~助けた君はピアニスト~ 助けてくれた貴方は両足を失った 罪滅ぼしから始まる恋はアリですか?
暖かい日差しに包まれ、春の美しい花も咲き始めた今日この頃、私たち三百十七名. は、. . . .
新入生代表 宮原 凛音
そう言いくくり壇上から自分の椅子のところまで戻っていく彼女の姿はとても高校生になりたてには見えずキリッとして涼しげな表情はとても綺麗だと思った
入学式が終わり
自分のクラスに戻ってくると担任から連絡事項を伝えられてる、
今日はもう終わりと言うことで帰ることになった
自宅に着きスポーツウェアに替えすぐにランニングをする用意をして家を出た
今日は天気もよく、心地よい風も吹いていて颯人の好きな天気だった
何時ものコースを走って交差点の信号が赤だったため止まり青になるまで待っていたのだが前の人の後ろ姿に見覚えがあったため顔が見える位置に移動してみた
やっぱり宮原さんだ
挨拶とかする訳じゃないんだけど等と考えてると信号が青になったのでわたろうとしたその時もうスピードを出しながら蛇行している車がこちらに突っ込んできたので避けようとしたが宮原さんはヘッドホンで音楽くを聞いてるようで気づいていない
なぜか咄嗟に助けなきゃと思い突き飛ばした
そしてスローモーションの景色のなか驚いている宮原さんと突っ込んできた車を認知しながら
あぁ死んだなって思いながら目をつぶり
とてつもない衝撃を受け意識がとんだ
目がさめると真っ白の天井が見えた
「ここはどこだ?」
言ってみたかった言葉を呟いて周りを見渡した
身体中滅茶苦茶痛かったので首だけ動かしながらだが
するとベッドの横の椅子に宮原さんが座っていた
「起きたの!!
お医者さん呼んでくるわ」
と言い走ってどこかに言ってしまった
すぐに医者と思われる男性と宮原さんがまた入ってきた
医者の方が宮原さんを退席させると
「速水さん
ご自身で起きず気かもしれませんが貴方は事故に巻き込まれ両足を失くしています」
と言い出した
「そんなわけないでしょ?
ホラだって着いてますよ?」
と足の方を見る
「あれ? 無い? なんで?
じゃぁもう走れないんですか?
もう歩くことすら出来ないって言うんですか?」
「そうですね
ほぼ根本からの切断でしたから車イスになるかと思われます」
「はははは」ケラケラ
「確かに自分から助けるために身代わりになったけど こんなのって こんなのってありなの?
僕の全てを奪うの?」ポロポロ
「ご家族に起きられたことをご連絡したところすぐにくるそうです
どうか自暴自棄にだけはならないでください」
といい医者が病室からでていく
一人になった病室で涙を流す
宮原さんを助けたことに悔いはない
怪我も無さそうだったしよかったと思える
でもそれでもこれからの人生常に車イスになるのかと考えると涙が溢れてくる
一人涙を静かに流していると病室の扉が空いた
「速水くんあの時私を助けてくれてありがとう
貴方のお陰で私は全てを失わずにすんだわ
でもそのせいで貴方の両足を奪うことになってしまった
だから私の家に来てくれないかしら
貴方のこれからの人生をサポートをさせて欲しいの
こんなことごときで許されるとは思ってないのだけど」
「僕は宮原さんを助けたことに後悔はしていないし恨んだりもしていないよ」
「そう
速水くんは優しいのね
恨まれても仕方ないと思っていたわ」
「宮原さんを恨むことはないよ
飲酒運転した人のことは恨んでるけどね」
「それについてだけれどすでに捕まえてかなりの額を速水くんの家に入るようになってるわ」
「え?
