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闘技場

 【キュートルクス】を出た智代理たちは、今日の領土戦争が行われる前に腕慣らしをしようと、ギルドエリアに健在するある施設に赴いていた。

 いつもより人が多いギルドエリアを進んだ先にあるのは、赤く尖った屋根が特徴的な外観を持つ巨大な施設、闘技場だ。会場外には、大勢の人だかりができている。

「やっぱり、人がいっぱいいるね!」

 心なしかセーヴのテンションが若干高い気がする。よく見れば他のメンバーも、闘技場前に設置された巨大スクリーンに目を奪われていた。

 闘技場前の巨大スクリーンに映るのは、互いに武器を構えた二人の男性プレイヤーだ。それぞれ装備を見るに、太刀を使用する【ムラサメ】と、大剣を携えた【ブレイダー】だと推測できる。互いのプレイヤーネームは画面上部の左右にそれぞれ表示されていて、【ムラサメ】側のプレイヤーネームはシュヴァルツ、【ブレイダー】側のプレイヤーネームはキリアスと表示されている。

 スクリーンに表示されている文字を見るに、今行われている戦闘は、どちらかのHPバーが削りきれるかどちらかの武器が使用不能にになるまで戦い続ける、決闘(デュエル)ルールで行われているようだ。

 どうやら会場には実況担当の者が居るらしく、スクリーン越しに実況の甲高(かんだか)い声が響いてくる。

「おおっとぉー! ここでシュヴァルツ選手、太刀による風圧で砂塵を生み出したぁ!」

 【ムラサメ】のシュヴァルツは、手に持った薄紫に光る妖しげな太刀をひと振りし、砂の竜巻を作り上げた。

「あれは、《砂竜(さりゅう)》ね。本来は敵の目を誤魔化すものだけど……へえ」

 同じく【ムラサメ】を取っているアスカが解説するが、途中で言葉が途絶えた。その理由は、シュヴァルツが《砂竜(さりゅう)》を使った次に起こった現象にある。

「シュヴァルツ選手、《砂竜(さりゅう)》による目晦(めくら)ましでキリアス選手を近づけさせない……おっと、何だあれは!?」

 見ると、シュヴァルツが生み出した砂塵は、みるみるうちに炎を纏っていっている。その様子はさながら燃え盛る巨大な火の壁と言え、キリアスの眼前に立ち塞がる。

「《業炎(ごうえん)》。太刀に燃え盛る炎を纏わせて、それを振る動作によって遠方に飛ばす【ムラサメ】特有の遠距離スキルね。あたしの使った《斬魔叫》と同系統だけど、あんな使い方をするなんて面白いわね、あのシュヴァルツとかいうプレイヤー」

 アスカは同じ【ムラサメ】同士ということもあって、シュヴァルツの取った行動に強く関心を示した。

 《業炎》によって巨大な火の壁と化した竜巻は、キリアスの行く手を塞ぎ続ける。下手にあの中に突入でもすれば、ひとたまりも無い。かといってこのまま停滞すれば、シュヴァルツの思うツボだろう。

「さて、シュヴァルツ選手の《砂竜(さりゅう)》そして《業炎(ごうえん)》という二つのスキルを組み合わせて作られたこの巨大な火の壁をどう超えるのか!?」

 そんな実況の煽り文句に対して、キリアスは、ふっと笑みを浮かべた。スクリーン越しからでもわかる、獰猛(どうもう)な笑みだ。

 キリアスは、手に持った蒼い大剣を低く構えた。【ブレイダー】は防御力が高く基本的に前衛職で、槍を除いたほぼ全ての武器を扱える。そんな中で彼が大剣を選ぶのにはなにか理由があるということだ。

