勇気
*愛実SIDE*
あたしが3☆sを避け始めてから、もうすぐ1ヶ月が経とうとしていた。
ある日、いつも通り学校に行くと珍しく3☆sがもう学校に来ていた。
あたしは、3☆sのことなど気にしないフリをして、席に着いた。
すると・・・
「空川さん、今日の昼休み屋上に来ていただけますか?手伝っていただきたいことがあるのですが。」
「・・・。」
あたしは、シカトした。
「必ず来てくださいね。待っていますから。」
あいつはそれだけ言った。
そのあと、力弥くんと直樹くんがあたしを見て微笑んでいた。
そして、気づけば昼休みになっていた。
あたしは、迷っていた。
屋上に行きたいという気持ちはあるけど、谷口さんのことがあるから・・・。
「愛、行って来なよ!あんな女のことなんか気にしないでさ。」
「でも・・・。」
「知ってる?愛が屋上に行かなくなってから、海都くんたち他の女子に言い寄られても、きっぱり断ってるんだよ?それに、付き合いも悪くなったらしいし。愛だっていつも悲しそうな顔してるよ。屋上に行かなくなってから。」
「だって・・・。」
「もう何にもかも忘れて屋上行って来な!”待ってる”って言われたでしょ!早く!3☆sを待たせるなんて愛しか出来ないんだから!」
「うん、行ってくる!」
「よしっ!それでこそ愛だよ!」
「琉穂、ありがと!」
琉穂は微笑んでくれた。
あたしは急いで屋上に向かった。