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愛実の気持ち
3☆sを避ける毎日が続いた。
でも、席が隣や前だから少し大変だった。
最初のほうは、何度も話しかけられた。
それでもあたしは、無視し続けた。
「愛、いつまでこうするつもり?海都君たちに谷口にこと話したら?」
「それは出来ないよ。このままでいいの。今までだって関わることなんてなかったんだから。」
「でも・・・」
「いいの。もういいんだよ。」
あたしは、そう自分に言い聞かせていた。
一度関わってしまったから。
その空間に慣れてしまったから。
一緒にいないことが、こんなにも辛いんだと気づいた。
あいつ、力弥くん、直樹くんのことが、好きだったんだって初めて気づいた。
失ってから気づくなんて、バカだ。
こんな気持ちになるくらいなら、最初から関わらなければ良かった。
3☆sなんて大嫌いだったんだから。
あのまま嫌いでいられたら、どんなに楽だったろう。
あの頃に戻りたいよ・・・。
3☆sに、あいつに関わる前に・・・。