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02・その預言者は雄弁に語る

『近いうちに、世界は壊されてしまうだろうね』


目の前の少女があまりにも真剣な表情で、そんなことを言ったから、俺は思わず吹き出した。

だって笑えるだろ?

突然家に押しかけられて、世界が壊れるとか、訳のわからない戯れ言を聞かされるとは思わなかった。


「むっ。なんだね、その反応は。言っておくが、僕は真面目も真面目。大真面目なのだよ」


黒神の方は、俺の反応が気に食わなかったらしい。

むっと怒ったように頬を膨らませて、そう言った。

だが、そんな風に怒ってもただ可愛らしいだけ。

痛くも痒くもない。


「まったく……君という奴は、事の重大さがわかっていないようだね」


彼女は呆れた様子で肩をすくめた。


いや、だっていきなりそんなこと言われたって困る。

意味わかんねぇし、頭おかしいんじゃないか?


「いいかい、僕はわざわざ忠告をしにきたんだ。君と、この世界のためにね。偉大なる予言者であるこの僕が、だよ」


黒神は、俺をビシッと指差してそう言い放ったが、偉大なる予言者とか言われても、俺にはさっぱりだ。


「予言者ってなんだよ、それ」


「僕は、古より伝わる予言者の末裔なのだよ。僕の眼は、未来を見ることができるんだ」


彼女はそう言って、自分の両眼を指差して、俺の顔を覗きこむ。

確かに、彼女の瞳は、普通の日本人よりも深い闇色で。

まるで、宇宙のブラックホールみたいに吸い込まれそうな暗闇が、そこにはあった。

……って馬鹿か、俺は。

そんなはずないだろ。

気のせいだ、気のせい……。


「僕はこの眼でこの世界を行く末を見た。壊れきったこの世界をね」


「つまり、どういうことだよ」


壊れる壊れるとさっきから言っているが、一体どんな風に壊れるというのか、そこら辺が全くわからないんだが。


「それは、この世界が壊れたらわかることさ。世界が壊れてしまうことはもう変えようのない決定事項なんだから」


なに?決定事項?


「じゃあ、お前は俺に何を忠告しに来たんだっつの‼ 第一、なんで俺なんだ⁉」


そうだ。

世界が壊れるって話をするにしても、別に俺にしなくてもいいはずだ。

そういう話は、もっと非現実が大好きな野郎どもに聴かせてやればいい。

残念ながら、俺は今の現実だけで手一杯。

こいつの、訳のわからない戯れ言に付き合う必要など微塵もないはずだ。


「君は、世界が壊れてしまう際に実に重要なポジションに立たされることになる」


黒神は、俺の考えていることを見透かしたようなタイミングでそう言った。


「君は……重要人物、いや、中心人物だよ。君が全ての始まりであり、全ての終わりとなる」


「はぁ………?」


もうダメだこりゃ。

全く話についていけない。

彼女の言っていることが一ミリも理解出来ない俺は、ひょっとして自分が思っているより馬鹿なのかもしれない。

いや、それとも、この女の頭の方がおかしいだけか。


「その顔は、全く僕の話を信じていないようだね」


黒神は、俺を見て言った。


果たして今の俺がどんな顔しているのかなんてわからないが、そんなの、当たり前だろ。

俺は至ってまともな人間なんだから。


「……まぁ、いいさ。いずれ、嫌でも思い知らされる。僕の予言は絶対にはずれないからね……」


言いながら、彼女はズボンのポケットに手を突っ込んで、何やらゴソゴソと中を掻き回していた。

そして、「ああ、見つかった」というと、ポケットから白い紙切れを取り出す。

それを、俺の方に差し出した。

俺は、受け取るのを少し躊躇ったが、結局受け取ることにした。


「それは、僕の携帯番号だよ。君が困った時に使いたまえ」


紙を見ると、確かに、乱雑に数字が並んでいた。


「さぁ、僕はこれで帰らせてもらうよ。もう用事は済んだからね」


黒神は、それだけ言うと、立ち上がった。


俺は、黒神が部屋から出て行くのをぼんやりと見送った。


現れるのも突然かと思ったら、去るのもまた突然で。

まるで嵐のような女だ。


俺は、手元に残された白い紙切れに視線を落とす。


結局、あの黒神 月夜とかいう少女は、単に携帯番号を俺に教えたかっただけなんじゃないかと。

そう思えてならなかった。


文章わけわかんなくてすいません(^^;;

一人称の書き方がイマイチよくわからないっ‼


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