宮原さんいいとこのお嬢様みたいだなと思ってたけどほんとにそうなの?」
「なにをもってそう言うのか分からないけど世間から見たらそうなのかもしれないわね
あと家に来る話はどうかしら来てくれるかしら?」
「それで宮原さんの気が済むなら
僕の両親と宮原さんの両親の両々が取れてるならいいよ」
「よかったわ
もう了承は貰ってるし
あとは速水くんの了承だけだったから」
「速いね」
「私なりの責任の取り方だから
速水くんの了承も貰えたし今日は帰らせて貰うわ
そうだ連絡先交換してくれるかしら?」
「うん
いいよ」
「ありがとう
また来るわね」
そう言って出ていってすぐに親が入ってきた
「颯人話は聞いたわよ
女の子を助けて足を失くしたんだって?」
「見ての通りだよ母さん」
「貴方自信が一番ショックだろうけど
自暴自棄になるんじゃないよ?
それに助けた女の子の名前聞いたら宮原 凛音さんって言うじゃない
どこかで聞いたことあるなと思ってたら幼稚園のときあんたがよくピアノが上手な子がいるっていつも言ってたのを思い出したのよ覚えてない?」
「あんまり覚えてないけど会ったことあったんだな僕」
「あそうそう
なんか宮原さんの家からあんたをこちらでサポートするために一緒に生活する用意が出来ているって向こうの両親が頭を下げに来て家の写真とか見せてもらってあんたも家より生活しやすそうだったから了承しちゃったわ」
「母さん相変わらずだね」
「なに?
嫌だったの?」
「イヤではないけど
なんかもうちょっとあっていいんじゃない?
家で面倒見ますとか」
「家は段差多いし狭いじゃない
写真見せて貰ったけどあんた仕様に段差とかフラットに変えてくれてるみたいだったし」
「そうなんだ
僕も特に異論はないけどね
リハビリとか色々終わったら宮原さんのところに行くよ」
「まぁ何かあったら連絡してきなさい
すぐに迎えにいってあげるから」
そう言って出ていった
あれから3ヶ月ほどたってリハビリやらなんやらを終えてやっと今日退院することになった
ちなみにほぼ毎日宮原さんは、病室に来てくれていて話の中で
僕たちが幼稚園の頃に会ったことがあるって話したら
貴方がピアノが上手だって言ってくれるのが嬉しくてずっと練習してたってカミングアウトされなんだか嬉しく思った
「やっと今日で退院か~
長かったな~
宮原さんが病院の正面で待っててくれって言ってたけど」
少し待ってると黒のワゴン車が入ってきて僕の前で止まった
「速水くんお待たせしました」
そう言いながら車から降りてきた宮原さんがテキパキと準備をして車の後ろに僕の車イスを押していき車に乗せてくれた
「宮原さん
なんか手慣れてない?」
「速水くんと一緒に生活するんです
色々練習してきましたから安心してください」
「ピアノの練習とかあるのだろうに
ありがとう」
「速水くんと生活するためですから
全然大丈夫です」
そう言いって笑う宮原さんは今日は綺麗じゃなく可愛いなと思ってしまった
そんなこんなで車に乗せて貰って家まで向かう
「家はどんな感じなの?」
「マンションの最上階を借りてるわ
防音室完備で段差もほとんどなかったからここにしたわ
速水くんと私とで二人暮らしよ」
「二人暮らし?
そんなの聞いてないよ
よく許可が出たね」
「ええ
強引に許可を取ったわ
そっちの方が速水くんが生活しやすそうだと思ったから」
「そうなんだ」
会話しているとマンションに着き
車から下ろしてもらい車イスを押してマンションに入っていく
「かなり広いね
大丈夫なの?
家賃とか」
「大丈夫よ
演奏する動画を上げていたら収益化できるようになったの
その範囲内で払えるわ
速水くんは気にしなくていいの」
「甘えさせて貰うよ
でも僕の出来ることがあったら言って?