「キリアス選手、自前の剣を構え、どう出るのか……!?」

 刹那に流れる沈黙の刻。

「……キリアス選手、火の壁に向かって走り出したぁ!」

 その沈黙を打ち破り、キリアスは勢いよく眼前の火の壁に向かって走り出した。そして、走るさなかのキリアスの体が、淡く光り始める。

「あれは……《ソード・コンプレイション》か。剣を細くすることで密度を高めて、一撃の重さを極限まで高めるスキルだ。【ウォーリア】の獲得スキルの中に出てきたこともあったんだが、俺は攻撃力に困ってなかったから取らなかったな」

 シュンの言うとおり、キリアスの持つ大剣が一気にその剣身を細めた。それはもう、細剣と呼ぶのに相応しい細さとなった。

 だが、キリアスの動きはまだ終わらない。《ソード・コンプレイション》を唱え終えたキリアスは、さらに続けてスキルを使用する。

「あ! 《フェザー・ウェイト》だ!」

 キリアスは、【ヴァルキリー】である智代理の初期スキルでもあった《フェザー・ウェイト》を使用した。どうやら【ブレイダー】も、あのスキルを使えるクラスらしい。

「《フェザー・ウェイト》……こんなところで使う意味ってあるのかなぁ」

 カエデがスクリーンを見ながら言った。確かに、《フェザー・ウェイト》は対象者の重量を大幅に軽減するもので、基本的には速度上昇くらいにしか使われない。

「皆さん、あの剣……!」

 ユカリが、何かに気づいたようにスクリーンを指差し声を上げた。それに釣られてスクリーンの中央部、ちょうどキリアスが持つ剣の柄あたりを見やる。

「あの文様……もしかして、『氷封剣(ひょうふうけん)ヒュプノ』……!?」

 スクリーン内のキリアスは火の壁に最も近づいた瞬間、右から左へ水平に細剣となった剣を振り抜いた。

 すると、その振り抜かれた位置から、燃え盛る火が(ことごと)く閉ざされるように凍りつき始めた。ピシピシと音を立てて、徐々に火を氷が侵食していく。

「おおっとぉー!? キリアス選手が無造作に振り抜いたと思われた場所から、凍りつき始めたぞぉ!?」

 実況も突然起きたことに驚愕の声を上げた。その間にも氷は火を侵食し続け、瞬く間に火の壁は氷の壁へと変貌した。

「一体何が起きたんだぁー!?」

 実況がやや大袈裟に声を上げると、今まで見入っていた観客席から会場を揺るがすほどの大量の野太い声が響き渡ってきた。

「やっぱりあの剣、『氷封剣(ひょうふうけん)ヒュプノ』ですよ! すごいなぁ」

 ユカリははしゃぐようにしてスクリーンに見入る。

「『氷封剣(ひょうふうけん)ヒュプノ』って?」

 聞き慣れない言葉に、智代理はユカリに問いかける。

「最近、また新しいダンジョンが開拓されたらしくて。そのダンジョンに出てくるボスが氷を使うんですけど、それのドロップアイテムなんです。斬ったものを氷漬けにしていく、とてつもない代物なんですよ! あのダンジョン、突破した人がいるなんて……」

 ユカリの説明を聞く限りでは、そのダンジョンは相当難易度の高いダンジョンなのだろう。いつぞや出会った、ヴレアとかいう男性プレイヤーもこの類の武器を持っていた。

「あのシュヴァルツって言うプレイヤーといい、あのキリアスって言うプレイヤーといい、やっぱりこのゲームには強者がわんさかいるね」

 セーヴが、やはり少し興奮した様子で言う。彼は案外、熱血系なのかもしれない、と智代理は密かに思った。

 しかしまだ戦闘は終わっていない。実況の声に、再び視線をスクリーンに引き戻される。

「シュヴァルツ選手、《砂竜(さりゅう)》と《業炎(ごうえん)》という二つのスキルを組み合わせた渾身の一手が防がれてしまった今、果たしてどう出るのか!?」

 実況がそう言った次の瞬間、シュヴァルツ、キリアスの両プレイヤーは、自分の得物を握り締めて、互いに走り出した。

 そして二人の体同士がぶつかる直前、互いに同タイミングで太刀と大剣を振りあった。ガキン! という強烈な金属音が場内、及びスクリーン越しに外にまで響き渡り、金属同士が擦れあう。

