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1話
大きくて不気味な影が俺に襲いかかってきた。
ガバッ、と起きて両手を確認したところで“アレ”が夢だったと知って息を吐いた。
「気付いたの?」凛とした透き通った声が聞こえた。
「ええ、まあ……」
「あれからしばらく起きないから心配したわ」
「どのぐらいですか?」
女性は考える素振りを見せて、
「3日くらいかしら?」と俺に聞いてきた。
自分に聞かれても分からないので受け流しつつ自分が現在置かれている状況について考える。
そんな思考に没頭していたが視線を感じて見てみるとすぐ傍に女性の顔があった。
「そういえば貴方、ここでは見慣れない顔ね? どこから来たのかしら?」