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第2話 王城に連れて行かれました

逃げられなかった。


 気づけば、私は拘束されていた。


 手首に巻かれた銀の輪。

 軽いのに、力が入らない。


「……これ、なに?」


「拘束具だ」


 王子は淡々と答えた。


「お前の干渉を抑えている」


 干渉。


 その言葉だけが、妙に引っかかる。


 森を出た瞬間、景色が変わった。


 崩れた建物。

 色を失った街。


 人はいるのに、どこか現実じゃない。


 まるで。


 ――途中で止まった世界。


「ここが王都だ」


「……これが?」


「昔はな」


 城に着いたとき、違和感がはっきりした。


 壁が、歪んでいる。

 石が、溶けたように崩れている。


「お前は、ここに置く」


 案内された部屋は、静かだった。


 逃げられそうで、逃げられない。


「……私、どうなるの?」


「観察する」


「……観察?」


「お前が何者かをな」


「怖いか」


「……怖い」


 即答だった。


 少しの沈黙。


「そうか」


 それだけ言って、王子は出ていこうとした。


「待って」


 思わず、呼び止めていた。


「……一人は、嫌」


 言った瞬間、後悔した。


 でも。


「分かった」


 彼は、戻ってきた。


「今日は、ここにいる」


「監視だ」


 そう言って、壁にもたれる。


 なのに。


 なぜか、少しだけ。


 安心した。

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