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恋?
そして、あたしは毎日のように3人と一緒に過ごしていた。
あの日以来、谷口からの嫌がらせはきっぱりなくなった。
あれから2週間がたったころだった。
「ねぇ、愛実はさ、3人の中で誰が好きなの?」
「えっ?!」
突然、有香に聞かれて驚いた。
「誰って・・・!べ、別に誰も好きじゃないよ!」
「本当にー?」
「ほっ本当だよ!」
「そうかなぁー?」
「なっ何!?」
「べっつに~」
有香はそれだけ言うと、自分の席に戻って行った。
あたしが、3人の誰かを好き?
そんなわけないじゃん!!
3人は、いつだってあたしを助けてくれる大切な人。
大事な友達。それ以上でもそれ以下でもないよ!
「おい!」
「ふぇっ?」
急に呼ばれたので、つい変な声を出してしまった。
「何ふぬけな声してんだよ!」
「それは、あんたが急に呼ぶから!」
「っつか、今日の放課後あいてるか?」
「えっ?放課後?」
「うん。」
「あっ、うん。あいてるけど。」
「なら、放課後教室にいろよ。」
「あっ、うん。分かった。」
あいつはそれだけ言って、二人のもとに戻って行った。