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悪女と嘘つき魔術師  作者: ミュウ
6/15

6.話の続きとこれからの計画

「さて、話を戻そう」

「逸らしたのは……いえ、何でもないわ続けて」

 事の一端は自分にもあるか、と言いたいことを飲み込む。

「さっきも話した通り、私達が目指すべき目的地は山頂だ」

「そこからは迎えと合流し、キャシャラト大国に向かう」

 ソロンは大人しく、うんうんと頷く

「山頂迄はここからだと2日って所かしら?」

「最短で行けた場合はね」

「一応、予定では4日以内を想定しているよ」

「途中でアクシデントが起きないとも限らないからね」

「多少の余裕はある、ということね」

 ソロンなりに少し不安があったのか、何処と無く安心した様に息つく。

「心配かい?」

「経験がないもの」

「私、登山したことないの」

「あーそこなんだー」

 逃亡とか、追っ手の心配よりも登山経験の無しが心配だったらしい。

「そんなに標高は高くないから大丈夫だよハイキング気分で行こう」

「ハイキングもしたことないわ」

(そりゃ令嬢はそんなアクティブなことしないよなぁ)

「ただの散歩の延長戦だよ」

「ただ少し道が荒いだけ」

「そうなの?」

「うん、心配いらないよ」

 大丈夫、大丈夫。

 岩とか虫とか獣とか魔物とか色々あるけどソロンなら大丈夫。

 重要なところはあえて黙っているマーリン。

 それはソロンの為なのか、はたまた自分の為か、真相は闇の中否、マーリンの中といったところか。


 まとめると、キャシャラトまでの道のりは、幾つかの小さな町や村を補給をかねて経由し、マーリンが言う“迎え“との待ち合わせになっている大橋を渡った山頂までは約4日を予定している。


「山頂からキャシャラトまではどれくらいかかるのかしら?」

「一日で着くよ」

「一日? 海を渡るのでしょう?」

 どんな方法かは分からないが、たった一日で海を渡れるものなのか?

「あくまでカメリアとの正規ルートの情報でしかないのだけれど、確か船を利用したとしてももう少しキャシャラトまでは時間がかかるはずよ?」

 流石に一日は無理がある、とソロンはマーリンに問いかける。

 カメリア国から出たことのないソロンには本や貿易の資料上での知識しかない

 ただ、その資料を読み込んでいるソロンの言うことは間違ってはいない。


「確かにソロンが言うように船や陸路を要した正規ルートでは一日じゃ難しいね」

「でも本当に一日で足りるよ」

「特別な方法があるからね」

 今はまだ言えないけど大丈夫、とマーリンは余裕そうに笑う。

「……わかったわ、余計な詮索はしないでおくわ」

 どんな道、どんな方法であれ今ソロンはマーリンを頼るしかないのだから。

(……まぁ私より人生経験豊富そうだし何より父の友人だし……)

マーリンに対し、認めている部分を頭のなかに浮かべ、無理矢理不安をかき消すソロン

「で? 一日でキャシャラトについたとしてその後は?」

「休憩と翌日の準備ってところかな?」

「翌日?」

「うん、翌日の夜だからねパーティーは」

「……大分急ね」

「やっぱり無理があるかな?」

 マーリンはばつが悪そうに頬をかく


 つまりキャシャラトにつくまで5日間、休憩、準備に1日

 合計6日

 そしてパーティーは7日目の夜に行われると。


「まぁ、仕方がないわね、状況が状況な訳だし……努力するわ」

「それに、貴方が悪いわけでは無いのだから、気にやむことは無いわよ」


 時間がないなんて関係無い

 私は私の人生を取り戻す

 断罪されたまま終わるなんて自分自身が許さない。

 

「……」

張りつめたソロンの横顔をマーリンはただ、見つめていた。



閲覧ありがとうございます。

諸事情により不定期更新です。ご了承下さい。

お暇な時にでも評価、ブクマ等いただけたら嬉しく思います。

よろしくお願いします。

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