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セイシェレイド・ユグドラシル  作者: 山都光
第二章~ヴェストレア学院生活編~
14/15

14話 闇の中で:???Side

2章~トライアスロン~編~

ここは人間界にある大陸で【ヴェルティナ帝国】や【カナン帝国】にならぶ≪六柱国家≫と呼ばれている大きな力を持つ国家。その国家は“闇の聖霊王”を崇拝しておりその名を『ロプト教国』と呼ばれている。


≪六柱国家≫とは人間界において最も強い発言権を有する大きな六つの国家の名称である。数年単位で開催される『|世界樹祭《ユグドラシルダンス】』の優勝者の殆どがこの六つの国家に所属する聖霊使いが占めている。

6つの国家それぞれ1つ1つの国ごとに、其々崇拝している【六柱の聖霊王】が異なっている。


『ヴェルティナ帝国』は、その国の名の由来である“火の聖霊王=フレイヤード・ヴェストレア”を崇拝している。

『カナン帝国』は“水の聖霊王=シースレイ・カナディード”を崇拝している。

『ランスター王国』は“地の聖霊王=ペンドラード・マザーガイア”を崇拝している。

竜顕(りゅうけん)王国』は“風の聖霊王=シルフィーユ・ドラグティ”を崇拝している。

そして人間界最大の国家である『聖ルドルフ王国』は “聖の聖霊王=ルーシェル・ラインゴッド”を崇拝している。聖ルドルフ王国は“聖の聖霊王”を崇拝しており、特に“闇”という概念を忌諱しており“闇の聖霊王”を崇拝しているロプト教国とは犬猿の仲である。

ロプト教国は先に挙げた通り“闇の聖霊王=アスタロト・ゼフィランサス”を崇拝している。


かつて現れた『魔王=ゼフィランサス』は“闇の聖霊王”の力を有した存在であった。

そして『魔王(ゼフィランサス)』がかつて世界樹祭(ユグドラシルダンス)に参加した際に関わりを持っていたとされているのがロプト教国と言われている。


そんなロプト教国にある『教国の教えを導く学院』、略して【教導院】と呼ばれる聖霊使いを育成する場所。

そこにある深く暗い空間がありそこに全身黒ずくめのローブを纏った白い仮面を着けた人物がいた。

その人物こそ数日前に起きたヴェストレア学院での事件の際に現れた人物だった。


その者は無機質な声で何かに向かって話し掛けていた。その声は仮面越しに変質されているのか男なのか、女なのかは判らない。


「そうか…協力感謝するぞ……そうか、解った。またの機会にな……ん?……あぁ、お前か」


深い闇の中で、仮面で顔を隠している黒衣の聖霊使いは、自分の近くの闇から現れた存在に嫌悪感を漂わせながら視線を向け声にする。


『あら、もういいのですか?…フフ、その様子では結果は上々だったようねぇ~』


黒衣の聖霊使いの傍に現れたのは、紺色の髪が膝くらいまですらっと伸びており、妖艶な赤い瞳をしている。そして髪と同じ色のドレスを身に纏っていた。その少女の外見をしているが頭部には巻き角が付いており、その背には紺色の翼が生えていた。但し右翼は鳥の様な翼だが、左翼は骨組みの様な翼であった。そしてその少女の左腕には異様な聖魂ルナと刻印が刻まれていた。その姿から唯の人間ではない。

そう、彼女は聖霊であり、人の姿である事から高位の聖霊である事が判る。


そんな闇聖霊に対して、黒衣の聖霊使いは嫌悪の眼差しで対した。


「ふん、気安いぞ、闇聖霊。聖霊風情が私に話し掛けるな……」

『フフ、嫌われたものね。まぁ、あなたは聖霊が嫌いですものね。でも…』


黒衣の聖霊使いの言葉には、聖霊に対して怒り、憤怒の感情が混じっていた。


「ふん。解っている。気に入らんが、私の目的を達成させる為には貴様の力がいるからな」

『それは、それは。…それで?』

「あぁ。問題なく例の少年はその手にした。運命に導かれる聖剣をな」

『フフ、そうですか…あぁ~早く会ってみたいですわねぇ~今回の――にねぇ』


異形の闇聖霊の少女は、そのまだ見ぬ少年を思い描いていた。その表情はまるで長い間大切な者の疎遠になっていて運命の再会を果した乙女の表情をしていた。

黒衣の聖霊使いは、そんな闇聖霊を胡散臭そうに見つめていた。


「…何かするつもりか?」

『…ん?えぇ、時はまだだし、少し遊んでくるわ』

「…そうか、遊び過ぎて壊すなよ。彼は私の計画に必要な存在なのだからな」

『解ってるわぁ。それくらいはね』


本当に分かってるのか?と疑問に思うも特に興味もなくなったので、探しているあれについて聞いた。


「それはそうと、【魔王の佩刀】の居所は判ったのか?」

『……まだよ…』


《魔王の佩刀》について聞くと闇聖霊の少女は明らかに不機嫌な様子になった。


「そうか、こちらも仕上げがあるからな…そちらも任せるぞ」

『えぇ…解ってるわ』


『「来るべき時に、共犯者よ」』


そうして黒衣の聖霊使いは闇聖霊と別れると闇の中に消えて行った。

己が宿願の為に…


『さあ~逢いに行くわよ~愛しいアナタ~』


残された闇聖霊ルシファーは愉快で豊艶な笑みを浮かべながら現れた時のように闇の中に消えていった……



~~~~~~~~~~~~~~~~~


???Side


とある鉱山胴にて闇の聖魂(ルナ)を纏った鎧が闊歩していた。

その闇の鎧は何かを求める様に徘徊していた。


【Aruaaaaaaaaaaaaaaaaa!!】


絶叫を上げる闇の鎧は「見つけた!」と言わんばかりに、ヴェルティナ帝国へ向かって行く。


~~~~~~~~~~~~~~~


ここに2つの奇異な闇の聖霊が、この世界で唯一の男の聖霊使いである銀髪の少年に向かって行った。

その先に待ち受ける運命に従って。


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