閑話 お兄ちゃんとあたし
お休みが終わったのでまた更新を進めていきたいと思います。
今日中にもう一話上げます。
よろしくお願いします。
あたしの名前はノンノといいます。
今年で九才です。
好きな食べ物はからあげです。
シラユリちゃんが作るからあげが一番大好きです。
でも、お兄ちゃんのからあげは真っ黒なのでちょっと苦手です。
将来の夢はお兄ちゃんのお嫁さんになることです。
お兄ちゃんはお家の事が全然できません。
でも、頑張ってはたらいてくれてます。
家に帰ってくるといつもおみやげを買ってきてくれます。
そして優しく頭をなでなでしてくれます。
そんな、お兄ちゃんが大好きです。
「おはよう」
お兄ちゃんはあたしが起きるよりもずっと早く起きます。
いつものようにデバミ茶を飲んでいます。
前にこっそり飲んだけどおいしくなかった。
「おはよう」
あたしもお兄ちゃんに朝の挨拶をします。
するとすぐにご飯が運ばれてきました。
「ほら寝癖がついてるよ」
シラユリちゃんがなでなでしながら髪を直してくれました。
今日の朝ご飯はオムレツです。
私の大好物です。
「おいしい」
スピレイがみんなそろってないのにもう食べてます。
みんな一緒じゃないとだめだよって言ってるのにいつも先に食べてしまいます。
本当にダメダメです。
「「「いただきます」」」
シラユリちゃんがテーブルに来て朝ご飯が始まります。
あたしはスプーンでオムレツを食べるのにお兄ちゃんとシラユリちゃんはふたつの棒ではさんで食べます。
二人以外でこんな食べ方をしてる人はいません。
「今日もオムレツおいしい」
「ありがとう」
あたしがおいしいって言うとシラユリちゃんはとてもうれしそうに笑います。
それを見てるとあたしもうれしくなります。
「なら、俺のも食べていいぞ」
お兄ちゃんはそう言って半分分けてくれます。
でも、こらからお仕事なのに食べなきゃダメダメです。
「お兄ちゃん、あーん」
あたしはスプーンでオムレツをのっけてお兄ちゃんに食べさせます。
「あーん」
お兄ちゃんは口を開けて食べてくれました。
まんぞくです。
「そういえば、ノンノちゃんいいの?」
シラユリちゃんがそう言います。
なんだっけ?
………
……
… あ!
「お兄ちゃん、学校でお父さんがどんな仕事をしてるか見てきましょうって、宿題が出たの。お父さんはいないから、かわりにお兄ちゃんの見に行ってもいい?」
そう言うとお兄ちゃんは「もちろん」と言ってくれました。
でも、すこし悲しそうです。
「だじょうぶ?」
「大丈夫だよ」
いつものようにお兄ちゃんは笑ってくれました。
とっても嬉しいです。
「おかわり」
スピレイがもう食べ終わってシラユリちゃんにお皿を前に出しました。
シラユリちゃんはため息をついて作りに行きます。
「食べすぎは体に良くないんだよ、スピレイ」
「私、成長期」
「大きくなってない」
スピレイちゃんは昔から小っちゃくて、今は私の方が少し大きいです。
「スピレイ、大きい」
「あたしの方が大きいよ!」
「比べる」
スピレイちゃんと背中を合わせて比べっこします。
やっぱり私の方が多き「スピレイ、勝ち」
「え!? そんなことないもん!」
「髪の分、大きい」
スピレイちゃんは頭の上から髪がピョコンと立ってます。
それは大きさに入らないもん。
「あたしの勝ちだもん」
「いえ、スピ「はい、おかわり」
シラユリちゃんがおかわりのオムレツを持ってくるとスピレイちゃんは静かになってご飯を食べます。
でも、納得してないもん。
「ほら、ノンノ。俺の職場に来るんだろ?」
「そうだった」
もう、お兄ちゃんはご飯を食べ終えてました。
あたしもいそがないと!
「慌てなくてもいいから」
「だじょぶだもん」
「そうか」
ごはんを食べ終わって、流しまでお皿を持っていきます。
スピレイは食べてそのままどっかにいちゃうので、あたしが一緒に持って行ってあげます。
本当にダメダメです。
お兄ちゃんは教会でお仕事をします。
たまに森に行きますが、だいたいここでお仕事をするみたいです。
草をすりつぶしてドロドロをビンに入れます。
「なにしてるの?」
「調合と言って、お薬を作ってるんだよ」
「オクスリ?」
「この前、ノンノがお腹痛いってなった時に飲んだだろ? あれがお薬だ」
ちょっと前にスピレイが食べてた木の実を食べたらお腹が痛くなって、苦い何かを飲んだことがありました。
とってもまずくて吐き出したくなりましたが、我慢して飲むとお兄ちゃんが頭をナデナデしてくれました。
その後すぐに痛くなくなりました。
「それは、何のお薬?」
「咳を止めるお薬だよ」
「そうなんだ」
お兄ちゃんはいくつかお薬を作ると教会の掃除を始めます。
すると、トントくんのおばあちゃんが教会に来ました。
「あら、今日はノンノちゃんがいるねえ。いつもトントと遊んでくれてありがとね」
「こん、にちわ」
あたしはおばあちゃんとあまり話したことが無くって、恥ずかしくって、お兄ちゃんの後ろに隠れてしまいました。
本当はちゃんと頭を下げてあいさつしないといけないのに。
あたしは今日もダメダメでした。
「すみません」
「いいんだよ。人見知りする子供なんて今まで何人も見たしね」
「そうですか」
「でも、あんたみたいに子供らしくない子供はあんまり見ないけどね」
「ハハハ」
お兄ちゃんはおばあちゃんとお話してる途中で目をそらして笑ってました。
お兄ちゃんもダメダメです。
「いつものお薬です」
「助かるよ。どうも最近膝の痛みが治まらなくてね」
「だからって、飲み過ぎはいけないですよ。一日二回一錠ずつですからね」
「分かってるよ」
そう言ってトントのおばあちゃんはお薬をもって教会を出て行ってしまいました。
その後も、隣の家のおばちゃんや鍛冶屋のおじちゃんが薬を取りに来ました。
そして、あっという間にお昼になってました。
お兄ちゃんは大忙しです。
バン!
「ルヴァンさん! 助けてくれ」
教会に入ってきたのは大きな男の人でした。
背中に小さな男の人もいます。
「どうしましたか?」
「いつもの魔物の間引きをしに行ったらオーガが出やがって。逃げはしたんだが、こいつが足をやられちまって」
ひっ!
血がいっぱい。
「ノンノは裏にいなさい」
「お願い、見せて」
お兄ちゃんの仕事をちゃんと見ないと。
でも、体が震えて。
「分かった」
そう言ってお兄ちゃんはあたしの手を握ってくれました。
そして、もう片方の手をけがをした男の人の前に出します。
〈ヒール〉
お兄ちゃんがそう言うと、男の人は光に包まれてケガが無くなってました。
「体はもう大丈夫ですが、血をかなり失ってます。造血作用のある薬を出しますので、二、三日は安静にしてください」
「すまない。助かった」
そう言って大きな男の人はお兄ちゃんに頭を下げると教会を出ていきました。
やっぱりお兄ちゃんはスゴイ!
思わずお兄ちゃんに抱き着いてしまいました。
「どうした?」
「お兄ちゃん、スゴイ」
「ありがとう」
お兄ちゃん大好き。
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