悪魔の王子様?!
次の日の昼休み。
「海都君、お昼一緒に食べない?」
「すみません。約束をしていますので。」
水山海都は、チラッとあたしのほうを見て言った。
「そっか。残念。」
「愛ーお昼行こ!」
「うん!」
琉穂にそう答えたとき、水山海都に軽く睨まれた。
「あー琉穂ごめん。今日、約束あったんだ。ごめんね。」
「そっか、わかった。」
「じゃあ、またあとでね。」
「うん。」
あたしがそう答えたのを確認するかのように、水山海都はこっちを見てから、教室をでて行った。
あたしも、教室をでて、屋上に行った。
そして、屋上に行くと、3☆sがそろっていた。
「おい!おせーぞ!」
「遅いって何よ!」
「早くこっち来い!」
「あー空川さんじゃん!」
「どうも。」
「君だったんだね。海都の気に入った子って。」
「おう!こいつ、おもしれーんだもん!!」
「面白いって失礼ね!で、わざわざこんなとこにまで呼び出して何の用?」
「まぁまぁ、空川さん。そんなにカリカリしないで!俺、星沢直樹!よろしく!」
「あ、空川愛実です。」
「俺は、月岡力弥。よろしくね。」
「あっ、はい。」
「愛実ちゃん、敬語じゃなくていいよ。俺らタメなんだから。」
「そうだよー!ねっ愛ちゃん!」
「気に入られてんじゃん!愛実。」
「で、何の用?」
「俺の昼飯買って来い。っつか、お前の昼飯くれ!」
「はぁ?!あんた何言っちゃってんの?!」
「別に、そのままの意味だけど。」
「ありえないから。それにあたし、お弁当だし。」
「なら、その弁当くれ!」
「あんた、さっきから何言ってんの?ありえないから。」
「早くしろっつーの!」
「嫌よ!あたしのお昼ご飯がなくなるでしょ!」
そう言い返したときには、あたしのお弁当は水山海都に取られていた。
「ちょっと!返してよ!」
「うまい!!!」
「当たり前でしょ、どんだけ料理してると思ってんのよ!」
「お前、これ自分で作ってんの?」
「そうよ。」
「愛実、天才! ってことで、これからも頼むぞ!」
「はぁ!?」
こうして、あたしは3☆sに、
いや、あの悪魔に気に入られてしまったのだ。