表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国を捨てて自由を掴む  作者: 神谷アキ
1、『ブックカフェ ラーシャ』
2/53

2




 そんなこんなでここにたどり着いた訳だけど、前世の時からやりたいことがあった。それはブックカフェ!


 本が好きな私にはちょうどいいし、城を抜け出す時も、たくさん本を持ってきていた。かさばって重かったけど後悔はしていない。


 そして空き家だった家を買い(宝石を売った。持ってたって使わないもんね)、今日やっと準備が終わり開店の支度が整ったのだ! やったあ! お客さんも来て欲しいけど、読書しながら仕事ができるなんて! サイコー!!あ、でも、もちろん仕事もちゃんとやるよ!



 『ブックカフェ ラーシャ』



 自分の名前からとり、このお店の名前はラーシャとしてみた。自分でもなかなかいい出来だと思う。

午後が楽しみで仕方がない。今日の午後から開店って昨日から宣伝してたからね!


 本の位置よし、机よし、椅子よし、メニューも大丈夫! 簡単なものしか用意してないけど、リクエストが有れば作る形式にしたい。空いてるときだけのサービス!



「あ、お店の前、掃除しとこ」



 入り口が汚いと、飲食店だから入るのためらっちゃうよね。念入りに掃除しよ。箒をもって店の周辺を掃いて行く。



「あ、サラちゃん! 今日からお店開けるんだってな! 客くるといいな!」


「こんにちは! ありがとうございます!! ぜひ来てくださいね!」


「おお、もうお店できたのかい? 室内の様子はどうだい?」


「トマさん! 改装工事、ありがとうございました! すごく雰囲気いいです!」



 ガヤガヤしている通りで、色々な人が声をかけてくれる。

 トマさんは格安で家の改装工事をしてくれたご近所さんだ。引越しの挨拶をしに行ったら気に入られたらしく、よく息子のビートを寄越してお手伝いをしてくれる。



「ビートも開店したら顔出すってよ! あのアイスだったか? あれが食いたいんだと!」


「わかりました、用意をして待ってると伝えてください!」



 もうすぐ春も終わり、暑い夏がやって来る。外も少しずつ暑くなってきたため、冷たいものを食べたいだろうとアイスをメニューに加えることにした。


 この世界は便利で、魔法がある。ただ、貴族などにしか発現しない。たまに一般市民の子供にも使えることがあるみたいだけど、あまりいないらしい。その魔法でジュースを冷やし、何種類かアイスを作っておいた。


 私は学園にも行ってないが、家庭教師のような人はいた。流石に王族に家庭教師の1人もつけないのは体裁が悪いらしく、反対されなかった。

 でもその人が優秀な人で沢山のことを教わった。今考えるとあの先生には懐いてたなぁ。どっかでもう一度会えるといいな。



「あ、そろそろ急がないと!」



 喋っていたせいであまり進んでない。パパッと掃いて、店に入る。初日だからどれくらいの人が来るかわからないけど、軽食を準備しとかないと。


 ふっふ〜ん、ふ〜んふん


と鼻歌を歌いながら手際良く作っていく。王女は無理だけど、前世の私は1人ぐらしだったからこのくらいチョロいチョロい。 


 開店ギリギリまで用意をして、後はどうとでもなれ! と店の前のプレートをcloseからopenへと変えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