。



「え〜っ……お嬢いいなぁ〜。」

「うっさい!お前らはぼっちじゃないだろうが!」

「そ〜だけどさぁ〜。」


「ステータス等でわからないことがあれば、ステータス上のその単語をタップすれば詳細が出てきますので、後で試してみてください。」

 最近ロボットさんのスルースキルが上がってきた気がする。

 いや、うん、詳細がわかる機能、いいね!



「では、ここでチュートリアルのようなものは終了させていただきます。

 ここからは、各自のダンジョンでそれぞれ準備に取り掛かってください。」



 さあ、はじまるよ!ぼっちタイム。゜(゜^ω^゜)゜。

「あ。」

 え?



「言い忘れていました。一応最後のプレゼントです。

 ダンジョンポイント10万と、ダンジョンの内部の様子がわかる大型スクリーン20個、ダンジョンマスター同士で会話の出来る大型スクリーン4個、あと……Wi-Fiです。」



「「……!?」」

 Wi-Fi……だと……!?


「つまり、携帯があれば……!!」

「俺達は無敵……!?」

「(゜∀゜)キタコレ!!」

「( 'ω')ファァァァァァァァア!!!!!」

「女神様!」


 今までで一番の反応だった。




 ………………。




 in我がダンジョン


「ついに……ぼっちだなぁ……。」

 やはり、見知らぬ土地で一人はつらいな……。

 とりあえず、想像力を駆使してチュートリアル時と同じ内装を作り上げる。また後で少し変えよう。

 ……時間が長く感じる。

 本来だったら、今頃家に帰って、ご飯を食べて、妹の面倒を見ながらテレビ見たりゲームしたりしてお風呂入って寝てる。

 ……お風呂、作るかな……。

 ポイントで買おうとしたら、5万とか恐ろしい数字が見えたから、また想像力を駆使する。

 お城とかにありそうな豪華なのが出来た。

 シャンプー(500P)とコンディショナー(500P)は流石に購入し、石鹸は……これも購入しよう(100P)。

 身体はささっと洗い、一人で入るには広すぎる湯船に浸かる。

 じんわりと暖かさが身に染みて、いつの間にかしていた緊張がほぐれだした途端、涙が溢れてきた。


「……っ、うぅ……もう、ほとんど会えないじゃんかよ……っ……」


 たまに理不尽な扱いを受けたこともあったけど、なんだかんだ言って自分の気持ちを考えてくれていた家族や、悩みを相談したりされたりと欠かせない存在だった親友、それに……好きな人。

 会えるだけ凄いことはわかっている。

 でも……そうじゃないんだ。あの、辛いときにそっと寄り添ってくれていたあの感じはもう二度と味わえない。

 これからは……一人だ。

 いくら仲のいい彼女達にだって、自分の全てをさらけ出せる訳ではない。


 ただ、皆は受け入れてくれるのだろうか?もう死んだとして、ショックを受けながらもそれを乗り越えた時に、いきなりその本人が現れたとしたら。

「……会いたいなぁ……」

 でも。恐怖を覚えられるのが怖かった。その時、自分は本当に心のよりどころを失うことになる。


 そして、知性のある生き物の命を奪えるかにも不安があった。いくら正当防衛の場合に限り、罪悪感を感じなくなるとはいっても……、生き物を殺した時の感覚に自分は耐えられるのだろうか?

 そして何より、自分は血が苦手だ。傷を見ると、その傷が自分にできた時の痛みを考えたくもないのに考えてしまう。

『生きるために』。そう言い訳をしながら、自分はこの世界に慣れていくことができるのか?改めてしっかり考えれば考える程、平和ボケした日本人学生にこの世界は少し酷だった。いっそのこと記憶がなければよかったのに。


 自分は、この世界で生きていけるのだろうか?


 そんな疑問を振り払うかのように軽く頭を横に振る。縁に手をかけ、顔を伏せた。

 一日目だもん。少しくらいこうさせてもらったっていいよね……。





 ………………。

 …………。

 ……。

 えー、はしたないところをお見せしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。

 泣いたら少しすっきりした。

 でも、こうやってうじうじしてるだけじゃ何も始まらないよね。

 自分は死にたくない。なら、命を刈り取ることは、どんなに辛かろうが何だろうが避けることはできないのだ。

 生きるために、やってやる。嫌な話だが、何でもいつかは慣れるものだ。例えそれが非人道的なことであったとしても。



 あぁぁー、もう!暗い!ジメジメする!やめやめ、こんな考えは!

 気分転換に何か食べるかな……。

 ん?食べる?

 そういえば、お腹、空いてないな。

 いつもだったら、とっくに空いている時間のはずなんだけど……。



 ヘルプを早速使ってみた。

 聞いてびっくりだよ!

 ダンジョンマスターってご飯いらないんだって!

 なんか、あくまで食事は娯楽?の一種っていうか……。

 だから、そう!太らない!食べても太らない!もはや、胃とか腸とか機能してないっぽいね!

 だがしかし、ガリガリにならない程度に痩せはする!構造がどうなってんのか知らんが素晴らしいね!

 俺、今平均体重ギリギリなんだよね!

 あいつら皆背高い癖に(ミリは除く)俺より体重軽いんよ?

 筋トレするかな?筋トレしたら、筋力増えるかな?

 ………………。

 毎日続けていれば、少しずつ増えていくってさ!

 今日は筋トレしまくって、疲れたら寝よう。



 筋トレしてたら、体力が減っていた。

 生命力との違いがイマイチちゃんとわかってなかったけど、あれかな。致命傷とか受けると生命力も減るのかな。で、生命力が0になったら死ぬのかな。

 これは……体力も増やせるかもしれんな……。




 寝る前に自分の魔力をダンジョンに全て注入する。

 こうするとポイント増えるんだって。

 疲れたからか、その後は意識がない。

 夢を見なかったし、相当深い眠りだったのかな。




 おまけ

 一般的な戦いをした事のない村娘のステータス(Lv.1)


 生命力:150

 体力:8

 筋力:3

 魔力:0

 魔攻:0

 防御力:2

 スピード:4

 命中率:3


 こうやって見ると、異様さがよくわかる。

 しかし、そうすると意外と俺らの元の転生前ステータスも高いんだなって。

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