大嫌いな王子様
あたしは空川愛実。青銀学園に通うごく普通の女子高生。
「キャー3☆sよー!!!!!」
「キャー!!!!カッコイイ!!!!」
この学園には3☆sと呼ばれる3人組がいる。
水山海都。高2
クールで大人びている。3☆sのリーダー的存在。
月岡力弥。高2
しっかり者で、頼りになる。3☆sの兄貴的存在。
星沢直樹。高2
お調子者で、天然。3☆sのムードメーカー的存在。
3☆s 3star つまり星の3人組ってわけ。
3☆sはこの学園の王子様らしい。
はっきり言って、あたしは興味ないが。
「おっはよー」
「琉穂、おはよ」
「相変わらず、3☆sは朝からすごいね。」
「どこがかっこいいのか、あたしには全然わかんないんだけど。」
「愛は、嫌いだもんね。あーゆータイプ。」
そう、あたしは3☆sが大嫌いだ。
自分はモテるとでもいうような、自分をカッコイイと思っている奴が大嫌いなんだ。
それなのに、今あたしは3☆sの3人と同じクラスなんだ・・・。
その日のホームルームで、あたしに最悪なことが起きた。
「おーい!今日は席替えするぞー。いやーずっとしようと思っていたんだが、
なかなか出来なくてなぁー。」
という担任のにしもっちゃん(西本)の一言から始まった。
「くじここにあるから、男子は坂口から、女子は浅田から引いてけよー。
引いたら、黒板に書いてある座席と同じとこに移動しろよー」
そう言われ、くじを引いてみてみると、窓際の一番後ろだった。
「愛ーどこだったー?」
「窓際の一番後ろー。」
「マジー?あたしは廊下側だよー。」
「めっちゃ遠いね・・・。」
「本当だよー。ってか、3☆sはどこなんだろうね?
みんな狙ってるし!」
「そだね?」
すると、クラスの女子がやっぱり3☆sに席を聞いていた。
「海都君たち、席どこ?」
「俺ら、3人ともみんな近くだよ!窓際の後ろ!」
「!?」
あたしは一瞬耳を疑った。
「愛!愛の隣、海都君だよ!で、その前が力弥君と直樹君!」
「ウソでしょ・・・。」
そう。最悪なことにあたしは3☆sにかこまれてしまった。
「おーい!早く席移動しろよー!」
そして、3☆sはあたしの隣、前、斜めになってしまった。
「どうもっ!これからよろしくね!空川さん♪」
最初に声をかけてきたのは、やっぱり星沢直樹だった。
「・・・どうも。」
無視をするわけにもいかず、下を向いたまま挨拶だけ交わした。
あたし、これからどうするのー(泣)