 太刀と大剣の衝突。それはまさに、柔と剛のぶつかり合いだ。互いが互いの力を消しあって、つばぜり合い状態となる。

「す、すごい……。さっきまでスキルの重ね合い同士の対決だったのに、今は素の力同士のぶつかり合い……」

 斬っては弾き、斬っては弾きを繰り返す二人。互いが互いの力を認め合うかのように、じりじりと隙を伺っているようだ。

 そして――

「ああっと!?」

 実況の声に、スクリーン内を凝視する。すると、【ムラサメ】のシュヴァルツの太刀が、少しづつではあるが凍りつき始めていた。氷は無常にも、着々とシュヴァルツの太刀を侵食する。

 シュヴァルツの太刀を侵食する氷は、既にその半分を侵食している。このままでは、氷漬けにされた太刀はキリアス側の些細なスキルで粉々にされてしまうか、されないとしてもこれではまともなダメージが望めない。

「これは……終わったかもね」

 同じ【ムラサメ】のアスカが言う。そんな彼女が言うのだから、この状況はよほど絶望的なのだろう。

 だが、それを裏切るかのように、シュヴァルツに動きがあった。

「おっと、シュヴァルツ選手。ここでスキルの詠唱を初めているぞ? 氷漬けにされた武器ではスキルなど意味のないもののはずだが……」

 見ると確かにシュヴァルツの体が淡い黄色で光り、スキルを詠唱していることがわかる。

 すると実況の声を遮るようにして、キリアスが突如シュヴァルツに向かって走り出した。その表情は苦虫を噛み潰したような表情で、有利なはずのキリアスがなぜか焦っている。

 走りながら剣を構えたキリアスは青く輝くスキルの光を残しながら、下から上に切り上げるように、シュヴァルツの持つ氷漬けになっている太刀目掛けて振り上げた。

 しかし――

「あっ!」

 スクリーン内のシュヴァルツの持つ太刀。それは確かに今も氷漬けだ。それは事実だが、変化したのはそこではない。

「太刀が……二本……!?」

 シュヴァルツのもう片方の手には、白い柄と刀身を持つ美しい刀が握られていた。それが、今まさにシュヴァルツの太刀を弾き飛ばそうとしたキリアスの大剣の一撃を上から止めている。

「おおっとぉー!? 得物が氷漬けにされて絶望的な状況だったシュヴァルツ選手の手に、新たな太刀が出現したぞぉ!」

 シュヴァルツの持つ純白の太刀は、びくともせずにキリアスの大剣を押さえ込んでいる。このままでは身動きがとれないと判断したのか、キリアスは攻撃の手を止め距離をとった。

「この戦い、すごい! あっという間に振り出しに戻った……!」

 カエデがやや興奮気味に身を乗り出して言った。確かに、キリアスがシュヴァルツの太刀を凍らせたときはキリアスの勝ちだと誰もが思っていたのに、今ではシュヴァルツの手に新たな太刀が出現し、試合は振り出しだ。

