第二十三話 せっかく異世界なんだから命を大切にしてもらいたい。
こんにちわ!
ククカです!
一日休みをもらって元気になりました!
これからも頑張るのでブックマークと評価をお願いします!
俺のスキルが発動すると切られた身体は元に戻り、息を吹き返したのだった。
その人は全身に傷があり、血まみれだったので全様が分からなかったが、〈介護〉のスキルでその人が年老いた男性だという事が分かった。
だが、まだ目覚めそうではない。
一様確認しておこう。
「カーシャさん、その人が」
「ええ、私の師匠よ」
「そうですか」
しかし、体は小さく手足は細い。
とても武術の達人とは思えない体格だった。
その上、背まで丸まってしまっている。
本来、年を取れば多かれ少なかれ筋固縮が怒り背が曲がってしまうことがある。
でも、運動を定期的に行うお年寄りは人によって差はあるがそう言った症状が出にくいものだ。
「失礼を承知で聞きます。本当にこの人から武術を?」
「そうよ。ここ一年ほど体の調子が悪いって便りで聞いてたけど、ここまで体が衰えてるなんて」
「何か持病は?」
「ジビョウ?」
そういえば、医療があまり発達してないんでした。
そうなると、病気という概念は会っても治療や完治といった考え方がないことがあると聞いたことがある。
セシアさん曰く体調の不良があった時は教会に出向き祈りを捧げ、聖水を振りかけてもらうと聞いたことがある。
「前から何か体調不良の訴えとかありませんでしたか?」
「わ、わからない。でも、こんな師匠を誰が」
そうだな、どんな理由があってこんな状態のお年寄りを殺そうとしたのだろうか?
全身の切り傷を見た感じ、自分でやったとは思えないのだが。
「う、うう」
「師匠!」
気を失っていた老人の目がゆっくりと開かれる。
その目は焦点があっておらず。
険しい表情は睨んでいるようにも見えた。
「死ね、なかった」
「!」
老人はゆっくりとした言葉でそう言ったのだった。
カーシャさんは思わず息をのんだ。
そして、俺は一つの答えにたどり着いてしまったのだった。
「とりあえず、ゆっくり話ができるところまで行きましょう」
「え、あ、うん。そうね」
カーシャさんは相当動揺しているようだった。
彼女が取っている宿屋に行くことになった。
その間に老人は言葉はなかったがずっとカーシャさんの背中で泣いていた。
そして、宿のカーシャさんの部屋に着くと老人を椅子に座らせた。
「すみませんが少し話を聞かせてもらいたいのですが」
ゆっくりと俺が話すと老人はゆっくりとうなずいた。
「ゆっくりでいいです。まず、あなたの名前は何ですか?」
「ガシェル、だ」
「次にあなたは全身傷だらけでした。その原因を教えてください」
「自分で、やった」
その言葉にカーシャさんは目を大きく見開く。
俺はカーシャさんに視線を向けた。
「師匠は風の魔法を得意にしていた。出来ないことは、ないと、思う」
「分かりました。次になんでそんなことをしたのでしょうか?」
「僕は、こんな、体に、なった。武闘家、だった、のに。こんな、生き恥」
自分のプライドが大きく傷つき精神的に折れてしまったという事か。
確かに前世でも老化に伴い大きく傷つく人たちがいた。
でも、体が動かないから自分で死ぬことができなかったが、この世界では違う。
魔法という凶器をいつでも持ち合わせているのだ。
「教会に、毎日、行ったのに。神は、なぜ」
その言葉に前世での高い医療レベルに感謝と恵まれていたことを実感したのだった。
さて、それでは。
「一緒に頑張っていきましょう」
「「は?」」
カーシャさんとガシェルさんが声をそろえて返事をした。
しかも、意味が分かっていないようだ。
なら、実際に見てもらうしかない。
〈介助〉発動!
俺がスキルを発動するとガシェルさんの背筋が少し伸びる。
そして、固まっていた筋肉がゆっくりとの緩まっていった。
「急に体の骨格を変えると、内臓へのダメージがどうなるか分かりません。それに、このスキルは一日過ぎると効果を殆ど失います。これから、一緒に体の治療を行っていきましょう」
「ああ、神は。神は、僕を、見捨てていなかった」
身体を圧迫していた拘縮が緩和され、言葉が先ほどよりも出やすくなったようだった。
だが、このスキルは一時的な物。
リハビリテーションのスキルが高くなれば、もう少し早い治療ができるのだろうが、ないものねだりはできない。
この機にリハビリテーションのレベルを上げれるだけ上げてしまおう。
どうやって上げればいいか分からないが。
「ルヴァン、ありがとう」
ガシェルさんを寝かせたカーシャさんが嬉しそうにそう言って笑って見せた。
「いえ、俺ができる事をしただけです」
「私はあのままだったら師匠を死なせたうえに、いもしない敵を討ちに行くとこだった」
「確かにあの時のカーシャさんは怖かったです」
「ごめんね」
そうつぶやいたカーシャさんに笑顔はなかった。
俺は重い空気を吸い込んだ。
「これからの方針を説明したいと思います。いいですか?」
「え? う、うん」
「ガシェルさんの症状は筋肉の拘縮、無動、静止時振戦が見られました。この症状が出る病気はパーキンソン病というものがあります。この病気はある物質が体の中で作られなくなる、または減っていくがゆえに起こります」
「え、えっと」
カーシャさんは理解できていないようだ。
まあ、前世の知識は専門的過ぎてこの世界では理解は難しいだろう。
「病気の理解はそこまでなくても大丈夫です。これから俺は〈介護〉のスキルでその状態を直し、〈介助〉のスキルで失った身体機能を補っていこうと考えています。更に〈リハビリテーション〉のスキルで少しずつですがその状態が定着していきます。ここは大丈夫でしょうか?」
「た、たぶん」
「では、これから必要になることとして、運動機能が低下してしまっているのである程度正常に戻るまで移動等の介助が必要になります。その間のガシェルさんの生活をお願いしたいのです」
寝かせた時に見たが、身体はやせ細り、床ずれとかも見られた。
ずっと誰も介助してこなかったのだろう。
「わかった」
カーシャさんは強く頷いたのだった。




