後始末
*海都SIDE*
谷口のことがあってから、愛実の態度がおかしいことに俺は気づいていた。
そしてある日、愛実は俺らを避けるようになった。
確実に何かがあったんだと思い、俺は聞こうとした。
でも愛実は、俺らを徹底的に避けていた。
だから、愛実が俺らを避ける理由を考えた。
思い当たる理由なんて一つしかなかった。
そう、谷口だ。
谷口が愛実に何かを吹き込んだんだ。
だから俺は、力弥と直樹と谷口に話しに行った。
「谷口さん、少しいいですか?」
「ええ、もちろん!」
俺は、力弥と直樹が待つ屋上に谷口を連れて行った。
「やっときたね。」
「あぁ。」
これは、俺ら3人が仕掛けることだった。
「で、お話ってなんですか?」
「単刀直入に聞きますね。谷口さん、空川さんに何を言ったんですか?」
「えっ。別に何も言ってませんよ。」
「嘘はいいから、谷口さん。僕たちは、真実を聞いてるんだ。愛実ちゃんが僕たちを避ける理由を。」
「そうだよ!谷口さん。本当のことを話して!愛ちゃんに何を言ったの?」
俺らがそういうと、谷口は顔色を変えた。そして、話し出した。
「目障りなのよ、あの女が。だから釘を刺しただけよ。”もう二度と屋上には行くな”って。」
「それだけじゃないはずですよ、谷口さん。」
「はー。”3☆sに関わるな。海都君に関わるな”って言っただけよ。」
「それは、海都を取られるのが嫌だったから?」
「ええ。3☆sはこの学園の王子様なのよ。それなのにあの女は一人で!そんなの許せるわけないじゃない!だから、釘を刺しただけ。それだけよ。」
「そうですか。だったら、もう二度と愛実に関わらないでくださいね。」
「わかったわよ!」
谷口はそういうと、もどっていった。