「いえ、振り出しじゃないわ」

 アスカがスクリーンを見ながら、そう言う。すると、すぐに変化はあった。

 シュヴァルツが新たに持ち出した純白の太刀を振り上げた。そして何を思ったか、その太刀を、氷漬けになった太刀目掛けて振り下ろした。

「えっ、そんなことしたら……」

 智代理の予想のように、氷とともに粉々になってしまう……はずだった。

「こ、これはどういうことだぁー!?」

 実況の声が裏返らんばかりに張り上げられる。対し会場内の観客たちは今目の前で起きている現象に目を奪われ、沈黙している。

「こ、これじゃあ……」

 スクリーン内で起こった出来事。シュヴァルツは確かに自身の氷漬けになった太刀に、新たに出現させた太刀を振り下ろした。

 だが、その一撃で氷漬けの太刀が砕けることはなかった。むしろ……

「シュヴァルツ選手の氷漬けになった太刀が、ほんの瞬きの間に元通りになっているー!?」

 そう。シュヴァルツの太刀は今や、その身を氷から完全に脱しているのだ。妖しく輝く紫の太刀が、再び露わになった。

「これでは完全にキリアス選手の不利だぁ! シュヴァルツ選手、一気に有利になったぞぉ!」

 逆転した形成。これを覆すのは、いくらキリアスが上位のプレイヤーであろうとも容易いことではないだろう。

「シュヴァルツ選手、走り出したぁ!」

 今や二刀流となったシュヴァルツが走り出す。キリアスはそれを真っ向から受け止めるしかない。片方の太刀は『氷封剣ヒュプノ』で完全に封殺できるだろうが、同時に別方向からの一撃が飛んでくることは必至。

 キリアスも少し遅れて走り出し、シュヴァルツが振り出した純白の太刀を、『氷封剣ヒュプノ』で受け止める。純白の太刀はピシピシと音を立てて徐々に凍りついていくが、キリアスの顔は歪んだままだ。

 シュヴァルツはもう片方の手を振り上げ、渾身の一撃を放つ。既に発動していた近距離スキルを使用し、キリアスの首筋を狙った一撃が決まる。

「き、決まったぁー! 熱い接戦を制したのは、シュヴァルツ選手だぁぁーー!!」

 実況が今日一の声を張り上げて叫んだ。それと同時に、会場も熱狂の渦に飲み込まれた。




「ア、アスカちゃん、どこ行くの!?」

 試合終了後の興奮冷めやらぬまま、突如アスカが闘技場内部に向かって走り出した。その姿はみるみるうちに人だかりの中に消え、見えなくなってしまった。

「もう!」

 智代理はアスカの後を追うようにして走り出す。苦手な人ごみの中を掻き分けながら闘技場の入口を目指すと、入口前にアスカの姿はあった。

「アスカちゃ……」

 声を掛けようとした智代理は、アスカの近くにいる人物を見て言葉を詰まらせた。

「初めまして。私、アスカって言います。さっきの戦い、拝見させていただきました。シュヴァルツさん」

 アスカの目の前にいる人物、それは、先ほどスクリーン内でキリアスと熱い接戦を繰り広げていたシュヴァルツだった。

 近くで見る彼は、意外と背が高く飄々としており、やや垂れた目が見上げる形となったアスカを見下ろす。

「なんだ? お前」

 アスカに声をかけられたシュヴァルツはあからさまに怪訝な顔をしてみせる。まるで、目の前のアスカが邪魔だとでも言うように。

 だがシュヴァルツのそんな態度に押されることはなく、アスカは力強い声で言葉を紡ぐ。

「シュヴァルツさん、あなたが先ほど使ったスキルについて、教えてください」

 それを聞いた途端、シュヴァルツは俯きクククと押し殺した笑いを上げた。

「クク……教えろ、だって? お前バカか? なんで知らねぇやつに俺のスキルを教えなくちゃいけねぇんだ?」

 シュヴァルツは顔を上げてニヤリと笑い、さらに続ける。

「それに、俺はあの戦いでこれといって変なスキルは使ってねぇよ。お前も【ムラサメ】なら見てりゃわかんだろ」

 そう言われたアスカは一瞬言葉を詰まらせるが、すぐに言い返す。

「……あなたが使った武器。あれには、特殊な制約があるはずです。使っておいて、知らないなんて言わせませんよ?」

「へぇ……」

 今まで飄々としていたシュヴァルツの目が、一瞬だけ驚愕に見開かれた気がした。シュヴァルツは言葉を紡ごうとしたが、それは、シュヴァルツの背後から掛けられた声に消される。

