表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ひだまり亭の、急がない時間 ~異世界に来たけど、特に目的もなく生きてます~  作者: 九条 綾乃


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/16

第15話 数が合っている

 朝の仕込みは、いつも通りだった。


 ミリアは野菜を切り、

 ユウトはスープを温める。


「今日は三人分ですね」


「そうだね」


 それで進む。


 開店してすぐ、客が来た。


 一人。

 次に、もう一人。


 昼前に、もう一人。


 ミリアは、無意識に数える。


「……三人ですね」


「うん」


 スープをよそう。

 器を並べる。


 どれも足りている。


 昼の終わり頃、ガルドが来た。


「混んでるな」


「今日は、そうでも」


「いや、なんとなく」


 ガルドは首をかしげながら座る。


 追加で火を入れる。

 量は、足りる。


 午後。


 片付けながら、ミリアが言う。


「今日、多かったですよね」


「そう?」


「はい。なんか」


「でも、全部合ってる」


 器の数。

 椅子の数。

 残ったスープの量。


 どれも、合っている。


 夕方、猫が現れる。


 丸くなって、寝る。


「今日は静かでしたね」


「そうだね」


 静かで、足りていて、

 何も余らなかった。


 なのに。


 閉店後、ミリアは棚を見て、

 一瞬だけ立ち止まる。


「……最初から、こうでしたっけ」


「何が?」


「いえ」


 灯りを落とす。


 数は、合っている。


 それ以上、確かめる理由はなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