嫌がらせ
あの悪魔に優しい言葉をかけられて、あたしは正直驚いた。
それと同時に、安心感を覚えていた。
それからもあたしは屋上に行き続けていた。
そしてある日、あたしはいつもよりも早くに学校に行った。
すると、教室に谷口さんたち集団がいた。
「あら、空川さんじゃない。少し話しましょうよ。」
「・・・。」
「空川さん、まだ3☆sに付きまとってるんでしょ。」
「別にあたしは!」
「怖いわよね。あんな風に助けてもらったからっていい気になってんじゃないわよ!」
あたしは、突き飛ばされた。
「今すぐ3☆sから離れなさい。もう金輪際、3☆sに関わるんじゃないわよ!」
谷口さんたちはそう言って、教室から出ていった。
そして、3☆sが教室に入ってきた。
「海都君、おはよー。」
「おはようございます。」
3☆sが教室に入ったと同時に、谷口さんがこっちを見て睨んだ。
そう、3☆sに関わるなという合図。
「空川さん、おはようございます。」
「・・・。」
あたしは、無視した。
それを見て、谷口さんは満足気に笑っていた。
そして、昼休み。
いつもなら、すぐに教室を出て行く谷口さんが、今日はまだ教室に残っていた。
きっと、あたしが屋上に行かないかを確認しているんだろう。
まだ3☆sも教室に残っていた。
だからあたしはわざと3☆sにも聞こえる声で、琉穂に話しかけた。
「琉穂ー!お昼行こー!」
「えっ?あーうん、いいよ。」
琉穂は、不思議そうな顔をしていた。
それもそのはずだろう。今まであたしは、屋上に行っていたのだから。
それを聞いていたあいつは、こっちを見ていたが、あたしは知らないフリをして教室を出た。
次の日も、その次の日も。
あたしは、そうやって3☆sを避けるようになった。