1. 死んだはずだけど生きてた
人間には、それぞれ得意な事とそうでない事があるはずだ。
まあ、たまに「何こいつ、チートなの?死ぬの?」って奴もいなくはないけど。
それは置いといて、さっきの例を挙げてみると
俺こと嶌井 凜は料理が得意である。ただしコミュ障。人と話せない。男だと思ってる奴、今夜は枕元に立ってやるからな。
で、俺は友人だと思っている人Aである城之内 華は歌が得意だ。ただしコミュ障。人と話せない。
俺は友人だと思っている人Bの谷崎 蜜柑は柔軟性と持久力が凄い。ただしコミュ障。人と話せ((ry
……面倒になってきたから、「俺は」と「だと思っている」は抜かそう。
友人Cの森本 若葉はヤンデレサイコパスストーカ((ごほんごほん、えーと、あ、絵が上手い。こう、リアルな方で。ただし重度のコミュ障。人とは目も合わせられない。
最後に友人Dの白野 桜も絵が上手い。こちらはアニメ絵の方で。ただしキチガイでコミュ障。もう手遅れ。
さて、こんな感じだ。え、これは一般的な例じゃない?俺の周りでは普通じゃ。
はい、で、話を戻すが、うん。色々ありすぎてだな。
結果を簡潔に伝えますと、俺ら5人トラック2台に衝突された。
どんな状況?俺が聞きたい。あ、でも片方は飲酒運転っぽくて、もう片方は死ぬ間際にちらっと見えたけど薬物使用してそうな感じだったなー。車フラッフラだったし。ふざけんな。
お前死んだのに何でこんな話せてんの?って聞きたそうだな。
いやな、本来は死んで終わりだったんだが続きがあんのな。
よく分からない空間に今いる。
俺の側にはさっきの友人だと思っている、いや、思いたい人達。
さらにその周りには、何か白くて大きい人達。ぐるりと囲まれている。
感想を一言で言おう。怖い。
いやだってさ、ね?俺ら平均160ちょいだけどな、周り普通に180超えぞろぞろって感じよ。
それにだ。
皆さん覚えているだろうか、このページの序盤を。
メタい?うるせえ。
そーだよ、俺ら全員コミュ障よ!?一人にいたっては目も合わせられないのよ!?
そんな中、ぐるりと囲まれたら……うん……ねえ?
狩られる前の兎状態にしかなれんでしょう……。
「おい。」
「ふぉあ!?」
現実逃避してたら声かけられました。驚きすぎて変な声出ました。
おい、笑うなお前ら。大きい人達も笑いこらえないで。
「お前達が事故に巻き込まれた人達で間違いないか?」
「え……あ……えと、あ……あの、どんな…じ…事故…」
世の中のコミュ障達よ、こうなる気持ちがわからないとは言わせんぞ。
とりあえず、世界あちこちで事故は起きている故、どんな事故か内容を知りたいんです。はい。
「薬中とアル中の」
「あ、それです。」
逆にそれ以外ないわ。ちょっとあの時の怒りがわいてきたわ。どもらない程には。
家族とか大丈夫かなー。あ、パソコンのデータ消しときゃよかった。暗証番号知ってたらどうしよう。
「それなら良かった。実は頼みたいことがあるんだ。」
死んでるのに?何?怨霊になって呪い殺してこいと?
「結構理不尽な死に方だったし、一応お礼も兼ねてるんだ。そんなに大変なものでも…(あ、いや、大変か?…大変か。)…いや、大丈夫だ。大変なものではない…はず。」
やめて。不安にさせる言葉、「はず」をここで使わないで。
「内容は…なんなんですかぁ?」
華こと姐さん、ありがとう!それを聞きたかった。
因みに姐さんは危機的状況に陥るとどもらないよ!
つまり今は危機的状況なんだね!
「そうだなぁ……簡単にまとめれば……ダンジョン制作…かな?」
「「「え。」」」
反応するよね。だって、つまり、あれじゃんか。異世界トリップじゃんか?
「もちろん、お詫びとして普通に、いや、余裕で生きていけるように身体能力だとか魔力だとか色々強化状態でつけておくよ?」
あざっす!
「あと、その酷すぎる重度のコミュ障も緩和させておくよ。それじゃ生きてけない。」
余計なお世話だけどあざっす!
「ついでに特別サービスで他の要望も応えるよ。」
で、現在話し合いnow。
お嬢こと俺氏
「世の中結局は金と容姿なんだよな。」
姐さん(華)
「とりあえず〜、イケメンはいらないから美人で巨乳のお姉さんと仲良くなりたい〜。あと、ゲーム〜。」
魔法使い(桜)
「コミュ障治ったしなー。いや、緩和かー。まあ、でも確かに結局は金と顔か。」
みっちゃん(蜜柑)
「求む筋力」
ミリ(若葉)
「それは貰ったようなものでしょう?あー、夢に会いたいです…。」
意見もニックネームもおかしいと突っ込む奴は誰もいない。
でも、ざっくり説明するとすれば、俺は金持ちそうでちょっと目付きが悪かったからこれ。最初、若と迷われたけど、若って男では?とかなった。
姐さんは雰囲気。これしかない。イケメンでイケボだし。変態だけど。
魔法使いは傷口を抉っていたらこうなった。
みっちゃんはまんまで、ミリは背が小さいから。ナノと迷った。
因みに夢とはミリの幼馴染みである。女の子である。百合ではないぞ。こいつは神よりも崇拝しているだけだ。
で、結局。
言葉おかしいけど、特大出血大サービスで
・あっちの世界では俺らは顔がすごい美人と判断、俺らを除けば顔面偏差値のつけ方はこちらと同じ
・年に1回お盆の日には知り合いに会える、その際荷物の行き来可能
という条件が出された。
これを特大出血大サービスと言わないで何と言う。…頭痛が痛いみたいな名前になってるけどそれ以外に当てはまる言葉が見つからない。
「えと、こんなにしてもらっていいんですか?」
既にコミュ障緩和はされている。人と話せる!
「いいのいいのー。大変だし、さっきも言った通りお礼も兼ねてるし、それ以上に彼女がその幼馴染みと会わないでいたら俺がその内呪い殺されそう。死なないけど。」
さっきからミリは光のない目でずっと
「夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢」
幼馴染みの言葉を呟いている。怖い。凄く怖い。
「じゃあ、そろそろあっちの世界に行く?詳しい内容は向こうの人に聞けるようになっているから。」
「あの、本当にありがとうございましt」
最後まで言えなかった。床抜けた。
そういえば囲まれてたのに結局一人しか喋ってなかったなーとか思っていて気がついた。
「あなた……何者だったんですか!?」
落ちながら叫ぶ。
遠くから、「え、今更!?」って聞こえた気がする。
「そだねー、神様かなー。」
俺もう神様に一生頭上がらないわ。