頑張ってやるから」
「その時はお願いするわね
でも今は車イスで生活することが先よ」
明日からは学校にも復帰するので今日はもうお風呂に入って寝ることにした
お風呂も僕一人で入れるようになっていたのでなんとか入ることが出来た
寝室はなぜかキングサイズのベッドが一つだけだったので理由を聞いたら何かあったときすぐに助けられるようにらしい
考えたら負けだと思い緊張しながらだったが寝ることにした
朝になりまだ起きるのも着替えるのも少し時間がかかるので手伝ってもらい
学校でも宮原さんに手伝って貰いながらだがなんとか生活できている
周りもいい人ばかりでとても助かった
学校が終われば家に帰り宮原さんが練習をしているピアノを聴きながら筋トレをする生活を一年ほど続けて
二年生になった
そのタイミングで宮原さんの両親が様子を見に来ると言う話しになり
急な話しなため朝からてんやわんやしていたがなんとか間に合った
ピンポーン
「はーい」
どうやら来たようだ
「お邪魔するよ
凛音の母と父です
直接伺うのが遅くなって申し訳ありません
娘から色々話しは聞いていたのですが
あの時は娘を助けてくれてありがとう
そして君の両足を未来を奪うことになって申し訳ない
これからも必要なものなどあったらいつでも言って欲しい支援は惜しまないので頼って欲しい」
「もう気にしていませんから大丈夫です
それに両足がなくても周りのお陰て生きていけてますし凛音さんにもいつも手伝って貰ってしまっているので
逆に申し訳ないくらいです」
「君は優しいのだな
これなら凛音のことをまかせても問題ないな
凛音少し席をはずしてくれるか?」
「分かったわ」
「唐突で申し訳ないが君は凛音のことをどう思っているのかね?」
「とても綺麗な方だとおまっていますよ
僕なんかに縛り付けておいていい人じゃないと
思っているのでそのうち一人で生きていきます」
「そう思っているのだね
凛音入ってきなさい」
「どうだった?」
「凛音の邪魔にならないように近いうちに一人で生きていけるようにするのだそうだよ?」
「え?
私全然迷惑じゃなわよ
速水くんでていくの?」
「そのつもりでいたよ
言うタイミングなかったんだけど
そろそろ罪滅ぼしも良いでしょ?」
「そう思ってたんだ
最初はそうだったけど今は違うわ
私は、今は貴方が好きだから一緒にいたいのよ」
急にそう言い出した宮原さんが顔を真っ赤にしていた
「速水くん?
凛音はそう言っているけどどうかしら?
この子と一緒に居てくれないかしら」
宮原さんのお母さんからもそう言われた
「僕には両足がないんだよ?
稼ぐ能力だってないかもしれない
迷惑しかかけないかもよ?」
「それでもいいわ
私が貴方と居たいの
お金だって私が稼ぐし
最近はなんでも自分でやるせいで少し物足りないくらいだもの
ただ貴方は私の隣に居てくれればいいの」
「ありがとう
僕もこの一年一緒に生活するなかで一緒に居たいと思ってた
ただ僕が負担になるようなら離れるつもりでいたんだ」
「よかったわ
すれ違う前のタイミングで話すことが出来て
これからもよろしくお願いするわね?」
「うん
僕もこれからもよろしくね?」
「話しもまとまったようだし
今日はよい日だな?
なぁ母さん」
「ほんとねぇ~
凛音? 速水くんを大切にするのよ?」
「当たり前よ」
そう言う凛音さんは
今までのなかで一番綺麗な笑顔だった
「じゃあ
速水くんなにか困ったことがあったら
連絡をくれよ?」
そう言って家を凛音さんの両親が出ていった
「少し遅くなっちゃったけど夜ごはん作ろうかしらなにかリクエストあるかしら颯人くん」テレ
「じゃあハンバーグで凛音さん」テレ
「良いわね
名前で呼ばれるのわ」
そう言う凛音さんの横顔は真っ赤になっていたが僕も変わらないくらい真っ赤な気がする
だって顔が暑いから
完