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*プロローグ 

「……それって、恋愛対象ってことでの、好き?」


 確かめるように慎重に、渋川は言葉を選びながら訊ねてくる。それまで人懐っこい木漏れ日のように眩しい笑みを浮かべていたのに、スッと覚めるように真顔になっていく。


 ――ああ、僕は、自分で自分の首を絞めるような馬鹿をしてしまった。


 この、奇妙な病気のせいで青い髪と瞳、という奇抜な姿であっても、分け隔てなく接してくれている彼からのやさしさを、何か勘違いしてしまっていたんだろうか。だから、彼は困惑しているのだろうか。

 それでなくても、僕は、彼と同じ男で、彼が僕を青色の髪や瞳に関わらず、僕を好きになってくれるかどうかなんてわからないのに。

 靴箱から出しかけたスニーカーを手にしたまま、僕らは凍り付いたように固まって、無言で見つめ合っている。

 もう明日から、僕は彼と話ができないかもしれない。折角、あの状況から救ってもらえたのに、その恩をあだで返したような形になってしまった気がしてならない。

 どうしよう……もう、すべてが終わりなんだろうか。僕の高校生活も、初めての恋も、ひっくり返してしまった水のように戻らないんだろうか。

 長い沈黙が続き、もうダメだろう、とあきらめかけた時、彼が口を開いた。僕らの関係に名前がつくかどうか、彼がこんな僕を本当に受け入れてくれるかどうか、その答えとなるだろう言葉を。



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