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第二話 せっかく転生するんだから転生特典をもらいたい。

二話目です。

よろしくお願いします。

≪これが転生特典のスキル一覧です≫


取り出された本には小さな文字で何十ものスキルが紙に羅列しており。

それが、掌でつかめないほど厚い大きな本の全ページに書かれていた。


≪あなたのポイントは六一〇〇ポイントです≫


「それって多い方ですか?」


≪普通の人で四〇〇〇から五〇〇〇ポイントですので少し多いくらいですかね」


「そうですか」


だが、これだけ多いと読み切るのにも時間がかかりそうだ。


≪因みによくある前世の記憶を持っていくには一〇〇〇ポイントかかります≫


「なるほど」


≪他にも成長促進や限界突破はそれぞれ二〇〇〇ポイントかかります。あとは魔法を使うのに必要な魔法適性は八〇〇ポイント必要です≫


「結構かかるんですね」


マンガやゲームが好きだった俺なので、転生もののマンガや小説も読んできた。

その中でも特に主人公たちが持っていたのが成長促進や限界突破だが、それを持ったうえで記憶を持っていくのにほとんど転生のポイントを持っていかれてしまうのか。

人によっては三つの内どれかを諦めなくてはいけない。

転生も思いの外厳しいようだ。


「剣術が一〇〇〇ポイント」


≪そういった項目は前世に何をしたかによって変わります。例えば高校の体育で剣道をやっていればポイントは七〇〇ポイントまで減りましたし、剣道部に入っていれば五〇〇ポイント。剣道の段持ちであれば最高一〇〇ポイントまで減りました≫


「なるほど」


俺は中学、高校と体育の授業で柔道を取っていた。

だが、柔道のスキルは無い。


≪柔道の場合は体術になります≫


本のページが自動で開き体術の項目が現れる。

体術のスキルは六〇〇ポイントだった。

だが、ふと思うことがある。


「スキルって転生後は身に付けることはできないのですか?」


≪できます。ただ、転生後身に付けるスキルにはスキルレベルというものが存在していて、練習すれば上がりますし、怠ければ下がります≫


「じゃあ、ここでてにいれたスキルは?」


≪ここのスキルは天恵スキルと呼ばれ、レベルがなくスキルの性能が下がることはありません。一生ものですね。ちなみに転生後、成長促進も限界突破も手に入ります≫


「取り方は?」


≪それは転生後にご自身で調べてみてください≫


なるほど、その方が楽しいか。


「この中に転生後取れないスキルは?」


≪よく知られているものでは先ほども出ました、魔法適性。他には転生先によって変わりますが獣人族にのみとれる爪術とかですね≫


……転生先?


「俺って転生先は人間じゃないんですか?」


≪分かりません。ランダムですので、もしかしたら獣人かもしれないし、エルフだったり。他にも犬やドラゴン、魔物種に転生する可能性もあります≫


「人間に選ぶことは」


≪出来ます。人間転生に二〇〇〇。人種転生に一〇〇〇。知的生物に五〇〇ポイントが必要になります。たまに魔物や虫に転生する人もいますが、そこはそれぞれ一〇〇ポイントになります。このスキルは転生後に無くなりますのでご了承ください≫


「そうですか」


今までの説明で少なくとも知的生命体への転生スキルは欲しい。

スキルをもらっても虫で使い方が分からないとか目も当てられないからだ。

次に記憶をできれば持っていきたい。

前世の記憶で技術チートがしたいというわけではない。

ただ、この後の転生がどうなる分からない以上、色々な苦境があるかもしれない。

そんな時に心の支えになるものが欲しいのだ。


「これで、一五〇〇ポイントは決まったか」


ふと彼女の顔を見る。

その表情はとりあえず笑顔ではあるが、顔色が悪く先ほど以上にクマが濃くなっている。


「大丈夫ですか?」


≪何がでしょうか?≫


「いえ、疲れてるのではないかと」


≪すみません。最後に休んでからかれこれ五十年ほど休んでいなくて≫


五十年働き詰めって、相当ブラックだな。


≪特にあなたの前の方がスキル選びに時間がかかってしまい。遅ればせながら、待たせてしまいすみませんでした≫


「いえ、問題ありません」


≪だれか、私を連れ出してくれれば≫


「そんなスキルがあるんですか?」


≪私のような天使を連れていくだけなら色々ありますよ。例えば召喚魔法〈天使〉とか、もしくは結婚スキルをここで使って無理やり転生先に連れてっちゃうとか≫


「そんなことができるんですね」


スキルの本がまた自動で開く。

召喚魔法〈天使〉五〇〇〇ポイント。

結婚八〇〇ポイント。

なるほど。


≪この前、後輩の女の子がそれでこの転生職を寿退社しやがって、そのしわ寄せがこちらにまで来てしまい。……もう、疲れました≫


そして、彼女は何もないのに遠くを見ながらため息をつく。


≪私が美人だったら≫


そう彼女は言うが美人な部類であると俺は思う。

疲れの為表情が暗いが。


「あの」


≪はい≫


「選び終えたら起こしますので、寝たらどうですか?」


≪ありがとうございます。そうします≫


そう言って彼女は机に突っ伏して寝てしまう。

相当疲れていたのだろう。


「では選びますか」


まず、前世で培っていた介護のスキルを取ることにした。

だが、どういうわけか介助というスキルもある。

介護とは人を助ける行為の事であって、介助はその手段である。

だが、どちらも二〇〇ポイントなので両方もらっておこう。

そして、配薬に三〇〇ポイント。

救急対応に六〇〇ポイント。

他にも夜勤をしていたおかげか夜間行動のスキルが五〇〇ポイントだ。

とっておこう。

他にも介護現場で利用者様を観察してきたおかげか鑑定はとるのに本来一〇〇〇必要だが、鑑定〈人種〉に絞れば四〇〇でとれた。

やはり、この転生スキルは前世の行動が大きく作用しているようだった。

最後に体術に趣味として頑張ってきた歌唱に似ている歌唱魔法と魔法適性を取って。

残り五〇〇ポイントになった。


「すみません、決めました」


≪分かりました。それでは「その前に」


俺は緊張の為か大きく深呼吸をした。


「よかったら一緒に来ませんか?」




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