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プロローグ~それは、すべての始まり~
俺は水無月京谷。突然だが、今から言うことを信じられるだろうか。――異世界に来たらしい。
ふと、背後に気配を感じたので振り向いた。
「ガルル……!」熊と狼を混ぜて大きくしたような生き物、モンスターがいた。
「あああぁあっ!?」恐怖のあまり腰が抜けてしまった。
逃げようにも逃げられない。――そうなってしまってから待っているのは死。
そして、俺に向かってゆっくりと歩きだす。
「ガアア!」大きな口を開けて俺は恐怖のあまり眼を閉じた。
「君、大丈夫か!?」凛としたソプラノボイスが聞こえ、恐る恐る眼を開けるとそこにはモンスターが倒れていた。
「ああ――」俺の意識はそこで途切れた。