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エピローグ
その昔、アストリア公国の公大な海域の中に『ミデン』という孤島があった。
島は資源が豊富で街があり、1万人近くの国民が居住していた。
そんな島の片隅に孤児院を営む教会が建っていた。
そこに孤児の少年シンと少女シャロシィという仲睦まじい二人の子供がいた。
二人は本当の兄弟のように仲が良く、相思相愛で将来は有能な魔導士になって、いつか、結婚しようと約束をするほどだった。シンとシャロシィの親密な関係は、島中の殆どの人間が知っていた。
しかし、そんな二人の幸せはたった一日の悲劇で砕け散った。
ミデンに魔王軍の魔獣軍団が攻め入った。
資源を奪い、街を放火し、人を虐殺する、悪逆非道な行為を行った。
ミデンに居住していた人間達は貨物船や輸送船に乗って、島から脱出を図った。
しかし、魔王軍に見つかってしまい、大砲の砲撃に襲われた。
その時、シンはシャロシィを庇って砲弾の爆風で吹き飛ばされて、船から転覆した。
シャロシィはひどく苦しみ、涙を流して泣き崩れた。
それから8年の月日が流れたのだった。