「おい、シュヴァルツ、何してんだよ」

 シュヴァルツを呼んだのは、一人の男性プレイヤーだった。灰色のローブを纏い、身長ほどもある黒く塗られた大きな杖を持っている。

「ん? ああ、少し変なのに絡まれてな。今行く」

「早くしろ、時間がない」

 シュヴァルツはそのまま踵を返して歩き出す。だが数歩歩いたところでこちらに振り向く。

「あんた、確かアスカって言ったか。その名前、覚えておくぜ」

 シュヴァルツは横目でアスカを見ながらそう残し、その場を去っていった。

 それを見送っていたアスカがため息混じりにこちらを振り向き、智代理の存在に気づいた。

「あら、智代理。いつから?」

「えっと、シュヴァルツさんと話し始める直前くらい……かな」

「そう。それじゃあ全部聞いていたの?」

 アスカのその問いに、智代理は頷きで返した。

「……まあいいわ。みんなのところに戻りましょう。そろそろマスタークエストコールが来る時間になったことだし」

 視界右上の時刻表示には、十八時と表示されている。

「腕試し、できなかったね」

「仕方ないわ。それにあんな戦いを目の前で中継していたら、時間そっちのけで見るしかないじゃない」

 アスカはふふ、と軽く笑う。

 ――果たして彼女は、シュヴァルツに何を問いかけていたのだろうか。そして、二人の会話の意図は、何だったのだろうか。

 そしてそんな疑問をかき消すかのように、ブレイブシティ全体にマスタークエストコールが鳴り響いた。






 神の泉前。今ここには、数々のネットゲームで名を馳せてきた強者プレイヤーのほとんどが集まっている。

 それぞれ、ギルドメンバーとの陣形の最終確認や武器の調整を行っているようだ。

「さて、とりあえず今回は、最後の乗り込みに向けてスキルの獲得を優先して動きましょう」

 いつものようにアスカが、セーヴ、シュン、カエデ、ユカリ、そして智代理に伝える。

「ベリアルドが動くのは、最後の七回目の領土戦争の時だよな?」

 シュンが確認を取るように、智代理に問いかけてくる。

「うん。そのはずだよ」

 ベリアルドは最後の領土戦争の時に、智代理たちの城への潜入を手伝ってくれるという手筈だ。手段はわからないが、今は彼を信じるしかないだろう。

「獲得するスキルは、自分の役割に適したスキルを優先して取ろう。城の中じゃどんな事が起こるかわからないから、慣れないことをするより、一人一人が力を合わせた方が安全だ」

 セーヴの言葉に、全員が頷く。それから間もなくして、虚空からグリワールの声が響いてきた。

「集まっているな、冒険者諸君。悪魔族の戦力は着実に減っている。それも、冒険者諸君の尽力あってこそだ」

 相変わらずどんな方法でこちらに語りかけているのかわからないグリワールの声が、そこで一旦区切られる。

「今回の攻めが終われば残り二回。悪魔族を根絶やしにするために、これからも頼むぞ、冒険者諸君」

 数秒の沈黙。今この場にいるプレイヤーたちは、静かに次のグリワールの言葉を待つ。

「では、出陣!」

 グリワールのその言葉を皮切りに、五度目の領土戦争の幕が上がった。

 悪魔族たちは前回、前々回よりも数段統制のとれた動きで冒険者や龍戦士族に立ち向かってきた。

 それぞれの素の力は変化していないのに、さらに戦法も以前と変わっていなのに、こちらがMPを消費した頃合を見計らって、視界の外から新たな増援が現れるようにして、こちらに攻め向かって来る。

 まるで、こちらの動きを常に監視しているかのような動きだ。

 智代理たちはそれぞれ自分のスキルの獲得に向けて、全力を注いだ。


 そして、この領土戦争と次に行われた領土戦争は無事終幕を告げ、(きた)る七度目の、最後の領土戦争が執り行われることとなる。

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